○今田
委員 私は、民主党・無所属クラブを代表して、
社会資本整備重点計画法案並びに
関係法律整備法案に対して、反対の立場から討論を行うものであります。
以下、反対の理由を申し上げます。
まず、
公共事業は、国や
地方公共団体が
中心となって行う
社会資本整備のための
事業であって、そこから生み出されるサービスが、
国民の健康で文化的な
生活を充足させるために重要な役割を果たすもので、
政府は、すべて
国民がそのような
生活が享受できるよう、効率的な
社会資本を
整備することが求められております。
ところで、国と
地方の借金が
総額六百八十八兆円に達する今日の危機的な
財政事情の中で、具体的に言えば、諫早干拓
事業あるいは川辺川ダム
事業など、全く効果がないばかりか、自然環境を破壊し、地域の
生活をも破壊し、
公共事業が延々と続けられております。現在でも、
公共事業費は、
財政再建が至上命題とされる中で、
景気対策の名のもとに延々と続けられております。このままでは、自然や地域の
生活は破壊され、
日本の
財政は破綻し、将来の世代に大きなツケを残すことになります。
今回、
政府もようやくその問題に
対応すべく、
社会資本整備重点計画法案を
提出しておりますが、一本化されている
事業のほとんどが
国土交通省所管の
事業で、相変わらず縦割りの中央官僚独占の
計画であります。
省庁縦割りの
計画では、効率的な
社会資本整備は実現できません。このような中途半端な改正では、むだな
公共事業が延々と続けられることになってしまうでしょう。
次に、
公共事業関係の
長期計画の
問題点は、
国会のコントロールが及ばないところにありました。
民主党は、以前より、
公共事業長期計画の
国会承認を主張してまいりました。
国会が政治的判断として大きな方向性を示すこと、これこそが政治家の役割であります。今回の
政府案は、根本的に欠けているところがこの点であります。国の形を決める
社会資本整備の
計画に関しての
国会承認がなければ、これまでの官僚主導の
公共事業システムを変えることはできません。
さらに、今回も道路特定財源の問題は、結局微修正に終わっているところであります。
社会資本整備の硬直化を招いている最大の原因の
一つが特定財源の制度であります。
その中でも最大が道路特定財源にあり、この一般財源化なくして
公共事業改革はあり得ません。どのような分野の
社会資本整備を
重点的に行うべきかについては、その時々の
政府が判断するべきであります。道路が足りないのであれば、その
予算をその時々に応じて
確保すればよいのであって、
法律で固定すべきものではありません。
加えて、
地方分権の
観点が極めて乏しく、中央集権的な
計画策定が続けられております。価値観が多様化した現在においては、
社会資本整備の
あり方についても
地方に大幅に権限をゆだねるべきであります。国が行うべき
社会資本整備を限定し、権限と財源を大幅に
地方に移譲することがないまま、
計画を一本化すれば、ますます中央のコントロールは強まります。
計画については
国会のコントロールのないまま、中央官僚のコントロールのみを強化するような
法案に賛成することはできません。
以上のように、
社会資本整備重点計画法案並びに
関係法律整備法案について、縦割り行政の弊害を排することができないばかりか、既存の
問題点に対して何らの対策も施さず、官僚支配をむしろ強化することになり、到底賛成することはできません。国
会議員として、このような
国会軽視の
法案に賛成することは、みずからの職責を放棄することになります。多くの皆さんがこの
法案に反対していただけるものと確信をして、私の討論といたします。
以上です。(拍手)