○林(省)
分科員 さすがに
大臣、よく注意をして見ていただいているなと思って感謝をいたします。大概の方にこれを聞きますと、さあ、何だろうなとおっしゃるんです。少しそういうことを注意して見ていただけないと本当にわからないような、道路等に黒い斑点がたくさん残っているわけであります。冬場はまだいいんですけれども、これからだんだんと気温が上がってまいりますと、これが随分とべちゃついて、そして、はっきり申し上げて歩行の妨げになる。いろいろな問題を、今から少し御
説明をいたしますけれども、引き起こすわけであります。
私も同僚議員とともに産業廃棄物の不法投棄の、これをしっかりと見届けていきましょうという仲間でグループをつくりまして、いろいろと勉強会もいたしております。あるいは千葉県の方には大変ひどい不法投棄の現場を視察に参ったこともございます。
そんな中で、もう少し身近な問題でこんなものもあるんですけれども、一緒に
考えてくださいよということで、では、そのことについては君が少し中心的になっていろいろと
考えてください、勉強会もやりましょうということで、いろいろとこれまでにやってきたわけでございます。
今、我々の身近なところで
生活環境を、破壊とは言いませんけれども、随分といろいろ問題を引き起こしているのが、一つは今、
大臣に見届けていただきましたガムであり、あるいはたばこのポイ捨てであり、場合によったら飲料水の缶だとか瓶、缶はまだましなんですけれども、瓶は割れたりするわけですから、割れてその瓶の破片でけがをする、こういう事件もよく起こっているんです。よく起こっているんですが、実際に、では、そういう被害に遭った方がどう対応なさるかというと、どちらかというと、まあ格好の悪い話だと。
私も、実は格好の悪い話を実際に経験しておりまして、これは自民党本部でございます。本部の会合に出ておりまして、自分の靴の裏にガムがひっついているのを知らなかったわけであります。私は自分の、こういうところのいすから立ち上がって動くときの一連の決まった動作がありまして、右足を軸にしてくりっと回転して出ていくというような動き方をするものですから、いつものようにその動作をしようとしたら、たまたまガムを踏んづけていて、長くそこにじっとおったものですから、いつもどおりに回ろうとしたらこれが回らなくて、右足を軸にして体をひねろうとしたらゴキッといってひざを痛めて、今もう一年半になりますけれども、いまだにぐあいがよくない。だから、こんなことは余り、もう不細工な話で、人様には案外言わぬのです。
例えばガムで申しますと、私が目撃したものでありますけれども、たまたま私の前を歩いておられた、御高齢で、恐らくもう八十前後だろうと思われる着物を着ていらっしゃる御婦人が、突然ばたんとこけられたわけです。そして、手をついたものですから、どうやら手が恐らく骨折、私がばっと見たときには骨折しているなと思いましたけれども、痛いとおっしゃるものですから、とにかく私も急いでいたものですから、すぐに救急車を呼んであげてくださいということで、若い人にちょっと見ておいてあげてくださいと、僕、どうしても急いで、時間をかけて行かないといかぬからと言ってお願いをして、どこのどなたなのかわからないままに終わったわけですけれども、そういう事件を直接目撃したこともあります。
あるいは、車いすの方が、これは力が強ければいいんでしょうけれども、力が弱く車いすを動かしておられると、片一方の車輪にガムがぐちゃっとひっつきますと、そこが動かずに反対側だけが動いてしまうというようなことで、ぐりっと回転するような
状況になって物にぶつかるようなことも見たことがございます。あるいは、幼い子供たちなども、やはり足が上がらなくてつんのめったり、こけたりというふうなガムの被害というのはあるわけです。
あるいは電車の中なんかに、ここまで来ると、もう本当に不愉快きわまりない、悪質ないたずらといえばいいんでしょうか、愉快犯になるんでしょうけれども、シートなどにガムのかんだものをひっつけている、それが衣服に付着して取るのに大変苦労する、こういう、被害といった方がいいと思いますが、こういうものも実は多発をしているんですけれども、何様、どこへどう言っていいかわからないというような
状況で、ほとんど被害者が泣き寝入りといったらいいような
状況があるだろうと思います。
それから、たばこの件でございますけれども、ガムはまだ、私もいろいろと調べてみました。これが長らく放置される、放置された結果、炎天下にさらされ、風雨にさらされ、例えば大きな雨でも降ったようなときに、そこから有害物質が河川に流れ込むようなことがあるのかどうなのかということで調べてみましたけれども、ガムについては、国立医薬品食品衛生研究所の
報告でございますが、これはあくまでも基本的にいわゆる生ゴムが中心であって、着色料にいろいろ問題があったということは過去にあるけれども、ここから有害物質が出るというふうなことは
考えられませんという御
報告でございました。
これは、たばこになるとそうはいかぬだろうと思うんですね。たばこの場合には、これも調べてみますと、要するに、私なんかもたばこをよく吸うわけですが、仮にこれを水にでも溶いて飲んだとしますと、大人の場合で、
報告によりますと、大体二本から四本、幼児の場合には〇・五本から一本で致死量に至る、ニコチンが体内に入って急性のニコチン中毒になって死に至るというその致死量が、調べていただきましたところが今申し上げたような、大人で二本から四本、幼児で〇・五本から一本の範囲である。
そういうものが今度はどうなるかといいますと、私もたまたまこのガムの跡をずっと見て歩いているものですから、交差点などの、どう言えばいいんですかね、道路の横にある排水溝がございますよね、ああいうところに立ちどまって吸っていて、ふっと動くときにその排水溝にほうり込んでいかれるわけです。だから、たくさん人が渡るような交差点の排水溝を見ますと、山になっています、山になってある。これが大雨が降ったときなんかに恐らく全部河川に流入するはずでございます。だから、これだけのものがどっとある特定の河川に入っていくわけですから、今申し上げたように、大人でも四本ぐらいで致死量に至るようなものが流れ込んだときの害はどうなるんでしょうということで、これまたいろいろと調べていただきました。ところが、何さま河川は水の量も多いということで、これが人体に直接影響を及ぼすような結果は出ておりません、こういう御
報告であるわけです。
いずれにしても、たばこはざっと年間十三億五千万本ぐらいつくられて、それが全部吸われているのかどうかはわかりませんが、十三億五千万本つくっていますよという御
報告も聞いております。ガムに至っては、
大臣、年間四万四千トンつくっております。この四万四千トンが全部吐き捨てられているとは思いませんけれども、何しろ私が今一番問題にしたいのは、たまたま私の選挙区の中に、これはどうやら私の調べた範囲では初めてのNPO法人だろうと思うんですけれども、環境美化衛生
事業団というようなことでNPO法人を立ち上げておられる方がおられまして、この方々が主としてガムを取っておられるものですから、ついついその方々の御相談を受ける中で、こんなことに注意を持つようになったわけでございます。
モラルの問題というのは、私は一番最初に申し上げたんです。製造者
責任を問う前に、やはりこれは消費者のモラルの問題が一番でしょう、そういうことについてのキャンペーンはどうなさっているんですかと言ったら、随分やりましたとおっしゃるんですね。あるいは、チューインガム協会、ガム協会などにも随分といろいろな話をしておられます。何度も折衝しておられますが、結論としては、しょせん、それはもう製造者
責任じゃありません、消費者側の問題ですよということで、ほとんどまともに対応していただいていない、こういう
状況でございます。
ちょっとモラルの点で、私も、いろいろ調べながらも、わっと思うようなことがあったんですが、これまた別に
大臣をどうこうというわけじゃございませんが、
大臣、この永田町周辺で最もガムのポイ捨てのひどいところといいますか、目立つところはどこだと思われますか。別になぞかけをするわけじゃないんですが、参考までにちょっとお
考えいただけませんか。