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亀井国務大臣 農業経営基盤強化促進法の一部を
改正する
法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
将来にわたる食料の安定供給と農業の持続的発展を図るためには、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を早期に
確立することが重要であります。
そのためには、
地域の実情に応じて、効率的かつ安定的な農業経営を広範に
育成していくとともに、意欲ある農業の担い手が多様な経営展開を図ることができるようにしていく必要があります。
また、近年、遊休農地が増加傾向にあり、その解消を図ることが急務となっております。
政府といたしましては、このような課題に対応して、農業の構造改革を加速するための
措置を講ずることとし、この
法律案を提出した次第であります。
次に、この
法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
第一に、農業生産法人による多様な経営展開を可能とするための
措置であります。
農業を営み、または営もうとする者の作成する農業経営改善計画について、現行の計画事項に加え、関連事業者等と
連携して行う経営改善のための
措置を含めることができるようにするとともに、分社化、のれん分け等農業生産法人の多様な経営展開が可能となるよう、このような計画の
認定を受けた
認定農業者である農業生産法人については、農地法に定める構成員要件について特例
措置を講ずることとしております。
第二に、集落営農組織を担い手として
育成するための
措置であります。
地域の農地を面としてまとまって利用し、経営主体としての実体を有する集落営農組織について、
地域における農地の利用集積を図るための準則である農用地利用規程に、担い手として定めることができるようにし、その
育成を図ることとしております。
第三に、遊休農地の解消及び利用集積を促進するための
措置であります。
地域農業の振興を図る上で著しく支障があると認められる遊休農地について、その所有者等に農業上の利用に関する計画を届け出させることとし、その計画内容に応じて、
認定農業者への集積等その利用増進を図るための
措置を講ずることとしております。
続きまして、
農業災害補償法の一部を
改正する
法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
農業災害補償
制度につきましては、昭和二十二年の
制度創設以来、半世紀以上にわたり、災害によって農業者がこうむる損失を補てんすることにより、農業経営の安定に大きく貢献してまいりました。
しかしながら、我が国農業をめぐる情勢が大きく変化している中で、意欲ある農業の担い手が創意工夫を生かした農業経営を展開するための条件を
整備し、農業の構造改革を推進するためには、担い手となる農業者の経営感覚の醸成に資する等の観点から、農業災害補償
制度を見直していくことが必要であります。
このような課題に対応して、農業者の経営実態に応じた補償の選択、農業生産の実態に即した合理的な補償及び農業共済
団体の運営の合理化に資するため、この
法律案を提出することとした次第であります。
次に、この
法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。
第一に、農業経営の実態に応じた補償の選択に資するための
措置であります。
農作物共済、果樹共済及び畑作物共済の引き受け方式につきましては、現行では、
農林水産大臣による
地域指定または農業共済組合等による選択等により、
地域ごとに単一の方式とするのが
原則とされておりますが、
農林水産大臣による
地域指定を廃止し、農業共済組合等が複数の引き受け方式を共済規程等で定めることができることとしております。また、乳牛の子牛及び胎児を家畜共済の共済目的に追加するとともに、果樹共済に樹園地単位方式を、畑作物共済に一筆単位方式を導入する等の
措置を講ずることとしております。
第二に、農業生産の実態に即した合理的な補償に資するための
措置であります。
農作物共済の災害収入共済方式に
品種、栽培方法等による区分を導入するとともに、家畜共済の死亡または廃用に係る共済金に支払い限度を設けることとしております。
第三に、農業共済
団体の運営の合理化に資するための
措置であります。
農業共済
団体の選挙権に係る規定を
整備するとともに、農業共済
団体の自治法規として共済規程または保険規程を導入するほか、書面で行うこととされている共済細目書の提出を電磁的方法によることができることとしております。
以上が、これら二
法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。