○後藤(斎)
委員 先ほど長官がお答えいただいたように、今、いわゆる六十五歳以上のお年寄りの方の米の
消費も減っているというふうなお答えがございました。その中でも、もう一つ特筆すべき
消費動向で、
減少している一番の問題というか特筆すべき事項というのは、米をおつくりになっている
農家の方の
消費も、逆に言えば
消費者世帯の
需要減よりもはるかに高いということを
指摘せざるを得ないと私は思っています。
農水省が調査をなさいました、今回の
米政策改革に関する意向調査結果という中の、
需要に見合った
米づくりへの
取り組みの意向というものでも、これはちょっと後でまた触れますが、有機、減農薬栽培と業務用米など
需要に見合った新しい
米づくりへの
取り組みということで、その中に、
需要に合った
米づくりをしていこうという意欲のある方が三四%、今までどおりでいいという方が三八・八%。
生産者の方は、まだこの
制度が正式にスタートしていないということもあるのかもしれませんが、それを差し引いても大変憂慮すべき事態だというふうに私は思っています。
平成十五年度、十六米穀年度の
需給見通しを見ても、主食、加工用
需要、
需要計という
ところで十万トン減って、平成十六米穀年度では、総
需要は九百六十一万トンという数字になっています。これにどう歯どめをかけるかというのが、今回の法改正そして政策大綱の本当のあり得べき
米づくりということで、平成二十二年に向けて対応していくべきだと思っています。
大臣、このまま
需要減というものを放置しておくことではなく、昨日の日本
農業新聞でも、いわゆる機能性米、これは別の視点から、遺伝子組み換え、イネゲノムのいろいろな改良をしながら、肥満、高血圧、花粉症の予防に効くお米がこれからできていくであろうというふうなことであります。一方で
消費者の安全、安心ということではそこの部分にどうこたえていくかと、一方の議論もございますが、今御
指摘をしましたように、私は、米の
需要拡大というものを半端じゃない形でまずやっていかないと、縮小再
生産にもう完全に陥っていることは、だれが見てもそれをノーと言う方はいないはずです。
ですから、三十年間にわたって五兆七千億の
予算を使いながら、ある程度は
価格下支えをし、それでも最盛期には三兆九千億近い米所得というのが、現行では二兆円を切ろうとしている。普通、所得が半減するということは、その
農家や
産業にとってみたら、もう支え切れない
ところまで行っているというふうなことだと思うんです。
私は、その一番の原因は、
価格が下落をしているということではなく、
消費が、
需要が減っているという
ところにまず着目すべきである。ですから、先ほど長官がお答えになっていただいたように、昭和五十年から、学校給食は除くということでありますが、八百億という数字なんです。この
予算計上で
需要開拓、テレビやコマーシャルというのはわかりますが、本当に何をしてきたかということが今やはり問われないといけないというふうに思っています。
その中で、私は、いろいろな試算をする時間はないんですが、農水省の方では、いわゆる有機米と一般米の
単価や
生産量の把握はきちっとしていないということで、お答えはいただいておりませんが、今、民間稲作研究所という
ところで、ある程度数字をおまとめになっているものを御紹介させていただきたいと思っています。
コシヒカリというグルーピングを大まかにするのはもちろん適切ではないと思いますが、あえて比較をすると、大体
単価で四割から五割、有機米の方が一般米よりもプラスになることになっております。あわせて、単収で見ますと大体一割から二割、大体二〇%ぐらい有機米の方が単収が落ちると言われています。
単純に今の水田面積にこの数字を掛けるというのは適切でないかもしれませんが、二〇%の有機米のシェアを、有機米ということではありませんが、先ほどもお話がちょっとありました、BSEが発生した我が国の直前の国でありましたドイツでは、食の安全ということでいろいろな
制度改革、
組織改革をしながら、あわせて有機
農業の拡大ということを、
消費者信頼の回復のために重要な手段であるということで、二〇〇一年九月、ちょうど日本でBSEが発生したころに、変化による信頼、持続的
農業のための行動計画ということで、当時三%弱でありました有機
農業の
経営体面積を二〇一〇年までに二〇%まで拡大するという
目標を明確に掲げました。
私自身はこの
委員会で二、三度、この有機
農業、要するに
農業の政策
転換をあわせてすべきだという御
指摘をさせていただきましたが、私は、今回の
米政策大綱に欠けているものは、申しわけないんですが、先ほども御
指摘をさせていただいたようにやはり今までの焼き直し、
政府の
関与を、県や
農業者の直接
関与に近い形で年月をかけて国は引いていこうというふうなことだと感じざるを得ないんです。今回のいろいろな、
農業者、
地域が取り組む課題の
対策を見ても、確かに
地域の創意工夫というのはある程度出るかもしれませんが、何人かの
議員からも
指摘がありました、大変難しいと思うんですね。
ですから、
大臣が先ほどお答えになられた部分でいえば、ある意味では、米という部分を農法で分けると、有機栽培と無農薬、減農薬、今の現行の栽培と、多分四つくらいに分けられて、それに、例えば先ほどお話をしたように
生産量が変わってくる、そして
生産調整の面積をいろいろな
助成制度を足し込みながらやるというモデル
ケースみたいなものがないと、やはりなかなかそれぞれの
地域で広がっていかないという現実があると私は思うんです。
やはり、新しい
需要を拡大するというのを、八百億、三十年以上かけてというよりも、もっときちっとやってもらう。例えば、この総
予算が
幾らになるかわかりませんが、少なくとも一割くらいは
需要開拓にきちっと使うんだというくらいの姿勢を見せていただきたいんですが、
大臣、いかがでしょうか。