○佐藤(観)
委員 重要な問題、繰り延べ税金資産の問題というのは、それは制度としてはヨーロッパにあるけれども、
日本のように、資本のうちの、「りそな」はたしか九割ぐらいになっているという、こういう不安定なものを資本にこのまま組み込む
状況というのは、ちょっと私は異常だと思うんです。それはまあ触れませんけれども。
いずれにしろ、重要な
監査法人の見解が違う。あなたは
行政的
立場から、あるいは政治家として、片方の方はおりたわけだから、それは残った者が
監査をして、それを唯一正しいものとするけれども、私はそのことについてちょっと疑問に思っているんです。
それを述べているのは、「繰延税金資産の回収可能性の
判断に関する
監査上の取扱い」、
監査委員会報告第六十六号。これは平成十一年十一月のものですね、この平成十一年ということがちょっと大事なのでありますけれども。この繰り延べ税金資産というのは、簡単に言えば、将来を見込むことだから大変難しいことなのでという前置きがずっとあって、五つに
企業を分けておりますよね。
五つに分けて、一つは「期末における将来減算一時差異を十分に上回る課税所得を毎期計上している会社等」、二番目が「業績は安定しているが、期末における将来減算一時差異を十分に上回るほどの課税所得がない会社等」、三番目は「業績が不安定であり、期末における将来減算一時差異を十分に上回るほどの課税所得がない会社等」、これが三番目であります。四番目と五番目が特に重要なのでありますが、四番目は「重要な税務上の繰越欠損金が存在する会社等」、そして五番目は「過去連続して重要な税務上の欠損金を計上している会社等」ということになっているわけです。
今回の新
日本と朝日
監査法人の両方の違いというのは、基本的には、これは直接聞いてみないといけませんけれども、新
日本はいわば四番目のものを使って、五年ということを使い、それから五番目は、「過去連続して重要な税務上の欠損金を計上している会社等」ということで、「過去(おおむね三年以上)連続して重要な税務上の欠損金を計上している会社で、かつ、当期も重要な税務上の欠損金の計上が見込まれる会社の場合には、通常、将来の課税所得の発生を合理的に見積ることができないと
判断される。したがって、そのような会社については、原則として、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金等に係る繰延税金資産の回収可能性はないものと
判断する。」ということで、「りそな」の場合には三期連続して赤字になっていますから、朝日
監査法人はこの五を適用したのだろうと私は思っているわけであります。
いずれにしろ、その正否につきましては今度参考人が見えたときにお伺いいたしますが、私はもちろん専門家じゃないけれども、あるいはその他の記事を読んでみても、常識的に見て、三期連続欠損になっておって、それから先の返還金の見通しが難しい、こういう規則をつくっているわけですよね。平成十一年に公認会計士協会がつくっているわけであります。だから、やはりこれから見ると、一体これを、
預金保険法百二条の一で言うところの欠損を持っている会社という認定は正しいのだろうか。今、「りそな」は
債務超過じゃなかったかという
議論が当然なされておりますけれども、これは、
仙谷委員も言いましたけれども、
預金保険法百二条の三の国家管理、事実上の国有化に当たるのではないかと私は思っておるんです。
それで、今、冒頭
竹中さんにお伺いしましたように、大体三分の二国が株を持つんだと。三分の二持てば、大体五一%持てばそこの支配力ですよ。これは、あなたに言うまでもなく、合併の場合でも何でも五一%ですよね。三分の二持つ必要があるかどうかはいろいろ角度があるからまた
議論しますが、三分の二国が株を持っていれば、それは国有化なので、そうすると今度は百二条の方が、
判断がいかがなものかという感じもするんです。
いずれにいたしましても、この公認会計士協会の六十六号のものを、第四段目を使うか第五段目を見るのか、これは専門家の公認会計士が
判断することであって、私は五段目の方が合っているのではないか、あるいは、その他の常識的なところでもそういう記事は随分出ているわけです。
そこで、
竹中さんにお伺いしたいんですが、あなたは昨年の十月三十日に、俗に言う
竹中プランという、いろいろな面でしっかりやっていかないかぬということを出された。時間がありませんからその
関係する部分だけ言いますと、「繰延税金資産に関する算入の適正化」それから「繰延税金資産の合理性の
確認」ということで、
竹中プランの中に入っておるわけであります。計画の中にも、先ほど触れられたように、繰り越し税金資産の合理性の
確認ということで、公認会計士協会に昨年の十一月の十二日に要請して、
検査を厳しく検証してもらうということ、あるいは、
金融審議会において繰り越し税金資産に関する算入の適正化についてはやってもらうということになっているわけです。
そこでお伺いしたいのは、今度の「りそな」の件は、この再生プラン、つまり、
金融をしっかりしなきゃいかぬ、しっかり厳正に、甘々な
監査でやっていてはだめですよという
竹中プランの延長上として考えているのか、あるいはそれとは別個に起こったことですと。私は、その
監査のあり方を見ると、必ずしも延長上だとは思わないんですが、それはどういうふうになっているんですか。どういう
認識、どういう位置づけで
竹中さんの頭の中にはあるんですか。