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鮫島委員 有事のときの備蓄体制について聞いたんですよ、今後想定される。今後、
先ほど内閣官房の方も、国内保護法制を充実していくと。その中で当然
食料備蓄のあり方も今後検討していく課題ですよということとの関連で、
食料の備蓄というのは有事を想定したら四カ月というのが国際常識ですよと。これは、種をまいてから収穫するまで四カ月かかるからということで、四カ月。
先ほど、学識経験者に検討してもらったというけれ
ども、その学識経験者に有事を想定した備蓄について諮問しましたか、そういうことで検討してくれと言いましたか。僕はその学識経験者も知っていますが、彼らは別にそんなことを
考えて決めたわけじゃないですよ。十年に一回の不作のときにどうするか、それから売れる米をつくる、消費に応じて
生産しましょう、そんな話で、全然、平和ぼけ
会議なんだから、有事のことなんか一言も出ていない。
長官もおかしいですよ。あなたの頭の中に有事はないのか。これほど国会で問題になっていた有事法制の
内容を一体読んだことがあるのか。有事のときどうするんですかと。まあいい、答えなくていいです。
一冊だけ私は長官にも本を読んでもらいたいと思いますが、「ミグ25事件の真相」という本が二年前に出ているんです。
一九七六年、函館空港にベレンコ中尉というのがミグ25に乗って亡命的な不時着というか、強制着陸したんです。これが実はずっと歴史の中で隠されていたんですが、当時の防衛庁の法務官の大小田八尋さんという人が二十五
年間の禁を破って、全部資料は捨てたはずになっている、処分したはずになっていたんですが、この人がコピーを全部持っていて、それで二十五年ぶりに、やはり本当のことを国民に知ってもらった方がいいだろうということで出した本がこの「ミグ25事件の真相」という本です。
実は、戦後一度だけ防衛出動がありました。これがそのミグ25のときなんですね。年配の方は御存じだと思いますが、
昭和五十一年ですからちょうど三木内閣のとき、防衛庁長官が坂田道太さん。
国籍不明機が近寄ってきました、スクランブルかけたら見失ったんですね。超低空飛行で函館に入ってきたんですが、ずっと航空自衛隊は見失って、当時の無線のやりとりが記録で残っていますが、見失いました、どっち方面をスクランブルかければいいでしょうかと言ったら、何を言っているんだ、もう空港に着陸しているからすぐ戻ってこいというようなやりとりまであって、函館の空港に着陸した。
そうしたら、その次の日にアメリカの軍事筋からすぐ連絡が入って、大変な事態だと。このミグ25は機密の塊、最新鋭機で、必ずソ連がこれを奪回もしくは破壊に来る。空から空爆で破壊するかもしれないし、函館空港に潜水艦で特殊部隊が入ってきてこの機体の破壊または奪還を行う
可能性が極めて強いから、直ちに準備せよという指令がアメリカから入って、北海道の方面本部がパニクったわけだ。
それで、三木総理、坂田防衛庁長官に防衛出動の依頼をしたけれ
ども、二人とも逃げ回って、私
たちは関係したくないというので、結局、北海道の
責任者が、超法規的措置で、私が全部
責任をかぶるということで、実際戦車まで出して、それで具体的にどうなったかというと、ほとんど証拠物件としてのミグ25の機体の奪い合いで自衛隊と警察が一触即発、お互い銃を構えて、何だか漫画みたいな話ですが、非常におかしなことになって、身柄と機体を警察がとるのか自衛隊がとるのか大騒ぎになったことがある。
結局、結果的にアメリカが入ってきて、おまえらそんな心配をするな、全部こっちが持っていくからといってみんなアメリカが持っていっちゃったわけですが。
そのときに正式な防衛出動が実はあって、全部この命令書や何かが出たんですが、その後の処分だとかいろいろなことをどう
考えたらいいかというのを
責任者で悩んでいたのがこの大小田八尋さんなんですね。ですから、この超法規的措置というのがいかに危ないものかというのが具体的に書かれているのがこの「ミグ25事件の真相」という本で、一九七六年の真相がやっと二年前に明らかになった。そのぐらいやはり日本というのは有事の体制がなかった。
食料については、教科書的には三つの体制をしきなさいと言われています、有事に備えて。日ごろから高い自給率を維持しなさいというのが大原則。それから二番目に、輸入
食料については調達先を分散しなさい。これは石油と同じですね、ある国にだけ依存度が高まると危険ですよ、北半球、南半球含めて調達先を分散しなさいというのが二番目。三番目は備蓄の有効活用。それで初めて、有事に備える、備えあれば憂いなしと言えますよと。
自給率の向上と、調達先の多様化と、備蓄の有効活用、この三つですが、今、農水省の今度の
政府案で出てきているのもこの三つとどう関係しているのかというと、三つとも
余り関係していない。自給率の向上は、
意欲としてはわかります。それから二番目の調達先の多様化、これは
西藤局長の
役割なのか。
農林水産省は、今、日本国民は海外からの
食料に六割依存しているわけですが、日本の
食料の六割は外国生まれという、この農水省のパンフレットにも書いてありますが、そうすると、セキュリティーの観点からどういうふうに調達先を分散化しているのか、あるいはその辺をどこが戦略を立てているのか。
国民への
食料の
安定供給という観点から、六割依存する海外についてどういう戦略を立てているのか、そのヘッドクオーターというのは日本
政府のどこにあるんですか、海外からの
食料調達の戦略をつくるセンターは。