○佐藤(観)
委員 参考人の
皆さん方には、お忙しい中、まことに御苦労さまでございます。大変重要な問題でございますので、また限られた時間ですので、端的にお伺いをしたいと思います。
それで、
勝田参考人の陳述の中で一兆九千六百億円のお話がございましたが、実は、
勝田さんには
責任がないのかもしれないけれ
ども、
平成十年三月及び
平成十一年三月、いわばあさひと大和が合併する前に、合計八千六百八十億円の
公的資金が入っているわけです。それに、三度目の正直と言っていいのかどうかわかりませんが、今度の一兆九千六百億円が入るわけですから、この事の重大さを
国民の一人としてまず
認識をしていただきたいわけであります。
この
委員会でも問題になりましたけれ
ども、この八千六百八十億も、これから
本当に順調にいけばいいけれ
ども、だめだった場合には、またこれは紙くずになってしまう可能性があるわけですから、当
委員会としても非常に関心を持っているところでございます。
そして、このあさひと大和の九月
期決算というのは、単体で言うと、大和が七・五、あさひが八・〇という数字が
金融庁の方から、あるいはこのもとはお
たくからだと思いますけれ
ども、出ているわけで、いわば合格ラインになっているわけであります。
私は、非常に不思議に思うのは、これから申し上げますけれ
ども、あなたも執行中の話でありましたから覚えていらっしゃると思いますが、こういう
自己資本比率を持ちながら、三月一日に合併して「りそな」が発足する。そして、三月十一日に、今問題になった
増資が一千二百億円行われたということであります。そして、その後、総理を入れた緊急
会議で公的資本の
注入というのが五月十七日でありますが、実は、
岩本理事長からもお話がありましたように、
朝日監査法人がおりることを決定したのが四月二十二日でございます。そのときには既に中身は大方見ているわけですね。
つまり、何が言いたいのかというと、三月一日に合併して、
増資をして、実際には、朝日さんがおりるときでもいいし、我々のこの
委員会では、連休中に
皆さん方が大変走り回っていたという話を聞いているわけですから、三月、四月末、つまり、合併して二カ月もたたないうちにこういう問題が起こっているということが不思議でならない。どうして、九月には大和で七・五、あさひで八・〇あったものがいわば
公的資金を導入しなきゃいかぬというようなことになる、それが二・〇七というところまで資本が毀損をする、これは何だろうというのを私は非常に不思議に思っているんです。ここは、どこかの数字が違っているのか、どこかのことで何かがあるのかというふうに考えざるを得ないのであります。
それで、りそなホールディングスの方の社長が、ホームページに入っておりますけれ
ども、
公的資金を入れざるを得なくなったのは、三月
期決算において財務体質の健全化を大きく進めるために、オフバランスをしたことやら、あるいは株式等の
含み損の抜本
処理なり、それから繰り越し
税金資金の取り崩し等、
多額の
損失を計上し、こうあるわけですね。
このホールディングスの川田社長のお話を聞いていると、
銀行の財務の健全化のために繰り税を入れ、あるいは株式等の
含み損も
処理をし、オフバランス化もした、財務体質をよくするはずなのに、財務体質をよくし過ぎちゃったのかどうかわからぬけれ
ども、結局
自己資本が二・〇七まで下がっちゃった、こういう理屈になるわけですね。
どうもこれは、私
たち扱っている者としては何ともよくわからない。わずか二カ月たつかたたないうちに、発足した「りそな」が資本不足だというんだから、どこかがこれはおかしい。今はまだ私は完全に調べ切れておりませんけれ
ども、これは何が起こったんですか。
繰り延べ税金資産の問題は後で二
監査法人に一般論としてお伺いしますけれ
ども、今の
状態では何か、
朝日監査法人が繰り税を認めなかったから「りそな」は
公的資金を導入せざるを得なかったというふうに大体一般はとっているわけですが、そのことはまた後でお伺いするにいたしまして、発足してあなた、二カ月ちょっとで急激に
公的資金を導入せざるを得ないような情勢になっちゃったというのは一体どういうことなのか、教えてもらいたいんです。