○塩川(鉄)
委員 ぜひ現場の実態に即して、
制度の趣旨に沿って、前向きの取り組みをお願いしたいと思います。
それでは、下請法についてですけれ
ども、新たに役務に拡大する中で、そういう中で、大きな業界の一つにビルメンテナンスの業界があります。私、関係者の方からお話をお聞きした中で、元下関係についてもいろいろな是正についての要望も出されましたけれ
ども、特に、発注元に対しての強い要望というのが多く寄せられました。発注元の単価の
引き下げというのが大変深刻な
状況にあるというお話だったわけです。特に官公庁がひどいという話を聞きました。
これは、ビルメンテナンス協会が毎年実施しております実態調査報告書に基づくグラフですけれ
ども、ビルメンの業務契約の改定率、つまり、継続の物件について、前年度に比べてどれだけ契約
金額が増減しているかという率です。
これを見ますと、近年はずっと下がりっ放しで、過去五年間というのは、それこそとにかく大きく下がる。
民間の下がり方に比べて、色のついている方が官公庁ですけれ
ども、官公庁、公団の方が大きく引き下がっている。ですから、ビルメンの業界の
皆さんにとってみれば、官公庁が価格
引き下げの先導役を果たしているような実態というのを強く懸念をしておられるわけです。
そういった中で、このアンケートの中でも、調査の中でも、官公庁・公団、
民間とも過去最低の水準まで契約改定率が低下をしたと
指摘もしています。実際、東京都などがその先頭に立っているという話を聞くわけですが、過去三年間で二〇%のコストダウンで、今年度についてもさらに七%ダウンということですから、なかなか受け手の業者の
皆さんにとっては大変な
状況だということになっています。
近年、ビルメンでは、ビル丸ごと受注するというのがふえてきておりまして、そうしますと、より一層発注者の要望がストレートに出てくる、発注者の声が一層強くなっている実態にあります。本来、ビルメンの業務というのは、清掃ですとか、あるいはボイラーなどの管理ですとか、あるいは警備などの保安ですとか、それぞれ分野分野があって、それぞれの業務に専属しているような
事業が多かったわけですけれ
ども、だんだんそれがトータルになってきている中で、本来、業務が多岐にわたるわけですから、平均的なビルでも、そのビルの業務を習熟するには三年ですとか、病院のような特殊な建物でしたらやはり五年ですとか、
一定の年数がかかるわけですよね。それが、近年の契約というのは、ほとんどが単年度契約になってきているわけです。
そうしますと、業者の方にしてみると、今受けているビルの仕事を続けて翌年度も受けるためには、業者間の競争がありますから、今のさらに下で入れざるを得ない。そういった
状況というのがあって、そういうのが安値競争と言われるような実態にもなってきています。ですから、毎年のように価格が下がって、ダンピングまがいのような
状況というのが言われているわけです。
こういった現状について、私はやはり、官公庁を含めた発注元の単価の
引き下げに対しても、実態に即した対応をすべきじゃないか。そういった発注元の
責任という点では、下請法の範囲でないということであれば、例えば特殊指定をするなど、具体的にこういった現状を正すような取り組みに踏み出すべきじゃないか。ぜひ公正取引
委員会にお聞きしたいと思います。