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2003-03-13 第156回国会 衆議院 憲法調査会統治機構のあり方に関する調査小委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十五年三月十三日(木曜日) 午前九時五分
開議
出席小委員
小
委員長
杉浦 正健君 伊藤
公介
君 佐藤 勉君
谷川
和穗
君
額賀福志郎
君
葉梨
信行
君
福井
照君 島 聡君 末松 義規君 中川 正春君 古川 元久君 斉藤 鉄夫君
武山百合子
君 山口 富男君
北川れん子
君 井上 喜一君 …………………………………
憲法調査会会長
中山 太郎君
憲法調査会会長代理
仙谷
由人君
参考人
(
新潟
県
亀田町長
)
阿部
學雄
君
衆議院憲法調査会事務局長
内田 正文君
—————————————
三月十三日 小
委員金子哲夫
君同月六日
委員辞任
につき、その
補欠
として
北川れん子
君が
会長
の
指名
で小
委員
に選任された。 同日 小
委員川崎二郎
君同月十一日
委員辞任
につき、その
補欠
として
葉梨信行
君が
会長
の
指名
で小
委員
に選任された。 同日 小
委員北川れん子
君同日小
委員辞任
につき、その
補欠
として
金子哲夫
君が
会長
の
指名
で小
委員
に選任された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件
統治機構
の
あり方
に関する件(
地方自治
) ————◇—————
谷川和穗
1
○
谷川
小
委員長代理
これより
会議
を開きます。 小
委員長
が都合によりおくれますので、その
指名
により、私が小
委員長
の職務を行います。
統治機構
の
あり方
に関する件、特に
地方自治
について
調査
を進めます。 本日は、
参考人
として
新潟
県
亀田町長阿部學雄
君に御
出席
をいただいております。 この際、
参考人
に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中にもかかわらず御
出席
をいただきまして、まことにありがとうございます。
参考人
のお
立場
から忌憚のない御
意見
をお述べいただき、
調査
の
参考
にいたしたいと存じます。 本日の議事の順序について申し上げます。 まず、
参考人
から
地方自治
、特に
小規模自治体
の実態について御
意見
を四十分以内でお述べいただき、その後、小
委員
からの
質疑
にお答え願いたいと存じます。 なお、
発言
する際はその都度小
委員長
の許可を得ることとなっております。また、
参考人
は小
委員
に対し
質疑
することはできないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。 御
発言
は御着席のままでお願いいたします。 それでは、
阿部参考人
、お願いいたします。
阿部學雄
2
○
阿部参考人
私、今ほど御紹介いただきました
新潟
県中蒲原郡
亀田
町
町長
の
阿部學雄
と申します。
統治機構
の
あり方
に関する
調査小委員会
ということで
発言
の機会をいただきましたことを非常に光栄に思っている次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 前もってお渡ししておりましたレジュメに従いまして、町の
概要
から申し述べさせていただきたいと思います。 当町は、
明治
二十二年に町制をしきまして、以来、
明治
の終わり、大正の終わりに若干
周辺
を
合併
しまして、現在の姿になっております。 私
ども
の
地域
は、いわゆる
亀田郷
ということで
地域一帯
を指しているわけでございますが、東に阿賀野川、西に信濃川、南に小阿賀野川という、いわゆる
輪中地帯
でございます。昔、
湿地帯
でございまして、
アシ沼
と言われた大変厳しいところでございます。戦後、
土地改良
の
推進
に従いまして大変今、美田化しているところでございます。
位置
は、
新潟
市の東南と申しましょうか、真南と申しましょうか、大体
新潟
市に三分の二包まれてございます。三分の一は南の
横越
町というところでございます。
日常生活圏
は
新潟
市への
依存度
が大変多うございます。
通勤率
で四二・六%。
通学率
で六五・四%。町にも
医療機関
は数ございますけれ
ども
、大きい病気になりますと、いわゆる
通院率
、
新潟
市五五・六%。買い
回り品購買率
五四・四%。全く、
新潟
市に
依存
と申しましょうか、そういう
状態
でございます。
通勤率
、
通学率
から見てもわかりますように、昼間の
人口
が激減、夜の
人口
が定着というところでございます。ちょうどこの千代田区と逆でございましょうか。そういった
状態
のところでございます。
人口
は三万二千六十一人、
平成
十二年の
国調
でございます。
平成
七年の
国調
で三万一千二百五十七、
伸び率
で二・六%の
伸び率
ということでございます。
人口比率
で申しますと、十四歳未満一四・九%、
生産年齢人口
、十五歳から六十四歳までといたしまして六七・二%、
老齢人口
、六十五歳以上でございますが、一七・九%。戸数にしまして一万七百七十七世帯でございます。
面積
が非常に小そうございまして、一六・八二平方キロ、大まかに申し上げますと、四キロ四方のやや
正方形
に近い町でございます。その約半数、八百ヘクタールが農地という
状態
でございます。
産業
といたしまして、特段大きいことはないのでございますけれ
ども
、農業の粗
生産
で十四億三千三百万、
商業
、
販売額
でございますが、約九百五十二億七千万、工業といたしまして、
製造品出荷額
七百三十二億八千万。これは、主なものは、
亀田
工業団地というのがございます。三十一社、三十七・六ヘクタール、
昭和
六十一年にできてございます。それから
あけぼの印刷団地
というのがございまして、十二社で約五ヘクタール、
昭和
五十八年にできてございます。 町の
基本
といたしまして、大変平坦な
土地
でございます。大きな山もございませんし、川もございません。温泉も出ません。本当の
平坦地
のところでございまして、そういった中で、町の
基本
として、
福祉
、文教、そういったものに力を入れているところでございます。
財政状況
で申し上げますと、十三年度の
地方財政状況調査
によりますが、
歳入
が九十六億五千八百九十八万三千円、
歳出総額
で九十三億七千九百七十三万七千円ということでございます。
経常収支比率
七七・八%、
公債費比率
一六・三%、
起債制限比率
一〇・四%、
財政力指数
〇・五七三でございます。 主な
歳入構造構成比
で申し上げますと、
市町村税
が三九・三%、
地方交付税
二五・四%、
地方債
四・九%、その他ということになっております。
歳出
の
構造構成比
でございますが、
人件費
が二一・六%、
扶助費
五・九%、
公債費
が一六・四%、
物件費
一三・七%、
補助費
八・一%、
繰り出し金
一〇・七%、普通の
建設事業費
で一四・三%等々となってございます。
地方債
の現在高、百四億二千万円ということでございます。 町のパンフレットを御参照いただきまして、若干述べさせていただきたいと思います。これでございますが、開いていただきますと、御存じのように、大体さっき申し上げました
正方形
のところでございます。
お話
し申し上げましたように、
福祉
ということに
大変力
を入れてございまして、駅の東側に
福祉ゾーン
というのを形成してございます。この中には、町でつくりました、
知的障害者
の
授産施設わかば
の家、それから
デイサービスセンター
、
特別養護老人ホーム
、
身体障害者療護施設
、そういったのを一角でまとめてございます。また、県にお願いいたしまして、
新潟
ふれ
愛プラザ
、いわゆる
A型センター
というものをつくっていただいてございます。さらに、
児童相談所
とか
婦人相談所
、そういったのを、
新潟
市に散在してございましたのが老朽化したために全部まとめまして、
新潟中央福祉相談センター
というものをつくっていただいております。
亀田公園
という大体五ヘクタールぐらいございますか、それを
中心
にしてその
福祉ゾーン
というのをつくらせていただいてございます。
亀田
駅のすぐ左側に黒い線で
道路
が通ってございますが——大変失礼しました。それでは
お話
を変えさせていただきます。
町づくり
の
基本
といたしまして、
先ほど
申し上げましたように
福祉
というものに力を入れているわけでございますが、
平成
五年の九月に
都市計画マスタープラン
を策定していただきました。そのころからいたしまして、
新潟商工会議所
で、
周辺
の
市町村
で百万人
構想
というのを打ち出してございます。大まかな
年次
を二〇一〇年、
平成
二十二年を
目標年次
として、
都市的産業
の育成、魅力ある
商業施設
の
整備
、
居住環境
の充実、そういったのを目指しまして、そういう
構想
が浮上してございます。
先ほど
申し上げましたように、
亀田
町は、この
図面
を御参照いただきたいと思うわけでございますが、小さい町でございますけれ
ども
、ちょうど
新潟
市の真南、
中心
にございます。往時から、
新潟
市が
センター
でございますと、私
ども
、
新潟
市の
サブセンター
ということで
発展
してきたところでございます。バランスのとれた
町づくり
ということで、既存の
中心市街地
を
一つ
、そして
生産流通地区
を
一つ
、
駅周辺地区
を
一つ
、そして
亀田バイパス
の
鵜ノ子交差点
というところがございますが、その辺を
一つ
ということで
町づくり
を進めてきております。 私は、
平成
四年の一月から町へ入ったわけでございますが、五、六年かけまして、
先ほど
申し上げました
鵜ノ子交差点
、
亀田バイパス
の
交差点周辺
をある程度
整備
させていただきまして、
駅周辺
に現在取りかかっているところでございます。 そういった
状態
の中で、私が入りますときに、
選挙公約
といたしまして五万人
構想
というのを打ち出してございます。このことは、市というものの
行政
、それと町、村というものの
行政
に
大変差
がございます。財政的な面はもちろんでございますけれ
ども
、
行政権限
といいましょうか、そういったことについても大変厳しい差があるわけでございまして、何とか
地域
のために五万人、市を目指したい、そういう
希望
を持ってございました。これは、
町単独
では三万から五万にはなれないわけでございまして、真南にございます、当時
横越
村でございましたが現在
横越
町になっております、ここが一万ちょっとございます、
合併
して市をつくりたい、そういう
構想
を持っておりました。 その原因と申しますのは、
昭和
の
合併
、
昭和
二十八年に
新潟
市と
周辺
の町村がほとんど
合併
してございますが、
亀田
町と
横越
町だけが、理由ははっきりわかりませんが、取り残された経緯があるわけでございます。 そういった中で、いろいろ
構想
を進めております中で、
地方分権一括法
それから
合併特例法
というのが施行されました。 五万人
構想
というのは、
町民
にも一般に大体行き渡っておりまして、
横越
町とその間にいろいろ接触があったわけでございますが、とりあえず
亀田
、
横越
が
一緒
になっても、やはり
昭和
二十八年に取り残された
新潟
市がターゲットではないかということで、
平成
十二年の九月に、今度は
亀田商工会議所
と町内のあらゆる団体が
亀田
町
行政合併問題研究協議会
というのをつくったわけでございまして、いろいろ検討し、そして
新潟
市、
亀田
町、
横越
町の
合併
を
推進
すべきであると、私に対しまして、また私
ども
の
議会
に対しまして、請願と申しましょうか陳情と申しましょうか、そういったアドバイスをいただいたわけでございます。 それを受けまして、十二月
議会
で
設置条例
を可決いただいております。それによりまして、
亀田
町
合併問題調査委員会
というのを設置いたしました。あらゆる階層の方に入っていただいて、三十五人体制ということで審議をいただいたわけでございます。 翌年の六月、
委員会
から
答申
をいただきまして、ぜひ
新潟
市と
亀田
、
横越一緒
になって
政令指定都市
を目指した
合併
を
推進
すべきである、そういう
答申
をいただきました。それに従いまして、
平成
十三年十一月に、
新潟
市・
亀田
町・
横越
町
合併問題協議会
を設置したわけでございます。 そのことが
大変刺激
になったと申しましょうか、
導火線
と申しましょうか、
近隣
の
市町村
で急速に
動き
が目立ってきたわけでございます。
周辺
の
市町村
と申しますと、
豊栄
市それから
新津
市、
白根
市、小さな町、村もございますが、そういう
動き
が、
合併
に向けてかなり濃厚な
話し合い
がなされたわけでございます。 その前に、
先ほど
の
図面
を参照いただきたいと思うわけでございますが、十年ぐらい前から、
新潟
を
中心
として
お互い
に成長、
発展
すべきだという
機運
がかなり高まりまして、凡例にもございますように、
新潟地域合併問題協議会
、あるいは
新潟地域広域市町村圏協議会
、あるいは
新潟都市圏総合整備推進協議会
、こういったものを立ち上げまして、いろいろ
話し合い
がなされてきたわけでございます。 そういった背景を受けまして、
亀田
町、
横越
町が
新潟
市と
任意協
を立ち上げました。それが
導火線
となりまして
周辺
の
動き
が活発化し、
先ほど
申し上げました十三年の十一月に立ち上げました
合併協
、十四年の八月が第三回目でございましたが、そこで一応この
任意協議会
は解散いたしました。 そして、新しく
周辺
の十二の
市町村
を入れました
合併協議会
が現在進んでございます。十二の
合併協議会
で既に
任意協議会
、五回進行しているところでございます。今、加わっておりますのは、
新潟
市、
豊栄
市、
新津
市、
白根
市、
亀田
町、
横越
町、小須戸町、西川町、味方村、潟東村、月潟村、中之口村、四市四町四村でございます。この
面積
を申し上げますと、六百十三・八一平方キロ、
平成
十二年の
国調
で、
人口
七十六万九千四百四十一人。 ところで、最近になりまして、岩室村というところが名乗りを上げまして、
合併
に参加したいという申し込みが来ております。これは
統一選挙
が終わりました後で正式に加盟することになってございます。ここの
人口
が約一万ちょっとございます。 そういったことで、
合併特例法
の枠を受けまして、今までの
政令指定都市
でございますとまだこの
人口
では足りないわけでございますけれ
ども
、
特例
の中で、いわゆる
政令指定都市
を目指していきたい、そういう
機運
でございます。
日本海側
で
政令指定都市
というのは
一つ
もございません。そういった
意味
で、また
日本
のちょうど大まかな
中央部
にも当たるわけでございまして、東南アジア、あるいはそういったところとの
交流
も大変盛んでございます。ぜひ
政令指定都市
を目指してということで、今、力を入れて頑張っているところでございます。
政令指定都市
の
ビジョン
といたしまして、「
新潟都市圏ビジョン
」という
概要版
が
先生方
のところに渡っていると思いますが、大まかに分けまして、将来像を設定してございます。お開きいただきますと、真ん中に、目指すべき
都市像
、
都市
の姿というのがございます。一から五までのこういった
地域づくり
を目指して、
お互い
に頑張ろうということでございます。 これから、私
ども
の町の
目標
といたしまして、この地図でおわかりのように、
亀田
町が
大変中心部
に当たるわけでございます。現在、私
ども
の町から
新潟
駅まで車で十五分、
飛行場
まで二十分、
高速道路
が私
ども
の町を通ってございます。
新潟
市にインターチェンジが四つございますが、
新潟西
、
新潟中央
、
新潟亀田インター
、
新潟空港インター
と四つございます。
北陸自動車道
、
磐越道
、そして
日本海東北道
、これらのちょうど
中心点
に町が当たります。言い忘れましたが、
新潟空港
までやはり二十分ぐらい、
新潟西港
まで十五分くらいでございましょう。そういうところにございます。
先ほど
も申し上げましたが、
新潟
市が
センター
であれば私
ども
は
サブ
ということで
位置
づけてきたわけでございますが、これからは
新潟
市の副
都心
として
発展
していきたい、そういう
希望
を持っているところでございます。現に、
新潟
駅から私
ども
の町、約八キロございますか、四
車線道路
ができ上がってございます。その沿線に沿って副
都心
を目指すということでございます。 大まかな町のあらましと今までの流れというのを説明させていただきましたが、これから
新潟
市の将来に向けての、内部でいろいろ話していることを申し上げますと、やはり今、
新潟
の
飛行場
が二千五百メートルでございます。超
大型
のジャンボはちょっと無理でございます。県知事も三千メートルの
拡張
に向けて一生懸命に熱意を示されているわけでございますけれ
ども
、何せ
新潟
県、大変大きい県でございまして、百十一
市町村
ございまして、その中で、
新潟
を
中心
にした
新潟
県の
人口
は二百四十万ございます。
新潟
市を
中心
とした私
ども
の
地域
で
政令指定都市
を目指しますと、大体、
新潟
県の
人口
の三分の一がまとまるわけでございます。やはり
空港
の
拡張
に力を入れ、港の規模に力を入れ、そして、
近隣
の山形県、富山県、長野県そして群馬県、そういったところとの
交流
を深め、将来像に述べましたように、
商業集積
あるいはいろいろな
集積
を図って
発展
していきたい、そういう
希望
をみんなで
話し合い
しているところでございます。 大まかな
お話
、させていただきました。あと、細目につきまして、承知している
範囲
内において御
質問
にお答えいたしたいと思います。 ありがとうございました。(拍手)
谷川和穗
3
○
谷川
小
委員長代理
以上で
参考人
の御
意見
の開陳は終わりました。
—————————————
谷川和穗
4
○
谷川
小
委員長代理
これより
参考人
に対する
質疑
を行います。
質疑
の申し出がありますので、順次これを許します。
福井照
君。
福井照
5
○
福井小委員
皆様、おはようございます。そして
阿部町長
様には早朝から御教授いただきまして、本当にありがとうございます。御苦労さまでございました。 それではまず私の方から御
質問
をさせていただきたいと存じます。 まず、
阿部町長
の五万人
都市構想
が発端となって
政令指定都市構想
まで
発展
しているということについて、大変な敬意を表させていただきたいと思いますが、
亀田町民
の
立場
に立って考えますと、
比較
をちょっと教えていただきたいのですけれ
ども
、
亀田
町としての
メリット
、
デメリット
で、それだけ地政学的な
位置関係
があるならば、もともとの五万人
都市構想
でも十分な
発展
がこれから見込めるのではないかと今
お話
を伺いながら思ったんです。今の
政令指定都市構想
の、一部と言っては失礼でございますけれ
ども
、一環として
発展
を図るのと、
横越
町との
合併
で
都市運営
を図るのと、どういう
メリット
、
デメリット
があって、その
比較関係
があって、どうなっているのかということについて、ちょっと若干の
コメント
をいただければというふうに思います。
阿部學雄
6
○
阿部参考人
先ほど
も申し上げましたように、三分の二が
新潟
市に包まれてございます。そして、昼の
人口
、夜の
人口
ということも申し上げましたが、非常に
新潟
市に対する
依存度
が多うございます。 ところで、
行政権
の
お話
を申し上げましたが、
新潟
市のいわゆるいろいろな
制度
、それと
亀田
町の
制度
がすぐ
比較
されるわけでございます。例えば、保育園の始まる時間、終わる時間、私
ども
も精いっぱい、
先ほど
も申し上げました
福祉
に努力しているつもりでございますので、いろいろ努力はしているのでございますが、やはり小さい
自治体
には力が限られてございます。そういった面で、非常に遜色がすぐわかるわけでございますね。それを何とかという
町民
の声が非常に大きかったということでございます。
福井照
7
○
福井小委員
ありがとうございました。 こだわっているわけじゃないんですけれ
ども
、私も田舎の方の
選挙
区なものですから、
合併
をすべきかどうかという御
相談
がいろいろあるんですけれ
ども
、ちょっと話が迂遠しますけれ
ども
、例えば
川勝平太先生
なんかは、
合併
ではなくて、まず県庁を分解すべきである、それでその三千三百の
市町村
もまた例えば二万ぐらいの
コミュニティー
に分解すべきである、そんなことをおっしゃっているわけで、それは、これから
歴史
と
伝統文化
が大事だということとか、
日本
の
運営
の根本的な
価値観
として美を追求すべきであるとか、
川勝先生
の
価値観
に基づいておっしゃっているわけです。 しかし、現状から見ても、例えば今まで
小学校
、
中学校
、高校で教育したかというとそうでもなくて、会社に入ってから
企業
が
日本人
を教育してきたという現実があって、そして
企業
が、雪印に代表されますように、
自分自身
の
倫理
を失ってきて、
日本人
が魂とか
倫理
、道徳を失ってきているということがあって、だからこそ今から本当に必要なのは
地域
の
コミュニティー
、昔でいえば
隣組
とか、そういう大家族の延長のような、そういう物理的にも小さい
範囲
内において、そして人数もそんなに大きくない
範囲
内において、
日本人
が
お互い
に、
日本人
とは何か、
価値観
とは何か、人生とは何かということを
お互い
に追求するということが大事ではないか、そういう
歴史認識
が、私
自身
の思い込みですけれ
ども
、あるわけでありまして、一方でこういう
広域合併
も進んでいるし、しかし一方でまた、小さくてもきらりと光る町を目指して独立独歩で行くんだということをおっしゃる首長さんもいらっしゃるわけでございます。
合併
しなくても、一部
事務組合
とか
広域連合
とか、そういう
行政
的にはいろいろな手があるんじゃないかということもおっしゃるわけですけれ
ども
、そういった
意味
で、
亀田郷
として、
輪中
の町だったと
冒頭町長
さんがおっしゃった、
広域合併
に反対しているわけじゃないんですけれ
ども
、
広域合併
する一方で、我々
日本人
の
コミュニティー
を大事にするというような
動き
があるのかないのか、あるいは今私が申し上げたようなことについての
コメント
をちょっといただきたいんですけれ
ども
、よろしくお願いします。
阿部學雄
8
○
阿部参考人
舌足らずで恐縮でしたけれ
ども
、私
ども
ただ単に
政令指定都市
、大きくなればいいということを目指しているわけでございません。
先ほど
申し上げました
任意協
を五回やっているわけでございますが、これから詰めることもたくさんあるわけでございますが、あるべき姿として、
地域
を大事にするということは
お互い
にいろいろ話してございます。
政令指定都市
になりますと
区制
ということになるわけでございますが、
区制
も、いわゆる今までの
政令指定都市
の
あり方
じゃなく、区にある程度いわゆる
権限
と申しましょうか、力と申しましょうか、それを与える、そういった
区制
をしきたい。その区の中でもいろいろな
意見
がございまして、区は区でいいんだけれ
ども
、
小学校単位
、
中学校単位
の
コミュニティー
を大切にしよう、そういった
機運
も非常に醸成されているところでございます。 先生おっしゃいました
日本
全体ということの考え方で申し上げますと、私
ども
、はっきり申し上げまして、そこまで申し上げる力はないわけでございまして、県内のこと、あるいは限られた
地域
のこと、そういったのをまず最初に考えているところでございます。 ちょっと話が戻るようでございますが、昼間の
人口
と夜の
人口
が違うということを申し上げました。しかし、町を何とか
発展
させるにはやはり人を動かさなくちゃだめだということで、
面積
が狭うございますから、
固定人口
ということはなかなか至難のわざでございます。そういった
意味
で、
交流人口
ということに力を入れてまいりました。例えば、
先ほど
申し上げました
福祉ゾーン
の中に
公園
がございますが、その
公園
を
整備
することによって
近隣
から
公園
に来ていただく、また、
体育施設
を
整備
させていただきましたが、それを
整備
することによってそこへ人が来る、そういったことで
交流人口
の増勢ということに力を入れてきたわけでございます。 おかげさまで、今大変、
大型店
を誘致させていただいたり、
交流人口
、かなりたくさんの人間が入ってくるようになったわけでございますが、その中で最も気をつけなければならぬことは、
町民
の安全、
安心
、安定ということでございます。
防犯
ということでございます。 それで、私
ども
の町、小さい町でございますけれ
ども
、
区制
をしいてございます。五十九区という、小さいところは五十戸足らず、大きいところで四百ぐらいでございましょうか、そういうところで
行政
区を、その区でいわゆる
地域
の
コミュニティー
、そういったのを非常に大事にしてございます。そのことによって、いわゆる
交流人口
がふえましても
防犯
、安全、
安心
、安定、これはみんな連動することでございまして、いわゆる
隣組組織
、そういうのを非常に大事にしているところでございます。
福井照
9
○
福井小委員
ありがとうございました。 ちょっと残り時間短いんですけれ
ども
、やがて
住民投票
というステージをお迎えになるかもしれませんし、巻町も隣にありますので、あえて
質問
させていただきたいんですけれ
ども
、
住民自体
の、我々国民自体の一人一人の意識レベルといいましょうか、身の回りのことだけじゃなくて、
新潟
都市
圏のレベルで考えるということもありましょうし、一方で、首長さんとかあるいは
議会
の方がマジョリティーに左右されない、そういう
新潟
都市
圏のレベルで物事を考えるということで、それぞれレベルを上げないといけないと思うんですけれ
ども
、やがて来る皆さん方の民意のとらえ方について何かお考えがございましたら御紹介いただきたいと思います。
阿部學雄
10
○
阿部参考人
合併
問題につきましては、町内で六カ所で住民説明会をやってございます。それから、
合併
の是非ということで、二千人抽出いたしましてアンケート
調査
をやってございます。 その結果を申し上げますと、
合併
をぜひ進めるべきという方と、どちらかといえば
合併
した方がいいという御
意見
が四九%近うございました。それから、
合併
に反対、どちらかといえば
合併
しない方がいいという
意見
が二五%弱でございます。残りの二五%はわからないという返事でございました。 現在進めている中で、今まで協議した内容を全部住民に知らせるべきであるということで、今までも個々に断片的にはやってきているのでございますけれ
ども
、今、総合的なものを十二の
市町村
全域、各戸へ配付する準備を、間もなく、来月の一日までには間に合うということで進めております。
福井照
11
○
福井小委員
ありがとうございました。
谷川和穗
12
○
谷川
小
委員長代理
次に、古川元久君。
古川元久
13
○古川小
委員
民主党の古川元久でございます。 本日は、
阿部
先生におかれましては、大変にお忙しいところをお時間をおとりいただきまして、貴重な
お話
を伺わせていただきまして、ありがとうございました。 私から幾つか御
質問
させていただきたいと思うんですけれ
ども
、まず最初に、地方の時代と言われて久しいわけでございますけれ
ども
、ただ、ここのところ、特に景気がバブル崩壊後非常に悪くなってからを見ていますと、地方の時代と言われながら、むしろどんどんと地方が疲弊をしていっている。ですから、今の
日本
の問題は、実は、どんどんと地方が疲弊していっているというところに問題があるんじゃないかというふうに私は考えております。 そういった
意味
では、地方をどう活性化させていくのか、活力を地方に与えるか。
地方自治
体の再編を考えるに当たっても、やはり、地方をどういうような形で活性化させていくか、そういう視点が極めて大事だというふうに考えております。 この
地方自治
体の再編ということを考える際には、今
町長
が進めておられるような
市町村
合併
のほかに、今ある都道府県、広域
自治体
レベルでどのようにこれを再編するか。私は、道州制のような形に
日本
の形を組みかえて、
基本
的なことは、もうその道州でほとんど、
権限
も財源もあってなされて、国が行うことは、本当に国家として求められている外交、防衛を
中心
として、あるいは最低限全国のユニバーサルで提供しなければいけない社会保障に限って、あとは地方でやるべきだというふうに考えておるわけでなんであります。 今、
町長
は、
政令指定都市
を目指すことを考えておられるという
お話
を伺いましたが、私の地元も名古屋市という
政令指定都市
でありますけれ
ども
、今の
地方自治
体の
制度
でありますと、
政令指定都市
になりますと、ほとんど、県の存在というのは
政令指定都市
の中において非常に小さくなってしまっております。 そういうことを考えますと、今後、
政令指定都市
になっていく中で、それでは、今の県の
あり方
はどうあるべきなのか。まさに道州というような形で、やはりもっと、少し大きな視点からの新たな再編が必要というふうにお考えなのかどうか。
政令指定都市
を目指していかれる中で、今の都道府県というものの
あり方
について
町長
はどのように考えておられるか、御
意見
をお聞かせいただきたいと思います。
阿部學雄
14
○
阿部参考人
ちょっと、
日本
全体のことを考えるには私
ども
の
立場
では力不足だというようなことを
先ほど
申し上げましたが、私個人の
町長
という
立場
、もちろん入るかもしれませんが、個人の考え方としては、やはり、行くべきは県の
合併
というところまで行くのではないかと思っております。 というのは、例えば、私
ども
政令市を目指して十二で今
話し合い
をしているところでございますが、こういう言い方はちょっと打算的になるかもしれませんが、十二で
一つ
の市をつくりますと、十一人の首長が要らなくなるわけです。それから、十一の
市町村
の議員が要らなくなるわけでございます。簡単な試算でございますけれ
ども
、年間三十五億浮くという計算が出てございます。 そういったことを申し上げるとちょっと打算的な話になるかもしれませんが、やはり、本当の自治というのを考えた場合に、
地域
地域
で差はあると思いますけれ
ども
、二千人、三千人の村でこれからやっていけるんでしょうか。二万や三万の町で本当の
意味
の自治というのをやっていけるんでしょうか。 県の自治もいろいろあると思います。大きい組織になって、大きい見地から
行政
をやる、その中で拠点をつくる。極端に申しますと、道州制ということになりますと六つとか七つとかという
お話
をお聞きするのでございますが、私もその
意見
には賛成でございます。
古川元久
15
○古川小
委員
今、
町長
は都道府県も大きくなるべきだというお考えを示されましたけれ
ども
、じゃ、それでは、その大きくなった都道府県にどれくらいのことまでお求めになりますか。 と申しますのは、今、多分、
町長
、県に陳情に行ったり、あるいは霞が関の方に陳情に来たり、いろいろそういうことがあろうかと思いますけれ
ども
、都道府県が大きくなった道州というものに求めるものとしては、例えば、今まで東京までわざわざ出てきたような話がすべてそういうところでおさまればいい、そこまで
町長
としてはお考えになる、あるいは、そうあるべきだというふうにお考えなのか。それとも、もう少し道州の役割といいますか
権限
は限られていて、あと中央政府に残るものもあってもいいんじゃないかとお考えなのか。 御自分のいろいろなところへの陳情で大変にお時間もとられているかと思うんですけれ
ども
、その点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
阿部學雄
16
○
阿部参考人
現在、国の出先機関が数多く、
日本
じゅうにたくさんあるわけでございますが、道州制になりまして、六つ、七つということになりますと、国の出先機関もそういったことで、
権限
も規模も出先機関の力が大きくなる、そのことによって道なり州なりのまとまりが今までよりも強くなるのではないか、そんな感じを持っています。
古川元久
17
○古川小
委員
ちょっと角度を変えて、先生にもう一点ほど
質問
させていただきたいと思います。
先ほど
町長
は、小さい
自治体
には力が限られている、ある程度の
人口
規模はやはり必要じゃないかという
お話
がありましたけれ
ども
、力が限られている原因というのは、最終的には
人口
という点にあるというふうにお考えなんでしょうか。あるいは、
人口
が限られていても、何か大きな
産業
があって財源がある、つまり、お金があれば小さい
自治体
でも自活してやっていけるのか。要するに、小さい
自治体
、
自治体
が自立できるポイントというのはどこにあるというふうに考えておられるのか、御
意見
をいただけますでしょうか。
阿部學雄
18
○
阿部参考人
このことは、
市町村
の立地条件それから
位置
的な面でも随分違うと思うのでございます。 例えば
新潟
県に東蒲原郡というところがございます。
面積
は大変膨大な
面積
があるわけでございますが、四つの町村がございます。ところで、全部
人口
を合わせましても一万五千人足らずでございます。ここは今、四つの町村で
合併
をしようということで話を進めていられるわけでございますが、これは
産業
とかあるいは財政とかというものじゃなくて
地域
的なもので、その
地域
地域
によって
目標
あるいは考え方が違うんではないかと思うのでございます。 私
ども
、
政令指定都市
を目指すということをさっき申し上げましたが、立地条件に合ったことで申し上げているわけでございます。
谷川和穗
19
○
谷川
小
委員長代理
次に、斉藤鉄夫君。
斉藤鉄夫
20
○斉藤(鉄)小
委員
公明党の斉藤鉄夫です。
阿部町長
さん、きょうは本当にどうもありがとうございます。 最初に、率直に疑問に思った点からお聞きしたいと思います。 当初、五万人
都市構想
でお隣の
横越
町との
合併
を考えられたということだったんですけれ
ども
、なぜ最初から
新潟
市との
合併
をお考えにならなかったのか、この点についてまず最初にお伺いいたします。
阿部學雄
21
○
阿部参考人
先ほど
申し上げましたように、私、
平成
四年の一月の
選挙
で入れていただいたわけでございますが、
昭和
二十八年の
合併
のときに
新潟
市から漏れたという
お話
をいたしました。
亀田
町と
横越
町だけが漏れたわけでございまして、今、三分の二、
新潟
市と申し上げましたけれ
ども
、その三分の二は旧
亀田郷
で、それぞれ村が独立しておったわけでございます。そういった背景で、まず
平成
の初めの段階では、やはり
横越
と
一緒
になって市を目指そうではないかということで、五万人
構想
を掲げたわけでございます。
斉藤鉄夫
22
○斉藤(鉄)小
委員
五万人
都市構想
をまずワンステップとして達成し、それからより大きな政令
都市
へ、こういうお考えだったというふうに理解してよろしいでしょうか。
阿部學雄
23
○
阿部参考人
そのとおりでございます。
斉藤鉄夫
24
○斉藤(鉄)小
委員
済みません、ありがとうございました。 それから、
先ほど
古川
委員
からの
質問
もございましたが、
政令指定都市
を目指していらっしゃるということなんですが、私も実は広島市に住んでおります。一市民として率直に感じますのは、市と県が物すごく仲が悪くて、
一つ
の事業を起こすにも全く
相談
をしない、別々に行う。重複も多いし、かつ非常にむだも多いということを本当に強く感じております。 その
一つ
の原因は、一国二
制度
といいましょうか、
政令指定都市
は、国と市が直結をした、ある二段階構成、普通の
市町村
はその間に県が入った三重構造、この二つの構造が同時に存在している、二
制度
があるようなもので、その矛盾点が顕著に出ているように私は思うんですが、きょう
阿部町長
さん、
政令指定都市
への強い方向性をおっしゃっておりましたけれ
ども
、なぜ
政令指定都市
にそこまで強い方向性を強調されているのか、この点についてお伺いします。
阿部學雄
25
○
阿部参考人
何回も申し上げましたように、
行政権
の弱いと申しましょうか、私
ども
は、何をするにもやはり県の指導、それから許認可、いろいろ経なければ、なかなか仕事が進まないわけでございます。そういった苦労と申しましょうか、つらさと申しましょうか、しみじみ感じてきているわけでございます。志を同じくする者がそろって
政令指定都市
を目指せるならば、ワンステップ除かれるわけでございますので、ぜひということでございます。
斉藤鉄夫
26
○斉藤(鉄)小
委員
次に、教育の問題についてお伺いしたいと思います。
福祉
と文教に力を入れているということでございました。今ちょうど国会でも、文部科学
委員会
で義務教育費国庫負担法の改正の議論をしておりまして、特に義務教育についての国と地方の
あり方
が議論になっております。教育についてのお考えを、特に地方分権という観点からお伺いできればと思います。
阿部學雄
27
○
阿部参考人
私、正直申し上げて教育の専門家ではございませんから、まとまった
お話
ができるかどうかわかりませんが、やはり教育というのは国の礎でございます。とにかく、将来に向かってその国が繁栄するかしないかというのは、やはり次の世代を担う子弟、これの教育の力というのは非常に大きいと思います。そういった
意味
で、やはり教育の
基本
は国として定めるべきものである、私は、
基本
はそうだと思っております。 しかし、
日本
の国、東西に非常に長く、立地条件も違います。
地域
地域
で文化、生活様式も違います。大まかな
基本
は国で決めていただいて、幅を少し持たせていただいて、
地域
地域
の独自性を加味した教育システムというものができないものかな、そんな考えを持っておるところでございます。
斉藤鉄夫
28
○斉藤(鉄)小
委員
次に、
福祉
ですけれ
ども
、
合併
反対論の
一つ
の大きな流れに、
地域
の皆さんの細かな要望に対して目が届かなくなる、そういう
意味
で、できるだけ首長さんは、我々、身近なところにいてもらった方がいいし、細かい
意見
をその方が聞いてもらえるという
意見
もございます。
広域合併
とそういう
地域
の皆さんの率直な声との関係についてのお考えをお聞かせ願えればと思います。
阿部學雄
29
○
阿部参考人
先ほど
も申しましたように、
地域
によっていろいろ差があると思うわけでございますけれ
ども
、私
ども
、
福祉
の点を考えましても、
自治体
によって内容が違うわけでございます。 同じことを申し上げるようで恐縮でございますけれ
ども
、やはり身近な
新潟
市と
比較
される。現在やっている中で二百二十七項目を
比較
しているわけでございますが、私
ども
の町で
新潟
市より
福祉
の面で秀でていることが一〇%ございません。六〇%近くは
新潟
市の方の
制度
がやはり高うございます。そういったことを
地域
住民もよく知っているわけでございまして、そういった面では余り異論はないようでございます。
斉藤鉄夫
30
○斉藤(鉄)小
委員
ありがとうございました。
谷川和穗
31
○
谷川
小
委員長代理
次に、
武山百合子
君。
武山百合子
32
○武山小
委員
きょうはどうもありがとうございます。早速、
お話
を聞いておりまして私も何点か疑問に思った点があるものですから、お聞きしたいと思います。 五十年ぐらいにわたって、
昭和
二十八年の
昭和
の
合併
のときに
合併
しなかったということで、大変御苦労されて
町づくり
をされてこられたのであろうと思うんですね。少し未来志向の
お話
をずっと聞いておりましたけれ
ども
、過去の経緯の中で、本当に頑張ってこられたんだと思うんですよね。ただ、そこには自主財源がない、それから
権限
もない、三割自治ということを重々わかっておりますけれ
ども
、その中で本当に頑張ってこられた。 それで、五十年にわたって
合併
をしてこなかったということで、このたび五万人規模から大きな
政令指定都市
を目指すということですけれ
ども
、地政学的に、地図を見ておりますと、本当に
合併
しなかった方が不思議なくらいに私感じたんですね。ですから、その当時、頑張ろうという気がきっとあったんだと思うんですよね。その辺の経緯、今まで聞いてきたんですけれ
ども
、地政学的に見てきまして、本当になぜ
合併
しなかったのかなという、その辺ももう少し聞かせていただきたいと思います。
阿部學雄
33
○
阿部参考人
往時のことはいろいろ聞いた
範囲
内でしか、そのころ
行政
にタッチしてございませんので。 簡単に申し上げますと、
亀田
町が大変貧乏でございまして、相手にされなかったというのが本音のようでございます。
武山百合子
34
○武山小
委員
本当に信じられないような
お話
を今聞いたわけです、厳しい状況であったということですけれ
ども
。 それでは、このたび急遽五万人から
政令指定都市
を目指すということですけれ
ども
、どちらがいいかということは私
自身
はわかりませんけれ
ども
、でも、今まで頑張ってきたんだから、これから地方主権の時代になるんだから、もう一押し頑張って、
地域
が
地域
らしさを出してこれから頑張っていけないのかななんという気も実はしているわけなんです。 それで、
合併
することによって、今までも
合併
しなくても広域でいろいろなものをやってきたと思うんですよね。その広域でやってきた点をちょっと
お話
しいただけますか。
阿部學雄
35
○
阿部参考人
話が重なるようで恐縮でございますけれ
ども
、小さい
自治体
でやれない面がたくさんございます。それを
近隣
で大きくなったらやれるのではないかということで、
先ほど
申し上げました、十年来いろいろな協
議会
をつくって、
話し合い
の場を持ってきたわけでございます。そういった内容を詰めれば詰めるほど、やはり
地域
性もございますね、ちょうど。そういったことで、この辺はまとまった方が
お互い
にいいじゃないか、そういう空気にだんだん流れが変わる、十数年かかっているわけでございます。
武山百合子
36
○武山小
委員
例えば、広域でやってきたものはどんなものがあるんでしょうか。
阿部學雄
37
○
阿部参考人
例えば、ごみ処理がございますね。これは一昨年
新潟
市と
合併
しました黒埼町というのがございますが、
新潟
市と黒埼町、そして私
ども
亀田
と
横越
町と、四つで広域清掃
事務組合
をつくって、現在もやっております。
武山百合子
38
○武山小
委員
ほかにもう少し
お話
ししていただけますでしょうか、広域でやっているもの。
阿部學雄
39
○
阿部参考人
公共下水道がございますね。処理区を
新潟
を
中心
にして、
周辺
で全部やっております。
武山百合子
40
○武山小
委員
そうしますと、県の方は、
亀田
町のそういう本当に大変な
状態
をよくわかっていて、それでも今まで
合併
の話に、ここ何年かで進んだようですけれ
ども
、実際はいってなかったわけですけれ
ども
、
昭和
二十八年からですからもう約五十年はたっているわけですけれ
ども
、その中で常に結局
権限
と財源がなかったということに対して、県はどういう対応をとっていたんでしょうか。
阿部學雄
41
○
阿部参考人
これは
歴史
のあることでございますから、五十年というと長うございまして、歴代の
町長
さんも数おられるわけでございます。県がどういう態度をとっていたという……。 町
発展
のために町自体は独自で努力してきたわけでございますが、町自体独自で努力してきたと申しましても、やはり
先ほど
申し上げました県の許認可事項とか指導とかいろいろございます。そういった
意味
で、やはり県は県の
立場
の役割はいろいろ果たしていただいたんじゃないんでしょうか。例えば、
先ほど
申し上げました工業団地をつくる、つくることについても町独自ではできないわけでございまして、県の指導あるいは国のいろいろな手続、やはりそういった御援助はいただいていると思います。
武山百合子
42
○武山小
委員
もう少し、何か核心に触れて実は聞きたいんです。
亀田
町が今目指している
行政
の
合併
をすることによって、
新潟
市と同じような
行政
のサービス、特に
福祉
、教育、それを
亀田
町の住民が
新潟
と同じようなサービスを受けたいということですか、物すごい格差があるということはわかっているんですけれ
ども
。そのための、すなわち
合併
の
メリット
ですね、同じものを受けたいという
意味
なんですか。ちょっと核心に触れたいんですよね。 〔
谷川
小
委員長代理
退席、小
委員長
着席〕
阿部學雄
43
○
阿部参考人
先ほど
も申しましたように、この
合併
、町が
合併
というのを、当初
横越
町と
合併
、そして
新潟
市と、その一段階を飛び越えて、
新潟
、
亀田
、
横越
という
合併
の話を申し上げました。 これは
行政
主導でございませんで、
先ほど
も申し上げましたように、町の商工
会議
所が町の将来をということでいろいろな人の英知を集めて、いろいろ会合を開いて、そして私、あるいは私の
議会
へアドバイスしてくれたということを申し上げました。そういう流れでございまして、
基本
的にこれは民意が先に出てきた問題でございます。
武山百合子
44
○武山小
委員
では、
町長
さんはどう思われているんですか、その辺は。
阿部學雄
45
○
阿部参考人
もちろんそのつもりでございます。
武山百合子
46
○武山小
委員
町長
さんは十年、
平成
四年ですか、
町長
さんになられて。そうしますと、十年いろいろと
町づくり
に努力なさってこられたこの思いがこういう形になっておるんだろうと思いますけれ
ども
、未来志向で、考え方には私
自身
も賛成なんです。ただ、その経緯をやはり知りたいなということで、過去の経緯を知って、過去があって未来があるわけですから、
質問
という形でしておるんです。
町長
さん
自身
は、この十年ちょっとに余るいわゆる首長としての中から、自分も
合併
に賛成だということですけれ
ども
、そのしたいという一番の根本の理由は何なんでしょうか。
阿部學雄
47
○
阿部参考人
新潟
市と
亀田
町と、
行政
区は違いますけれ
ども
、全くもう生活環境は同じでございます。むしろ、境界があるのが不思議なくらいに思っています。 ただ、
行政
上困りますのは、
亀田
町、
新潟
市、ひっついているところがたくさんございます。例えば境界の隣に学校ができる、町から水道を引いた方が近いという場合には町の水道、あるいは下水道もしかり、こういうときには、やはり町の議決、
新潟
市の議決、全部やるわけでございます。 これは本当にささいなことでございますけれ
ども
、煩わしさと言うと語弊があるかもしれませんが、そういったことも、これは
一緒
であれば何ともないんだがなということでございますね。
武山百合子
48
○武山小
委員
どうもありがとうございました。
杉浦正健
49
○杉浦小
委員長
次に、山口富男君。
山口富男
50
○山口(富)小
委員
日本
共産党の山口富男です。 きょうの
お話
は、
亀田
町の
町づくり
にかかわる問題と
合併
にかかわる二つの
お話
だったと思うんです。 まず最初の
亀田
町の
町づくり
にかかわることなんですが、
阿部参考人
から、
福祉
と文教に力を入れているという
お話
がありました。これは、憲法からいっても
地方自治
法からいっても、ここに
自治体
の大きな仕事があるというのははっきりしていると思うんですが、今、
行政
をやっていく上で、国や県との関係で、
福祉
の問題、教育の問題に力を入れるときに、障害になっていることですとか改善してほしいというようなこと、何かありますか。
阿部學雄
51
○
阿部参考人
福祉
行政
を進めますのに、
町単独
でやれることはほとんどございません。もっとはっきり申し上げますと、補助金、措置費、そういったものにお世話になる点がたくさんあるわけでございます。そういったことで、その手続あるいは許認可、大変苦労しているというのが実態でございます。
山口富男
52
○山口(富)小
委員
先ほど
広域
行政
の問題で、ごみやし尿処理の問題ですとか水のことが出ておりましたけれ
ども
、今の
お話
ですと、介護保険なんかも広域でやられているんですか、補助金や措置費の問題がちょっと出たんですけれ
ども
。
阿部學雄
53
○
阿部参考人
介護保険は町独自でございます。
山口富男
54
○山口(富)小
委員
それから、
平成
五年といいますから九三年ですが、
都市
計画のマスタープランがつくられたという紹介がありました。それで、特養ホームですとか障害者の皆さんの施設ですとか、一定のところにまとめてつくったり、いろいろな計画をやっているようなんですが、このマスタープランそのものは、
合併
ということを別に前提にしたプランではないんですね、確認のようなものですけれ
ども
。
阿部學雄
55
○
阿部参考人
合併
と別でございます。
山口富男
56
○山口(富)小
委員
では次に、
合併
の問題なんですけれ
ども
、私は、この問題は、やはり住民の意思がどこにあるのかというのが一番の
基本
だと思うんです。その点で、情報の公開ですとか、住民の皆さんの判断を尊重するというのが
基本
に据わるべきだというふうに思います、
先ほど
説明会やアンケートの
お話
もありましたけれ
ども
。それからもう一点は、
地域
間の格差もありますので、一連のサービスの後退にならないということもよく見なきゃいけない問題だと思うんです。 それで、まず初めの住民の
意見
の尊重にかかわる問題なんですけれ
ども
、六カ所で説明会を開いたという
お話
だったんですが、この説明会というのは、きょうの
お話
にありましたどの段階のものなんですか。
新潟
、
亀田
、
横越
の
合併
が最初に先行いたしますね、ここの話なのか、それとも、その次の
新潟
地域
合併
の方の話なのか、その点はどうなんでしょうか。
阿部學雄
57
○
阿部参考人
新潟
地域
の
合併
の話が出てからやらせていただきました。
山口富男
58
○山口(富)小
委員
それはあれですか、六カ所というのは、各
地域
ごとに何か全体を覆うようなことで六カ所を選んだのか、それからまた、説明はどなたが当たったのか、もう少し具体的なところを教えてください。
阿部學雄
59
○
阿部参考人
大まかに、いずれも小さい町でございますけれ
ども
、
人口
の
集積
を考えまして、学校、保育園、そういったところでやらせていただきました。
お話
は私が申し上げたわけでございまして、ただ、いろいろな
質問
が出た場合にということで、担当課長二十人ばかりいるのでございますが、全員出ました。 そういう態勢でやらせていただきました。
山口富男
60
○山口(富)小
委員
そうすると、アンケートの方なんですけれ
ども
、二千人ということで、
亀田
町としてはかなり力を入れた
調査
だったと思うんですが、その結果
自身
は、進めたい、どちらかといえばという方も含めて四九%余り、それから、慎重や反対と答えた方が二五%といいますから、
一つ
の町の中で考えるとかなり
意見
が割れた
調査
結果になったと思うんです。 この点は、ここでのアンケートというのは、やはり
新潟
地域
合併
にかかわる、そのアンケートなんですね、
意見
がこれだけ割れたというのは。
阿部學雄
61
○
阿部参考人
そのとおりでございます。
山口富男
62
○山口(富)小
委員
そうしますと、町の方は、この六回の説明会、それからアンケート結果を踏まえまして、これからこの問題では住民の皆さんにどういう働きかけといいますか意思の尊重をするのか、そのあたりの何か検討をやられているんですか。
阿部學雄
63
○
阿部参考人
住民からよく聞かれるのは
メリット
、
デメリット
ということなんでございますが、これは、完全に
任意協
が終わってしまいますとはっきりするのでございますが、今話し中なのがたくさんございます。そういったことで、返事を保留している部分と申しましょうか、もうちょっと待ってくれというような点もはっきりと申し上げているところでございます。 しかし、決まった点から、決まったというか、こういうふうにしましょうというふうに内部で意思が統一されたことについては、すべて逐次お知らせしているところでございます。
山口富男
64
○山口(富)小
委員
議会
とのかかわりですと、住民の皆さんへの説明会は行われたそうですが、
議会
には、何らかの特別
委員会
とか、そういう形で常時意思の交換というのは行われているんですか。
阿部學雄
65
○
阿部参考人
議会
でも、
合併
特別
委員会
を独自でおつくりになって、もうかなり、どのくらいでございましょうね、十回前後やられていると思います。 その中で、今まで
議会
で大体決められたことは、
新潟
市に対して編入
合併
でやむを得ないだろうということが
一つ
。それと、議員の身分でございますけれ
ども
、いわゆる
特例
法の中で定数
特例
を利用して、大体
人口
一万で一人というあたりで
議会
も
お話
ができているようでございます。
山口富男
66
○山口(富)小
委員
それから、
先ほど
私、
お話
を聞きながら一点ちょっと聞き漏らしてしまったんですが、
広域合併
の、レジュメの三と四なんですが、三の方の最初の協
議会
というのは解散したわけですか。
阿部學雄
67
○
阿部参考人
発展
的解消でございます。
山口富男
68
○山口(富)小
委員
よくわかりました。
発展
的解消というのは、次の
新潟地域合併問題協議会
に改組したということですね。(
阿部参考人
「はい」と呼ぶ)わかりました。 次に、もう一枚の
地域
の図なんですけれ
ども
、三つが折り重なっておりますね、
合併問題協議会
と広域
市町村
と
都市
圏にかかわるものと。これだけ錯綜し始めるとなかなか
行政
もやりにくくなるような気が一方ではするんですが、これはどういう区分けになっているんですか。
阿部學雄
69
○
阿部参考人
一番外側の青い線と申しましょうか、これはいわゆる広域
行政
ということで県が示した
一つ
のモデルパターンでございます。それから、赤い線が
都市
圏総合
整備
推進
協
議会
ということで、独自でつくった協
議会
でございます。それから、緑色のところが
合併
ということで今
話し合い
をしているところでございます。
山口富男
70
○山口(富)小
委員
どうもありがとうございました。
杉浦正健
71
○杉浦小
委員長
次に、
北川れん子
君。
北川れん子
72
○北川小
委員
本日は、どうもありがとうございました。社民党・市民連合の
北川れん子
と申します。 私は、
お話
をお伺いしていて、
阿部町長
がおっしゃった議員が要らなくなるという
お話
の中で、端的に言えば三十五億円の経費節減になるんだという
お話
をされたんですけれ
ども
、実は、生活のライフラインとかが一定程度
整備
され、人々の暮らしというのが戦後の復興期の中で先人の人たちの努力の上で立ち上がってきて、一定暮らしに関しての落ちつきを持った今、どちらかというと、賛成、反対の議論が屹立するというか二分するような問題というのが昨今は提起されております。 例えば、有事法制の是非について、原子力発電所の誘致の問題とか、今までとは違って、自分たちの生活が向上するならよりいい方へ行こう行こうと言っていた時代の議論とは違って、
意見
の対立といったものが持ち込まれる話というものが来る時代になったというふうに思うんです。 その折に、住民の自治とか政治参加の問題からいくと、私は、
議会
というところが消えていくということに関して、三十五億円の経費の面からだけではない点というのが多々あると思うんですよね。結局は、
行政
マンの、地方公務員の大リストラというか合理化の問題に町村
合併
というのはいくと思うんです。そういう点からいくと、
地域
に住む、兼業として住む場合、公務員と農業、公務員と林業とか、いろいろな形でベストミックスをされていた面ができなくなる点等々があると思うんですが、この点においての
阿部町長
のお考えというものをもう少し具体的に聞かせていただけるんでしたらありがたいんです。
阿部學雄
73
○
阿部参考人
首長、議員の数、三十五億円ということは、試算した結果を申し上げたわけでございまして、それだけ、一年に三十五億というお金、これを住民の
福祉
あるいはいろいろな方に向けたらすばらしいなということで申し上げたのでございます。ただ、先生おっしゃいました、物事、非常に
意見
がたくさんあると、それを判断する
一つ
の
立場
としての重要性、そういったことを決して、おろそかと申しましょうか、そういう
意味
で申し上げたのではございません。やはりそういった
制度
そのものは大事だろうと思います。 しかし、今、情報あるいはいろいろなことが、交通にしましても、非常に身近になりましたし、時間がかからなくなりました。そういった
意味
で、
範囲
を広げても支障がないんじゃないかという気もするわけでございます。
北川れん子
74
○北川小
委員
亀田
町の地政学的な
意味
からでの御
発言
がきょう今回はすごく多いと思うんですが、二〇〇五年を迎えての今、逆に言えば、市庁舎がうちにとか、名前が消えるのがどうとか、それが
選挙
のことにでも絡んでいろいろ生臭い
お話
とかも伺う昨今でありますので、三十五億円の議論を積み上げるそういう合理的な仕組みというものがなくなるということの方が、私
自身
はもう少しシビアに見ていった方がいいのではないかという
立場
をとっているんです。 例えば、だんだん大きな
構想
になっていったというのがよくわかったんですが、青い線引きになっている巻町などの笹口
町長
の御
発言
では、結局、原発誘致の問題で巻町がつくり上げてきた住民自治が他の町村に理解を得られなかったので協議は打ち切った、
合併
問題では、自分たちは
合併
をしないと。逆に言えば、自分たちの意向が組み入れられないということがよくわかったので取りやめたということで、
町民
の皆さんにいろいろな発行文書をつくっていらっしゃるんですけれ
ども
、そしてまた、五億三千万以上の自分たち
自身
の大合理化をして初めて
メリット
が来るとかということを具体的な数字としてもあらわして広報されているんです。
亀田町長
としてのお
立場
というのはすごくよくわかるんですが、広域になったときに、そういう御
意見
を言う笹口
町長
のようなお
立場
、もしくは加茂市の小池市長がかなり強固な
合併
反対の主張というものをされていらっしゃいますよね。同じ
新潟
県でいらっしゃるわけですけれ
ども
、毎年五百億円の
地方交付税
交付金が国から来なくなること、これはすなわち
新潟
県
自身
が立ち行かなくなることをあらわしているんだというような御
意見
でもって発信をされていらっしゃる点、また町村議
会長
の皆さんの昨今の御
意見
、強制的な
合併
をしていこうとしむけている国の
立場
が、国のありようがおかしいのではないかというような
意見
等々、
阿部町長
とは違う
意見
の方が身近にもいらっしゃる、市長さんにも
町長
さんにも。そして、全国では町村会
自身
が
意見
を出している。今のこういう様相に関しての御関心といいましょうか、そういうところはいかがでいらっしゃいますでしょうか。
阿部學雄
75
○
阿部参考人
それぞれ首長さんのお考えもあろうかと思いますし、その首長さんのお考えを生む立地というのもあろうかと思います。 初め、巻の
町長
さんも、この青線の中で協
議会
を
一緒
にやっておりました。おられましたが、私の町は
合併
に入らないということを明言されてございます。 それから、県で示しましたいわゆる素案、大体
新潟
県をこういうふうなぐあいでどうだろうということで示された案がございます。その中に、巻町さんそれから西川町さん、中之口村さんというのが入っております。それから、この地図にございませんけれ
ども
、巻町さんの下に岩室村さんというもの、これが県の示したパターンでは
一つ
ということでございました。 ところが、こういうことを申し上げていいかどうかわかりませんが、巻町の笹口
町長
さんが、県の示された方たちに、原発の立地を断る約束で
合併
しましょうという申し入れがございました。それを受けて、
周辺
の町村が巻町さんと離れたという経緯がございます。 そして、巻町さんの下に、
先ほど
申し上げました
人口
一万ばかりの岩室さんという村がございますが、これが飛び地になるわけでございます、私
ども
の。しかし、今十二でやっていますが、
先ほど
最初に申し上げましたように、加入させてくれということで
お話
が来てございます。 ですから、是々非々は申し上げませんが、首長さんの考え方、それからその首長さんの所属する
地域
の客観情勢と申しましょうか、いろいろな要素を加味してそういった独自の
立場
をとられるのではないかと思うわけでございます。 ただ、加茂の市長さんの
お話
も出ましたけれ
ども
、私は、加茂の市長さんの考え方がわかりません、はっきり申し上げて。
北川れん子
76
○北川小
委員
独自の
立場
をおとりになる方のことは尊重するという御意向でいらっしゃったと思うんです。 私は、どちらかというと、力不足だとおっしゃった
阿部町長
の力不足ではなくて、多くの規制や
福祉
に対して立ち向かうときの大きな国からの税源移譲がない点とか、そちらの方にどちらかといえば道を切り開く努力をすれば、この
亀田
町は、五万
都市構想
とかでも十分に住民自治を
一緒
に、ともに立ち上がりながらやれる町ではないのかというのをきょうつくづくと聞かせていただいて感じたんですけれ
ども
、その点に対しての、逆に言えば御
自身
の努力の向け方というものに関してはいかがでいらっしゃいますでしょう。最後になるんですけれ
ども
、今後ともそちらの方への努力への御関心もぜひ強めていただきたいと思うんですが、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
阿部學雄
77
○
阿部参考人
私も町へ入れていただいて十一年が過ぎたわけでございますが、私が入りましたとき、
福祉
施設というのは
一つ
もございませんでした。これは申し上げていいか、私、医者でございます。そういったことで、非常に
福祉
に力を入れているわけでございまして、かなり、まあまあ考えたことは達成させていただいた。 しかし、さっき申し上げましたいろいろなことで、許認可のことを得る、財政の問題、苦労をしたと申し上げましたが、その苦労にだけ目を向けて
合併
をということでございません。
合併
というのはあくまでも将来、この
地域
が将来、これが一番のポイントだ。将来に向けて
発展
するには、
位置
的な関係あるいは人の
交流
、いろいろな面を考えて、
合併
が最高のベターだ、そういうことでございます。
北川れん子
78
○北川小
委員
どうもありがとうございました。
杉浦正健
79
○杉浦小
委員長
次に、井上喜一君。
井上喜一
80
○井上(喜)小
委員
保守新党の井上喜一でございます。 きょうは、
参考人
、本当に御苦労さまでございます。 私は、
昭和
四十年代でありますから、今から三十年余り前に
亀田郷
を訪れまして、役場にもお伺いしましたし、有名な
土地改良
区の方にも伺って、話を伺いました。ともかく、田んぼに入れば腰までつかるというような田んぼだったそうでありますけれ
ども
、立派に乾田化をして立派な農地ができ上がっておりまして、私
自身
は、こういうところはずっとやはり農地として残していく、農地が農地として活用されていくようなことがいいんじゃないかなというような、そんな感じを持って帰ってきたわけであります。 今、県とか
市町村
といいますと、どうしても、
選挙
になりますと、首長というのは、向こう任期の間にこうこうしますというようなことを公約されるのでありまして、大体やはり自己完結的なことを言われるわけですね。何をします、これをしますというようなことですね。つまり、自分が責任を持ってやれるようなことを公約されるのでありますが、どうも
土地
利用というような点から見ますと、私はやはり、
一つ
の
自治体
の中でいろいろなものをつくっていく、つまり、工業団地を隣がつくればおれのところもつくる、あるいは図書館をつくれば自分のところもつくる。今同じような
自治体
ができ上がってきておりまして、どうも
土地
利用というような点から見て、国が本当に金をかけていろいろなことをやっているんだけれ
ども
、それが生かされていないというようなこと。あるいは、投資なんか見ましても、これはダブった投資も随分あるんじゃないかと思うんですね。 あるいは、今財政の問題も出ておりましたけれ
ども
、財政の効率化というような点から見ましても、私はやはり、この時点では、より広域の
合併
に志向していくというのは、これは当然のことだと思うのでありまして、今、
新潟
市を
中心
にした
政令指定都市構想
が浮かんできているというのは、これは大変結構なことだと思いますが、さらに進みまして、越後の国というのは割かし一体感がある地方だと思うんですね、しかも
人口
も二百四十万ぐらいでありますから、もう県を
一つ
の市にしてしまう、それで、市の区域を区に分けましてやっていくようなことをした方がよりいいんじゃないか。 つまり、県というのがありますと、
町長
さんも御存じのように、いろいろなことを理由にしまして抑えつけようとするわけですね。
行政
機構というのは本来そういうものだと私は思うのでありまして、県もなくなるし、大変いい市になっていくんじゃないかと思うのでありますけれ
ども
、もう一歩進めて、そういう
構想
というのは
新潟
県の場合はとり得ないものなのかどうか、これをお伺いしたいんです。
阿部學雄
81
○
阿部参考人
前もってお断りしておきますけれ
ども
、知事さんはどういうお考えだかわかりませんが、私個人の考え方としては、今、
新潟
県というのは、上越、中越、下越と三つに分かれてございます。いろいろな面から、
地域
性やあれから考えると、三つくらいに分かれるのが一番ベターかな、そんなふうな考えも持っております。 しかしながら、今、
合併
の流れを見ておりますと、下越で、北の方が大体二つくらいになるんでしょうか、
新潟
を
中心
とした
周辺
が一、二、長岡を
中心
としたところが二つ三つ。全部で
新潟
県、今二十一で分類の案が出ているわけでございますが、これも仮説で申し上げると、
一つ
の過渡期ではないでしょうか。そういった
意味
で、やはりこれからある程度まとまりというのは必要でないかと思うんでございます。
井上喜一
82
○井上(喜)小
委員
次に、首長の多選の問題についてお伺いしたいんです。 きょうは
合併
の話のようだったんでありますけれ
ども
、大体、全国どこでも同じような問題があるんだと思うんでありますが、この多選の問題、私、これは知事さんと
市町村
長さんを一応別に考える必要があると思うんです。 知事というのは、
新潟
県もそうだと思うんですが、殿様ですよ。それは、大きな予算を持って、自分のブレーンを抱えて、しかも県
会議
員なんというのは、あれは知事のコントロール役を果たせないんですね。知事は全県から
選挙
される、県
会議
員はたかだか五万とか六万ぐらいの小さなところから互選されて、どだいそういう代表制が違いますので、どこの県もそうだと思うんでありますが、圧倒的に知事の
権限
が強い。こういうことで、知事は、私は多くても三選だと思うんですね、二選または三選ぐらいじゃないかと。
市町村
長さんは、大きな政令
都市
は若干事情が違うと思うんでありますけれ
ども
、これは
選挙
区の母体が
市町村
会議
員と同じなものですから、割かし
市町村
長に対して
市町村
会議
員というのは
発言
権があるように私は思うんですね。 これはちょっとやはり別に考えるべきだと思うんでありますが、その二つを分けまして、多選禁止の要があるのかどうか、あるとすれば何期ぐらいが適当なのかということをお聞かせいただきたいんです。
阿部學雄
83
○
阿部参考人
大変難しい御
質問
でございますが、これは長の性格にもよるんじゃないんでしょうか。人それぞれ、みんな考え方それから
基本
が違うわけでございまして、ちょっときつい言葉になるかもしれませんが、おれがという考え方を持って当たられる方は、余り長くしていただきたくないと思います。 私は、部下によく、部下というか担当によく言うんですけれ
ども
、一人で仕事はできないんだよ、おれがやるとかおれが命令するとかということはやめようやと。おれはにしてくれ、おれはどういう
立場
だ、おれはだれと
相談
しなくちゃだめだ、そういったスタイルでいかなければということをよく申しておるんでございますが、私もいろいろな首長さんを見ているわけでございますけれ
ども
、なかなか、それぞれまちまちでございます。 ただ、多選を一様に年数あるいは期でもって縛りつけるというのもどうかと思うわけでございますが、やはりこれは
地域
住民の、
選挙
民の判断に任せるべきでないか。お答えになるかどうかわかりませんが。
井上喜一
84
○井上(喜)小
委員
どうもありがとうございました。終わります。
杉浦正健
85
○杉浦小
委員長
次に、佐藤勉君。
佐藤勉
86
○佐藤(勉)小
委員
自由民主党の佐藤でございます。 きょうは、
町長
さん、御苦労さまでございます。 私は、栃木県の出身でございまして、
先ほど
来から
お話
を伺っておりますと、
新潟
県は二百四十万で百十という
自治体
を持っておりまして、どうしても
比較
してしまうんですけれ
ども
、栃木県の場合は二百万で四十九
市町村
という
立場
にあります。
先ほど
来から
お話
を伺っている中で、
町長
さんの
基本
的な考え方をちょっとお伺いしたいんですけれ
ども
、今度の
合併
の論議というのは、その百十を確かに少なくしていくという
基本
があるんだろうというふうに私は思っております。したがって、
地域
格差があって当然だと思うんですが、何となく国のもとに
合併
論議が非常に進んで、またまた栃木県の場合はもっともっと大きな
合併
が進んでいくというふうになりますと、イタチごっこのような気がいたしますが、
基本
的に
町長
さんとしては、その百十をいかに縮めることの方がいいのか、
町長
さん個人として、
亀田
町が
新潟
市と
合併
をすることの方が
メリット
があるのか、その辺の
基本
的な考え方をお伺いしたいと思います。
阿部學雄
87
○
阿部参考人
やはり、
先ほど
も申し上げましたように、今
市町村
間の距離感、あるいはいろいろな
意味
で
交流
の圏域が広くなってきているところでございますから、小さくそこそこやっているよりも、ある程度まとまって、似たような
地域
は同じような考え方でやった方がいいんではないか、私個人はそんなふうに考えておるところでございます。
佐藤勉
88
○佐藤(勉)小
委員
そこで、
合併
をするに当たって
新潟
市にという考え方は伺いましたが、
亀田
町を
新潟
市との
合併
に当たっていかに有利に展開をするかというのが
基本
的になくてはいけないことなんではないだろうかというふうに私は考えておりますが、
町長
さんの御
意見
はいかがなものか、お伺いをしたいと思います。
阿部學雄
89
○
阿部参考人
政令指定都市
を目指して今一生懸命に話しているところでございますが、
政令指定都市
になりますと
区制
がしかれるわけでございます。現在、
新潟
市単独で五十二万、これは
一つ
の区にはなれないはずでございます。いわゆる
中心
部を二つくらいに分けても、端々がほかの区へ動くということになります。 私
ども
、今内々
希望
としているところは、
亀田
、
横越
を
中心
として、いわゆる
亀田郷
という、
昭和
二十八年に
新潟
市に
合併
しました大江山村、石山村、曽野木村、両川村、ちょうど
亀田
をくるっと包んだ
亀田郷
でございますが、これを今全部寄せますと十二万人くらいになります。そういう区ができたらなという
希望
でございます。
佐藤勉
90
○佐藤(勉)小
委員
そこで、もちろんいい方向にばかり進むとは思えないと私は思っているんです。
合併
の
メリット
という
お話
になろうかと思いますけれ
ども
、
先ほど
お話
が出たかもしれませんけれ
ども
、どうしても住民サービスの向上が挙げられるというふうに私は思います。 そこで、
合併協議会
の資料を拝見いたしますと、
先ほど
、さすが、
町長
さんのお仕事からも、児童
福祉
や高齢者の
福祉
の分野で、私は
新潟
市にまさるとも劣らないという
立場
でいらっしゃるんではないかとは思うんですが、
合併
によってその分野での住民サービス等々はいかような方向に進まれるか、向上すると考えていらっしゃるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
阿部學雄
91
○
阿部参考人
先ほど
も一部触れましたけれ
ども
、二百二十七項目を挙げていろいろ
比較
検討しているわけでございますが、さすがに
新潟
市の方がまさっていることが半分以上ございます。今それを詰めているところでございますが、
合併
した場合、
新潟
市と統一する、あるいは同じ考え方でいく、そういったのを
比較
いたしますと、町として
メリット
は大変大きゅうございます。
佐藤勉
92
○佐藤(勉)小
委員
そこで、もちろん地方分権ということがこれから当然進んでいくわけだと思います。私は、大事なことは人材の育成だというふうに思っておりまして、
自治体
においての人材の育成が一層重要な課題となっているというふうに私は考えますが、その点について
町長
さんはどのように考えていらっしゃるのか、また
亀田
町において何らかの具体的な取り組みをしていらっしゃるのか、その辺のところをお伺いしたいと思います。
阿部學雄
93
○
阿部参考人
私も今までの
お話
の中でその点も申し上げようと思っておったのでございますが、本当に大変光栄な
質問
だと思います。 小さい
自治体
では、財政上の関係で、役場職員というのが非常に制限されます。ちなみに申し上げますと、私
ども
の町で、
議会
からいただいている人数が三百十一名でございます。ところが、今実際やっている人員は二百八十五名でございます。 これはなぜか、入れればいいじゃないかということになるわけでございますが、内部を機械化するとかいろいろな方法で節約に努めているところでございます。そういったことで、いわゆる仕事の量と機械力を使った人員の量とのバランスを考えながら、財源の節約に努めているということでございます。 そういった背景で、職員を勉強に出すとか研修に出すとかということがかなり制限されてまいります。そういったことで大変苦慮している面があるわけでございます。やはり大きな
自治体
は、職員の能力アップ、識見の広がり方、そういったのはやはり違うようでございます。しみじみとそういったジレンマもふだん持っているところでございます。
佐藤勉
94
○佐藤(勉)小
委員
最後になりますけれ
ども
、
先ほど
来から
お話
を伺っておりますと、冷静に将来的なことをお考えいただきながら
亀田
町の
町民
のことを
基本
に考えているというのは、私も非常にひしひしと感じるものがございます。 そこで私は、ぜひこれから
合併
に向かって御注意をいただきたいというのは、もちろん
新潟
市と
合併
をするという中での流れは私は決して批判するものではありませんが、ぜひとも
亀田
町の存在をしっかりとこれからも維持できるようなことで進めていただきたいという御要望を申し上げまして、私の
質問
を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
杉浦正健
95
○杉浦小
委員長
次に、中川正春君。
中川正春
96
○中川(正)小
委員
民主党の中川正春でございます。
町長
さん、ありがとうございます。長時間にわたって本当に申しわけないことでございます。 全国そうなんですが、私は三重県の鈴鹿市を
中心
にした
地域
なんですけれ
ども
、やはり
合併
論がございまして、
先ほど
お話
を聞いていますと、私の地元と比べると、
合併
の方向に対する方向性というか、それの基礎的な条件というのはすばらしくそろっている
地域
だなと。うちはもめてもめて、今何ともならなくなっているのですが、そのことと比べるとすっきりしているなと思いながら聞かせていただいていました。 地理的条件にしても、あるいは
歴史
的なさっきの御説明、それからまた
行政
的に、特に
福祉
のその二百二十七項目からのレベルの
比較
、あるいは職員の研修ということ、ちょうど国が進めている条件のモデルになるようなことだと思うんですね。 ところが、それでも、さっきの賛成反対の割合を聞いていると、反対というか、この方向に対してだめだと言っている人たちが、トータルでいくと三割ぐらいですか、三割から四割あるということですね。これだけ条件がそろっている中で、この人たちはなぜ反対だ、こういうことになるのでしょうか。ちょっとそこのところをもう少し
参考
に聞かせていただければありがたいと思うのです。
阿部學雄
97
○
阿部参考人
個人それぞれお仕事をお持ちでございます。例えば商店でも、
合併
して
メリット
があるという判断の方と
合併
してもらったら大変だという方といらっしゃいます。あるいはまた、建設業というのがございます。建設業に携わっている方でも、町の中でやれば僕の
立場
も立つ、
一緒
になってしまったらおれの
立場
がなくなっちゃう、いろいろあるわけでございまして、ただ全体の将来像という点から判断していただければいいのでございますけれ
ども
、個人個人、身近なところを単位に考えられますと、どうしても反対者というのはお出になります。
中川正春
98
○中川(正)小
委員
非常に興味のある話で、うちもそうなんですね。まず、大きな市と
合併
をしていくときには、土木業界が非常に反対を大きくしてきまして、入札の範疇が広がってくると大きいところにやられるじゃないかと、損得から始まるというか、そういう構造というのは、恐らく小さい町が大きい町に吸収されるときには共通項としてあるのかなということでしょうね。 同時に、
新潟
市の場合は、いわゆる
周辺
を固めていくことによって
政令指定都市
、そういう
目標
を持ちながらやるということですが、ここで
政令指定都市
というのは強いなと思うのは、さっき
お話
の出た区ということをもう
一つ
取り込みながら、
合併
した後のそれぞれの小さな
自治体
の独自性というのを描けるような仕組みが求めていけるわけですね。中核市とかそれ以下の市になると、その後の
ビジョン
、
合併
した後の
ビジョン
というのがなかなか具体的に描きにくいという仕組みになっているのです。そこも問題なのかなという気が私はしているのです。 そういう
意味
で、さっきの区という
構想
を
お話
しいただきましたが、その区を
中心
にして、恐らく住民の皆さんは、吸収
合併
されていく中で、いかにして
行政
あるいは政治に参加をしていくか、そこのところが不安だということがあるんだと思うんですね、端の方だからほっておかれるのじゃないかと。そんな議論もあるんだと思うのですが、それに対してどのように説得されているか。いわゆるその後の
ビジョン
というのを、特に参加をしていく形態の中でどのような議論が中で行われているか。もしあれば、
お話
をいただければありがたいと思うのです。
阿部學雄
99
○
阿部参考人
私
ども
の
合併
の
お話
の中で
メリット
、
デメリット
ということがよく出てきますが、
デメリット
の中に、
中心
から遠いからとか端だから置いていかれる、そういう話がよく出てまいります。それを解消するために私
ども
が目指しているのは、
政令指定都市
は
政令指定都市
で、
政令指定都市
の中で分権型
政令指定都市
を目指そう、そういうことで意思統一ができてございます。
合併
してもすぐ
政令指定都市
になれないわけでございますから、二年なり何がしの日時が必要でございます。それまでの間は
地域
審
議会
的なもので対応させて、
地域
の個性、特徴を大事にしていこう、今そういうことも話し合っております。 ですから、
中心
だから、端っこだからということじゃなく、一番大事なのは、今までの個性をいかに大切にしながら融合していくか、それを一生懸命に今模索しているところでございます。
中川正春
100
○中川(正)小
委員
以上です。ありがとうございました。
杉浦正健
101
○杉浦小
委員長
次に、伊藤
公介
君。
伊藤公介
102
○伊藤(公)小
委員
きょうは早朝から、そして長い時間、
阿部町長
さん、御協力大変ありがとうございました。 私の
質問
で終わりですから、これまでの皆さんとのいろいろなやりとりの中で、せっかくおいでいただきましたから、強調しておきたいことがありましたら、どうぞ私の
質疑
の中で、
質問
に答える中でなくても結構ですから、おっしゃっておいていただければと思っております。
質問
する前に、端的に、
町長
さんは、我が町の誇るもの、私の町の誇り、三つを挙げてくださいと言ったら、何を挙げられますか。
阿部學雄
103
○
阿部参考人
まず第一に挙げます。災害が少ない町でございます。 それから、常に気をつけているのは、治安ということでございます。
先ほど
も申し上げました安全、
安心
、安定、これは一人でできるものでございません。事あるたびに、さっきもちらっと申し上げました
区制
を利用し、あるいは
隣組
、そういった組織あるいはいろいろな会合の中で、常にそれはお
話し合い
しているわけでございます。小さいことですけれ
ども
、例えば、おうちをあけるときは黙ってあけるな、必ず前、隣に、あけるということを言ってあけなさい、そういったことが、交通事故とかそういうのはございますけれ
ども
、割合と平穏な町である。防災それから
防犯
、これが一番大きな特徴でございます。 それから三つ目としては、これも、
交流人口
をふやすということで政策をやらせていただいて、今町に非常に活気が出てきております。想像でございますが、
人口
三万の町でございますが、恐らく推定で百万以上は入ってきているんではないか、そんなふうに考えておるところでございます。 自慢ということになりますといろいろございますが、ということで。
伊藤公介
104
○伊藤(公)小
委員
ありがとうございました。
亀田
製菓というのは
町長
さんのところが発祥なんですか。
阿部學雄
105
○
阿部参考人
私の自宅の前でございます。
伊藤公介
106
○伊藤(公)小
委員
全国的に有名ですから、我が町の誇るものといったらそれも挙がるのかなと思いましたが。 なぜそんなことを伺うかというと、私は今東京が
選挙
区ですが、私の町は四十万、隣の相模原が六十万で、合わせますとまさに百万になります。私、生まれは長野県の、
町長
さんの隣ですが、長野でも少し南の方の高遠町で、旧三義村という、一町四カ村が
合併
した町で、実はうちのじいさんはそこで村長をやっておりました。今町は
合併
しましたけれ
ども
、旧村は非常に過疎なんですね。私が通っておりました
小学校
、中学も廃校になりました。しかし、とんでもない過疎なものですから、今むしろ東京の人が非常にここに住み始めている。中途半端でない方がいい。作家だとか、それから陶器をする人だとか、それから音楽家が全国コンサートをやった合間にはそこに住んでいるとか、天文、星を見るなんということも、そういうことを考えると、私は、
基本
的に
合併
をしていかざるを得ないということだと思います。 例えば、東京の私のところですと、今
産業
廃棄物、廃棄物が大変な問題です。今、私の町だけじゃなくて、首都圏はもう一年でとにかく廃棄する場所がない。東京の一番奥の日の出町に我々もお世話になって、既に第二処分場、これも法廷闘争までやってきたわけであります。
空港
、これも大きな問題、あるいは原子力発電も、今全国的に問題です。 そういうようなことをいろいろ考えると、私は、広域的なことを考えざるを得ない。また、
先ほど
来、
町長
さんからも、財政的なこともお触れになりました。 しかし、西尾私案について、全国の町村会の
会長
さんは若干これに反論をされているということも伺いました。それは、全部は違うということではないと思いますけれ
ども
、この分権型社会というものを、それぞれの
市町村
の個性というものを失ってはならないのではないかということが、多分その反論の趣旨だと思います。 例えば、東京の私のところは、今小
選挙
区になりましたから分かれましたが、一番奥の檜原村というのは、私の旧
選挙
区です。私は、この村長さんに会うたびに、檜原だけは東京の中で永遠に村がいいと。これはもう大変な大自然でございまして、東京の
都心
とあの奥座敷の檜原村を考えたときに、東京の中に将来的にも檜原村はあっていいのではないか、むしろあの檜原村をそのまま残しておくべきだということもございまして、一律に物事を全部やっていくということはどうなのかなと。
日本
の国土政策も、たしか池田内閣の時代、
昭和
三十七年に全国総合開発的なものがスタートして、歴代の内閣で国土政策を次々とつくってきました。最後につくられたのが多分、橋本内閣の連携軸だと思います。これは非常に大きく変わりました。 地方に工場を持っていけば
人口
がそちらに行くだろうと言ったけれ
ども
、なかなかそうならない。そこで、福田内閣の時代には定住圏
構想
、やはり若者は文化もなければだめだ。しかし、なかなか成功しない。そこで、橋本内閣になってきて、むしろ農村は農村、そのよさを残して、大
都市
とそのものを連携していく、
お互い
に
交流
していく、よさをむしろ残して連携していく方がいいのではないかという国土政策をつくってきました。私も実は、その国土政策にかかわってきた一人であります。 そういう国の大きな流れも見ながら、今、
町長
さんは積極的にこの
合併
を進められて、私もその方向が全体としてはいいと思いますが、やや
日本
全体が画一的で個性を失ってきたというものも一面ではあると思います。何々銀座が全国にあったり、すかいらーくがあってデニーズがあって、みんな、どこへ行っても同じ顔になってきてしまった。 むしろ、そうではなくて、最近、たしかNHKですか、商店街の活性化をやっている中で、もうとにかく新しいことをやってもなかなかだめだ、そこで全部
昭和
に戻そうといって、みんなが
昭和
のお店に全部直していった。そうしたら、非常に客がふえてきて、その
中心
になった人が感激をして、つい最近の少し長い番組でしたけれ
ども
。 そういう大きな流れを考えながら、
町長
さんが今、どんなふうに
亀田
町の
町づくり
を考えながら、将来を展望されるのか、お伺いしておきたいと思います。
阿部學雄
107
○
阿部参考人
基本
的には、今先生がおっしゃいましたことと同じような考え方であるわけでございますが、
地域
地域
でそれぞれ異なっているわけでございます。 町村会の山本
会長
さんが必ずしも
合併
賛成でないというような
お話
でございますが、
会長
さんは、
合併
そのものに反対ということは申されておりません。ただ、どうしても
合併
できないところ、あるいはどうしても
地域
として残らなければならないところ、そういったところに配慮した
発言
をなさっていると私は解釈しております。いわゆる強制的な
合併
は断固阻止という言葉を使っていられるわけでございまして、
地域
によっては当然
合併
しなければだめだろう、そういうことがあるだろうと思うわけでございます。 ただ、私
ども
の目指しております
政令指定都市
についてでございますが、私
ども
、穀倉地帯でございます、
新潟
というのは。いわゆるキャッチフレーズに田園型
政令指定都市
、これを目指そうと。
先ほど
申し上げました私の町も半分は田んぼでございます。そういったことで、田園型
政令指定都市
、こういうキャッチフレーズは今まで十二ある
政令指定都市
で
一つ
もないわけでございまして、こういうことを申し上げてちょっとはばかるかもしれませんが、東京みたいなコンクリートジャングルの町をつくろうなんて気持ちは持っておりません。既存の農業を
中心
とした、それを軸にした、それを生かした将来
発展
を目指そう、これは十二
市町村
長全く同じ気持ちでございます。 そういったことで、
地域
によっていろいろ考え方は異なるかもしれませんが、正直申し上げて、私
ども
、
土地
柄、
政令指定都市
を目指す可能性のある
位置
にくみしているということを大変幸せに思っております。
伊藤公介
108
○伊藤(公)小
委員
ありがとうございました。 まだ二、三点聞きたかったんですけれ
ども
、もう時間が参りましたので、どうぞ、
町長
さんの御活躍をお祈り申し上げて、
質問
を終わります。
杉浦正健
109
○杉浦小
委員長
これにて
参考人
に対する
質疑
は終了いたしました。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
阿部参考人
におかれましては、御多忙のところ御
出席
をいただきまして、貴重な御
意見
をお述べいただきまして、ありがとうございました。小
委員会
を代表いたしまして、心から御礼申し上げる次第でございます。(拍手)
—————————————
杉浦正健
110
○杉浦小
委員長
これより、本日の
参考人
質疑
を踏まえまして、小
委員
間の自由討議を行います。 一回の御
発言
は、五分以内におまとめいただくこととし、小
委員長
の
指名
に基づいて、所属会派及び氏名をあらかじめお述べいただいてからお願いをいたします。 御
発言
を
希望
される方は、お手元にあるネームプレートをこのようにお立てください。御
発言
が終わりましたら、戻していただくようお願いいたします。
発言
時間の経過につきましては、終了時間一分前にブザーを鳴らさせていただきます。また終了時にもブザーを鳴らしてお知らせいたします。 それでは、ただいまから御
発言
をお願いいたします。
島聡
111
○島小
委員
きょうは、
地方自治
でございますので、憲法の九十二条、九十三条及び九十五条についての
発言
をさせていただきます。 きょうは、
亀田
町の話のポイントは、
合併
の問題でございました。
合併
は、今
合併特例法
で、法定署名五十分の一、有権者署名の五十分の一を集めれば
合併協議会
を設置するかどうかということを
議会
に付議することができるという話になっています。 杉浦小
委員長
と私は
選挙
区が隣同士でございますが、私の近くに、安城、刈谷、知立、高浜、碧南という町がございます。その五市で
合併
をしようということで、五十分の一の法定署名でいいんですが、
人口
四十七万、有権者署名、約四十万のところ、九万九千六十四名の法定署名を集めました。九万九千六十四名の法定署名を集めたんですが、
一つ
の市、碧南市という市が、結局、住民発議による
合併協議会
を設置することを否決したものですから、それで終わってしまったんです。 これは何が言いたいかといいますと、いわゆる代議制と間接民主主義と直接民主主義の問題であります。 憲法は、九十二条で「
地方自治
の本旨に基いて、法律でこれを定める。」とありますが、住民自治、団体自治のうち住民自治に関しましては、九十三条で、地方公共団体には、その議事機関として
議会
を設置する、それから、地方公共団体の長は、直接これを住民が
選挙
するということで、
基本
的にいわゆる代議制、
選挙
を通じてのものしか規定していないわけであります。もちろん、九十五条で「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、」とありますけれ
ども
、どうしてもこの間接民主主義というのをかなり意識した構成になっている。 今、各地で
住民投票
その他があるわけでありまして、その問題について、今後憲法を議論していく間において、いわゆるその間接民主主義と直接民主主義、住民自治の関係をどのように考えていくかということをきちんと整理していく必要があると私は思います。 それから、及び九十五条で、例えば今、道州制の話も出ましたが、道州制をもしやるとして、都道府県
合併
をする場合には、これは現在、私も総務
委員会
で聞いたんですが、例えばある県が発議して、その
地域
三つぐらい
一緒
になろうと思った場合には、この九十五条の、地方公共団体の住民の投票においての過半数の同意を得るということが必要なんだそうであります。 したがいまして、もし本当に道州制を進めるのであれば、特別の都道府県
合併
の立法が必要となるか、あるいはこの九十五条をどのように解釈するかということになると思いますので、
地方自治
に関しては、今後、住民自治の観点からいくと、直接民主主義、間接民主主義をどのように考えるかということが大きな論点になっていくというふうに思います。 以上です。
谷川和穗
112
○
谷川
小
委員
ちょっと今の島
委員
の御
発言
にも関連をすることなんですが、憲法の九十三条は住民自治、九十四条は団体自治を規定しているんではないかという、これは学説的には相当定着していると思うんですが、私は、
日本
国憲法の中で、この
地方自治
の問題をこの二つの問題の切り口だけでそろそろ議論できないところへ来ているんじゃないだろうかと思っておるんです。
一つ
の例ですが、アメリカ・オハイオ州のデイトン、これはシティーマネジャーシステムというものを世界で一番最初に始めた市です。
市町村
の外に、わきにそのシティーマネジャーというのが、これは契約で身分が成立するわけですが、
議会
に対しては責任を持つけれ
ども
、一般有権者に対しては責任は持たない。そのシティーマネジャーが、いろいろなプランニングがあって、そのプランニングがうまくいったときには次のまた契約が続くというようなシステムを導入したシティーマネジャーシステムというのがありますが、この
日本
の憲法の規定からいう、特にその九十二条の、
地方自治
の本旨に云々ということから、法律の定めるところによりという形で
地方自治
法その他を見ると、とてもこういう
制度
を
日本
に導入はできない。 しかし、やはりこれからの分権という話を議論する以上は、現行の憲法の中でしか議論できないのかどうかということもあわせてやはり当小
委員会
では議論すべきだ、私はそう思います。
杉浦正健
113
○杉浦小
委員長
他に御
発言
はございませんか。 それでは、討議も尽きたようでございますので、これにて自由討議を終了させていただきます。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時三十一分散会