○扇国務
大臣 参議院の本
会議で遅くなりまして、申しわけありません。
ただいま
玉置委員から大変総体的な御質問をいただきまして、私もどこまでお答えできるかわかりません。お答えするときにはあれもこれも申し上げたいと思いますけれども、この
行政改革というものの基本的なものは、やはり世紀がかわったという、二十一世紀を迎えて、我々は、二十世紀と二十一世紀、どう変わるべきなのか、また、変わるためには今何をしなければいけないかという、私は、この世紀をまたがったときに、今までの二十世紀と二十一世紀をこう変えていこうという大きな転機を
日本も迎えたと思います。
世紀がかわるということだけではなくて、戦後の今日までの
日本を見ましても、二十世紀はとにかく衣食住、欧米先進国に追いつけ追い越せ、我々の先輩また先祖は、戦後のあの苦しい中から二十世紀再び立ち上がってくれて、経済大国として、世界二位の経済大国にはなりましたけれども、しかも、衣食住もやっと足りて欧米先進国に追いつきはしましたけれども、果たしてそれで忘れたものはないかというのが、私は、二十世紀と二十一世紀の大きな考え方の変換をしなければいけない。
しかも、二十世紀に追いつけ追い越せ、高度成長でどんどん手を出していったものの肥大したものをやはりここで立ちどまって
改革していかなければ、このまま肥大し続け得るはずがない、
日本の国力として。そういう意味で、肥大し続けた中にもいいものもありますけれども、二十世紀の負の遺産ということで考え直さなきゃいけないこともあるという、私は、大きなくくり方でいえばそういうことが言えると思います。
まして、
行政改革、総理が
改革なくして成長なしとおっしゃいますけれども、今申しました、二十世紀にどんどん肥大していったものをどこでどう整理するか。
行政改革もその
一つでしょう、予算の配分もその
一つでしょう、あらゆるところで二十一世紀型にしなければいけない。
そして、よく言いますけれども、二十世紀は今申しましたような事情でハードの世紀として
日本は成長してきましたけれども、二十一世紀になったら、世界に例のない高齢化、少子化、そういう
日本の国の情勢というものが成長期と変わってきた。二十一世紀体制として改めて、二十世紀には手をつけられなかった高齢者のためのバリアフリーであるとか、あるいは世界的な問題になっております二十一世紀の環境の問題とか、そういうものに新たな手をつけなければいけないということになれば、今まで二十世紀にしてきた同じような予算配分だけではそこまで回らない。ですから、二十一世紀型のところに手をつける予算配分もしなければいけない。スリムにするところは、二十世紀の肥大して削るところはどこなんだろう、それを二十一世紀型に配分しようじゃないかということも、私は大きな転換期であろうと思っております。
まして、世界じゅうを考えてみますときに、第二位の経済大国だと言われたにもかかわらず、私はその陰りが出てきていると思います。産業の空洞化、経済の空洞化、あらゆるところでもう
日本を越えて、産業も、みんな
日本の工場を閉鎖して安い労働賃金のところへ工場をつくるというような産業の空洞化が起こっている。果たしてこのままで
日本はいいのだろうかということも私は大問題になっていると思います。
まして、二十世紀こんなに頑張ったにもかかわらず、国際的に見て、
都市の美しさがどうだろうか、電柱の地中化はできているんだろうか、あるいは港と高速道路と鉄道と空港と、こういうものが一体になった国際
都市というのは
日本に今幾つあるんだろうか。
そういうことを
整備しなければならないと私は思っていますし、そのために
国土交通省が今までは縦割りだった四
省庁を統合したというのも、私は今申しました、国際的に見て、港湾と道路と空港と鉄道と、あらゆるものが連結していない。外国のように、十分以内に港から高速道路に乗れたり主要
都市につながる鉄道に荷物を載せられたりということが、これだけ高度成長、二十世紀に頑張ったのに、その連結の悪さで
日本が国際社会にかち行けない、太刀打ちができない時代になっているということも私は縦割りであったということが言えると思います。
国土交通省、この
国土交通委員会で御審議いただきますように、陸海空を一緒に御審議できるということは、今言った二十世紀の、投資したにもかかわらず連結が悪いということで効率が上がっていない、それを
効率化しようということでは、私は、この四
省庁統合というのは二十一世紀にはどうしても必要な統合であったと認識もしておりますし、また、統合の実を上げるということでは一番目に見えた
省庁再編、そして
行政改革も含めた大きな二十一世紀型にできると思っております。
そういう意味で、御審議がこの
国土交通委員会で広範囲にわたるということも、私は二十一世紀型の
日本をつくるために不可欠な問題だと認識もしておりますし、また、努力もしていこう。そして、今二十一世紀の初頭にどうしても手をつけなければ、二十一世紀の後半に
日本が国際社会の中でより孤立して、私は、産業の空洞化のみならず国
自体が国際社会から疲弊していくということを防止しなければならない時期だと思って、あらゆる点で皆さん方の御意見もいただきながら、
国土交通省ができ得る限りのことを今手をつけようと思っているのが現在であるということで、お答えになりましたでしょうか、そういう気持ちで頑張っております。