○加藤
委員 昨年、
委員会で指摘をさせていただいた後に、この一年弱の間にその
調査をしていただいた。九十四の大学一医局ずつということですから、日本全体からすればほんの一部ではありますけれども、そうはいっても、それだけ御努力をいただいたことは
評価をしたいと思うんですが、
一つ問題は、その
調査の結果からいうと、いわゆる医師の派遣と呼ばれる行為はその医師本人の自由意思によって勤務先が決められているんだ、こういう回答になってございまして、それがすべて一〇〇%正しければ、私が御指摘を申し上げたように医局による医師の派遣が労働者供給事業に当たるおそれは否定をされた、こういうことになるのですが、本当にそうかどうかというところが、これは大はてなマークがつくわけでございます。
実際、実は私も、友人、知己を含め、あるいはさらにその先の知り合いなども含めて、医師の
方々にアンケートを匿名でとらせていただきました。これは、実は最近のことではありませんで、昨年
議論をさせていただいていたその時期に合わせて
調査をしたところであります。
大した数が集まるはずもありませんけれども、そうはいっても、いろいろな意見が寄せられてまいりまして、それを少し御披露したいと思うんですが、あくまでも、私は私のことをちゃんと名乗って、こういう趣旨で皆さんの御意見を承りたい、ただお立場もあるでしょうから匿名で結構です、年代とそれから出身大学、私学か国公立かというところ、それから出身大学の地域ですね、関東とか関西とか、その程度の
範囲しか伺っておりません。大学とか個人名を書いていただいた方も中にはいらっしゃいましたが、事が事でございますので、それは伏せて幾つかピックアップして意見を御披露したいと思うんです。
まず、嫌な派遣先を医局員が拒否した場合、医局から陰湿ないじめに遭うこともありますとか、派遣先を紹介されて拒否した場合、医局をやめさせられる、よくてもいじめに遭い続けることになり、出世はできないとか、講師以下の医局員は将棋のこまのように飛ばされますとか、医局長、教授の指示で派遣された病院からほかの病院へ移ることが決まりますとか、これはまさしく、昨年の
委員会の
議論で私からこういう疑いがあるのじゃないですかということを申し上げた、そのままの実態が生の声としてやはり上がってくるわけであります。
さらにひどいことになりますと、派遣先の病院から教授個人に
謝礼や寄附が来ている、あるいは、関連病院から数百万単位で医局に
お金が入りますが、行き先は不明です、裏金で医局長、教授にかなりの額が行きます、それによって派遣される医師の質が左右されます、こんな意見を書いていただいた方もあります。
もちろん、これが日本の
医療界すべてを代表した意見だということは申し上げるつもりはありませんけれども、少なくとも、何の脚色もなく、実際に医師としてお勤めの皆さんからこうした回答が出てくるということになりますと、
厚生労働省として
先ほど御報告をいただいた
調査の結果というのが、確かに表面的にはお一人お一人の医師の方が御本人の自由な意思に基づいて勤務先を決めているということになるのかもしれませんが、その
調査自体はやはり疑問符をつけざるを得ないなというふうに私は思うわけであります。少なくとも、こうした生の声を聞きますと、やはり医局による労働者供給事業というのが実態としてはいまだに行われているというのはほぼ間違いのないところなのではな
いかと思います。
確かに、
新聞報道などを見ましても、医局を解体する大学が出てきたこととか、その中にも幾つかあって、名前だけ変わって人事権は教授が持っているなんというところもあれば、あるいは本質的に医学部のシステムを変えようとしている大学もあるようでありますが、そうした変化が起きてきたことは事実でございますし、また、恐縮でございましたが、昨年引き合いに出させていただいた
坂口大臣の母校も、昨年の
委員会の質疑の時期には、三重県内の関連病院に医師を派遣していると堂々と書いてあったんですが、最近は、三重県内の病院に勤務できますみたいな、ちょっと正確な日本語は忘れましたが、非常にうまい表現といいますか正しい日本語に変わってございまして、皆さんが動いていただいたことで変わりつつあることはもちろん認め、
評価をしているわけであります。しかし、実態としてはまだまだそのことによって苦しめられているお医者さんあるいは研修医の方がいらっしゃるというのは、恐らく事実なんだろうというふうに思うわけであります。
そこで、
大臣に御意見を承りたいんですが、この医局問題に対して
調査はされましたけれども、どうもそこの信憑性には私は疑いを持たざるを得ないわけでありますし、その問題も含めて、今後医局問題にどのように取り組んで
いかれるおつもりか、そこを御意思を承りたいと思います。