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城島議員 御
質問いただきまして、ありがとうございました。
まず一点目、民主党の今回出しました案について説明を詳しくしてくれということでありました。まず、我々の民主党案は、
雇用保険財政の
安定化を図るための措置として
失業等
給付資金を設けることにしたわけでありますが、これはもう御案内のとおり、最近の
経済社会の急速な変化に伴って
雇用及び
失業に関する
状況というのが極めて悪化をしているわけでありまして、大変厳しいこの
雇用環境の中で、多くの
皆さん方がやむを得ず
離職をされたり、あるいは最近の特徴でありますけれども、みずからの営む事業の廃止、廃業ということが余儀なくされているということであります。
したがって、こうした
状況の中で、一方ではこの
雇用保険財政が破綻をするというような事態は、セーフティーネットとしての一番大事なものでありますから、これは避けなければならない。
雇用保険加入者及び受給者の
給付が受けられなくなるのではないかという、そうした不安に対してもきちっと払拭する措置が必要ではないか、急務ではないかというふうに思ったところであります。
しかし一方で、弾力条項とかあるいは一般会計からの借り入れなどの
現行制度の枠内の措置では被保険者の負担が増すこと、あるいは効果が小さいといったような問題点があるわけでありまして、ましてや現下の厳しい
雇用失業情勢を見ますと、政府案のような、この二年間、ある面では、凍結とは言っておりますが、保険料を上げるということが法案の
一つの骨格になっているわけでありますから、保険料率の引き上げあるいは今も論議になっております
給付の切り下げということは、我々としては論外であろうというふうに思っております。
そこで、我々のこの法案は、保険料率を引き上げずに、しかも
現行水準をしっかりと維持するために、
労働保険特別会計に
失業等
給付資金というものを設ける、そしてそこに一般会計から二兆円
程度の繰入金を投入することとしたわけであります。このことによりまして、
雇用保険財政の破綻を防いで、保険加入者らの不安を取り除くことができるんではないかというふうに思っているところであります。
政府の早期再
就職支援基金、これは一見御
指摘のようにこの我々の民主党案のスキームと似ているようなところがありますが、その内容は、特別会計の制度とは別物として基金ができているわけでありますので、そしてその基金に余裕金が生じた場合には特別会計にそこで貸し付けることができるとすることになっておりまして、性格的にも不明確ではないかというふうに思っているところであります。
これに対して、今御説明しましたように、民主党案は、
労働保険特別会計の中の
雇用勘定に置くというところが
決定的に違うわけでありまして、その
雇用勘定に置かれるものとして
失業等
給付資金をきちっと位置づけているというところでございます。そして、同勘定が歳出超過となった場合で積立金によっても不足分が補足されないときにこの
失業等
給付資金からこれを補足することとしているという点が我が党案の骨子であり、背景であります。
それから、
能力開発支援についてのお尋ねでございますが、能力開発訓練を受ける場合に能力開発手当を受給することができる対象者は、大きく三つに該当しなければならないとしております。一点目は、
雇用保険法による求職者
給付を受給していた非自発的
失業者であって、その受給が終了した人。それから、
雇用保険法による求職者
給付を受給していた自発的
失業者であって、その受給が終了し、かつ
離職日から起算して一年を経過した人。それから三点目は、特定廃業者、いわゆる自営業の廃業者。このいずれかに該当しなければならないというふうにしております。
こうした
方々につきましては、この間の有効な政府の
経済政策、
失業雇用対策ということが打ち出せなかったという
意味で、国に大きなその責任があるんではないかというふうに我々としてはとらえておりますし、不良債権の処理を加速するという政策を一方でとりながら、有効なセーフティーネットの整備をいまだ怠っているということからして、国が一般財源を投入してこうした
方々の救済に当たるべきではないかということを考えてこの制度をつくったわけであります。特に、
雇用保険法の対象とならない自営業をやめた方に対する点は、これまでの
雇用政策にはなかった特徴的なことではないかというふうに思っております。
民主党としては、以上のような、緊急に対策を講じなければならない
方々について、今回、臨時の支援措置を提案したところでございます。
なお、若年者の
就職難の問題といったような、これも大変大きな問題でありますが、これにつきましては、
雇用政策全体の枠組みの中で、また
雇用保険制度の抜本的見直しの中で別途検討し、打ち出していくべきだと考えております。
さらに、テレビ電話の活用について御
質問がございました。
今回、我々は、
失業及び能力開発訓練の認定、月一度行われるわけでありますが、この際、出頭にかえてテレビ電話を利用することができるとしております。認定の申請のためには必ず出頭しなければならないことといたしますと、出頭のために訓練の受講を休まざるを得ないという場合も出てきますし、本制度の趣旨が損なわれる結果となりかねないということもあります。また、
ハローワークが込んでいるために待ち時間が非常に長いということもありますし、場合によっては遠くに行かなければいかぬということもあるでしょう。したがいまして、
給付を受けようとする人への過大な負担となることを避けたいというのが一方であります。そして、一方、この
給付制度の適正な
運用のためには、本当に必要としている、また能力開発訓練を受けているかどうかを確認するためには、どうしても面談を通して申請者の
状況を把握する必要がある。
したがって、今回、このために、近年におけるブロードバンドの普及を背景として、出頭することなく、かつ面談を通して公共職業安定所が申請者の
状況を把握することができるよう、インターネットを利用したテレビ電話を導入することとしたわけであります。
認定が甘くなるのではないかという御懸念をいただいたわけでありますが、テレビ電話の規格につきましては、申請者の表情とかあるいは声などから認定の判断材料を得られる
程度の滑らかな動画とクリアな音声を送受信することができるのではないかと考えております。したがいまして、テレビ電話を利用した場合でも、出頭した場合と同じ
基準で認定を行うことはでき、甘くなることはないというふうに考えております。