○岩田
政府参考人 保育所と幼稚園について、助成金を含め今四点ばかり御
質問いただきましたけれども、まず、基本的にぜひ御
理解いただきたいというふうに
思いますのは、保育所と幼稚園のそもそもの機能の違いのところでございます。
保育所は、親が働いているなど家庭で保育を行えない、そういう児童について、家庭にかわってといいましょうか、家庭の養育を代替する、補完するものでございまして、いわば養護と
教育を一体的に行う子供のための児童福祉施設の
一つでございます。幼稚園は、親の希望によって就学前の
教育を行う
教育施設である、こういう基本的なそもそもの役割の違いがあるというふうに
思います。
また、特に近年は働く女性がふえ、その本格的な就労がふえ、また就業形態が多様化しておりますので、九時から五時まで働くということばかりではございません。早朝働く方、夜間働く方、休日働く方、そして病気のお子さんの保育の問題、そういったようなことも含めて、非常に長い時間帯、休日も含めて、年間を通じて保育サービスが求められているということもございますので、幼稚園との差はむしろ拡大しているという面もあるというふうに思っております。
このように、就学前のお子さんに対する子育ての支援ニーズというのは多様でございますから、何か
一つの制度、一種類の施設があればいいということではなくて、多様な施設が多様なニーズにその
地域でいかにこたえられるかということであろうかというふうに思っております。
ただ、
地域によりましては、子供さんの数が減っているということもありますので、保育所と幼稚園をそれぞれ別々に設置、運営するというのがなかなか難しい、効率が悪いというようなところもあるというふうに伺っております。そういうことで、文部科学省と、従来から施設を例えば併設するとか合築するとかという形で、いかに相互にそれを共有することができるかということについて進めてまいったところでございます。
今般は、それに追加をいたしまして、
構造改革特区においては、施設の共有だけではなくて、保育そのものを合同で
実施することも認めてまいりたいというふうに思っております。そういった
地域のニーズに的確に対応しながら、制度を運営してまいりたいというふうに
考えております。
個別具体的なことの御
質問でございますけれども、資格の問題については、そういう異なる制度の職員でございますし、特に保育所の保育士の資格というのは、保育所だけではございませんで、乳児院とか児童養護施設、母子生活支援施設といった児童福祉施設において子供にかかわる、そういう職員の共通する資格でございますので、幼稚園の教諭と資格を統一するというのは無理ではないかというふうに
考えております。
なお、しかしながら、先ほど申し上げましたように、幼稚園と保育所を連携して運営する、併設するというような動きもございますし、そういった観点から、保育資格と幼稚園の教諭の免許をできるだけ同時に取得することができるようにということで、例えば、保育士の養成課程、カリキュラムの見直しも十四年度から行いましたし、また今年度は、既に幼稚園の資格を持っておられる方が追加をして保育士の資格取得を、いかに容易に取得しやすい方策が
考えられるかということについても検討してまいりたいというふうに
考えております。
保育所と特別養護老人ホームなどの併設は、子供の例えば高齢者に対する
理解や
思いやりを育てるという
意味から申し上げましても、大変注目すべきいい試みであるというふうに
考えております。公立であれ、私立であれ、老人ホームと保育所を併設することについての制度的な障害は何もございません。
現に、少し古い数字ですが、
平成十二年十月の時点では、
全国で五百六十四の施設が老人の施設と保育所の施設を併設しております。こういういい取り組みは、ぜひ情報を関係者に周知をして、さらに取り組みを進めたいというふうに思っております。
最後に、認可外保育所についてのお尋ねでございました。
基本的には、児童福祉施設、最低基準を満たす認可保育所が保育サービスを提供すべきであるというふうに思っておりますけれども、そういう
考えに基づいて、認可外保育施設が認可保育所に移行しやすいように、そのための手だてを講ずべきであるというふうに
考えております。
二つのことをやってまいりました。
一つは、認可の基準の
規制緩和でございまして、例えば、従来は自治体か社会福祉法人しか保育所の設置ができませんでしたけれども、設置の主体制限をすべて撤廃いたしまして、どなたでも、株式会社でも個人でも保育所が設置できるようになりましたし、建物や土地も賃貸でもいいということにいたしましたり、さまざまな
緩和をしてまいりました。
もう
一つは、
平成十四年度から、認可外保育所を認可に転換する、そのことを私どもとしても支援しようという、その支援のための補助の事業も設けたわけでございまして、認可外保育施設にはできるだけ認可化の促進という方向で取り組んでまいりたいと思っております。