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澤井政府参考人 ただいまの四点の御質問につきまして御説明申し上げます。
まず一点目に、二〇〇三年問題についての認識はどうだということでございますが、東京二十三区で大規模オフィスビルが二〇〇三年にかなり集中して供給されるという、まず現象的な問題でございます。
このいわゆる二〇〇三年問題につきましては、要因は幾つかあると思っておりますけれども、
一つには、いわゆる旧国鉄清算事業団用地の開発案件がこの二〇〇三年に集中しているということがございます。品川駅の東口あるいは汐留等が代表でありますが、そうしたことを主たる要因といたしまして、いわゆる大規模オフィスビルについて大量供給が生ずるという一時的な現象であるというのが基本的な認識でございます。
ちなみに、過去十年間の平均で大規模オフィスビルの供給量を見ますと、大体一年間百万平米でございます。一方、二〇〇三年には二百万平米強の供給がされますけれども、そのうち約半分がただいま申し上げました旧国鉄清算事業団用地
関係の案件でございます。
一方で、この二〇〇三年に大量供給されるということの一種反動といいましょうか、二〇〇四年以降につきましては、大規模オフィスビルの供給量は減少することが見込まれております。これは既に着工されているプロジェクトを把握すればかなり確度の高い予測ができるわけでありますが、そうしたベースで民間
企業で把握しておられる数字を申し上げますと、二〇〇四年から二〇〇七年の間には、先ほど二〇〇三年が二百万平米強と申しましたが、逆に四十万平米から七十万平米ということで減ります。したがって、直近の過去十年の平均、これは大規模ビルの供給量が大体百万平米ぐらいでありますが、二〇〇三年以降の数年をとりますと、やはり先ほどの反動減ということもあわせまして百万平米ぐらいになります。
なお、
バブル期の一番大量に供給されたのは一九九四年ということになっておりますけれども、そうした年次と、今大規模ビルのことを申しましたが、小規模ビルも含めた総供給量ということで比較いたしますと、先ほど言いました一九九四年の約六割という水準になります、二〇〇三年は。
こういったことから見まして、今後数年間で今回の大量供給に関する需給は
調整されていくであろうというふうに考えております。
次に、新増設に係る事業所税の
廃止を国土交通省の方で要求したのではないかという御指摘でございますが、御指摘のとおりでございます。国土交通省といたしましては、
平成十五年度
税制改正要望の重点事項の
一つとして、この事業所税の新増設分の
廃止についてお願いを申し上げたところでございます。
その理由でありますが、まず都市
政策上の側面からいいますと、我が国のオフィスストックの現状というのはまだまだ極めて不十分な状況にございます。例えば都心三区、我が国の中枢的な機能が集まっている区域でありますが、そこのオフィスビルの状況を見てみますと、例えば阪神・淡路大震災でも、昭和五十六年の新耐震基準以降のビルかどうかで倒壊の状況が決定的に違ったわけでありますけれども、この昭和五十六年の新耐震基準を満たしていないビルが、今申しました都心三区においてすら半分以上ございます。さらに、今後に向けた情報化対応等いろいろな課題を有するビルが、繰り返しですが、都心三区において約七割を占めているという状況にございます。こうした状況を改善して、魅力、活力にあふれる都市の実現を図っていくという観点が
一つでございます。
また、一千四百兆の個人金
融資産等民間資金をこうした将来の都市づくりのための投資に結びつけるということで、先ほど来御
議論の、
土地の流動化あるいは
土地の有効利用を促進していくことが、一方で、現在の
デフレ状況からの脱却、我が国の
経済構造改革を進めていく上でも必要かつ有効であると考えた次第でございます。
しかしながら、民間建築投資全体は、ピーク時、
平成二年度でありますけれども、その約三七%にまで落ち込んでおりまして、都市機能の更新がその
意味でも停滞しているところであります。
こうした状況のもとで、御指摘の新増設に係る事業所税につきましては、新規の建築投資を促す観点からその
廃止をお願いしたものでございます。
このことと二〇〇三年問題は両立するのかということでありますが……(重野
委員「簡潔にやって」と呼ぶ)