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平沼国務大臣 お答えをさせていただきます。
平成十二年の七月に森改造
内閣で通産
大臣に就任させていただいて、御
指摘のように二年八カ月に相なります。その間、
景気は若干持ち直しの様相を呈したときもありますけれ
ども、総体的に言って非常に厳しい
状況でございました。
私は、就任してから、やはり新しく
経済に
活性化、
活力を与えなければいけない、それによって雇用を創出しなければならないということで、新
市場そして雇用創出に向けた重点プランというのを発表させていただきました。これは、たしか
平成十三年の五月だったと思います。その中で、イノベーションを起こして、そして、
日本は
産業のポテンシャリティーはあるんだからしっかりそこで新しいものを創造する、そういうことをやるべきだ。
その中で、一つは、大学発ベンチャー
企業を三年間で一千社誕生させよう、こういうプランをつくりまして、これは具体化をいたしまして、一千社のうち、今四百二十四社が誕生するようになってまいりまして、あと一息かな、こういうことを思っております。
それから、地域
経済、今地方の
中小企業のことを先生お触れになられましたけれ
ども、大変厳しい。しかし、地域にやはり
活力を与えなければならないという形で、地域
産業クラスター計画というものの推進をこの期間させていただきました。産学官連携によって、とにかく、地域に持っているそういうすばらしい種がありますから、それを拠点の大学と、それから地場の
産業と、そして我々もお手助けをしながら伸ばしていこうということで、現在、これは十九の拠点で、そして大学の数も全国では累計二百大学がここに参画をして、
企業の数も四千を超える、それでその中から新しいベンチャー
企業も、そしてまた新しい特許等も生まれてくるように相なっています。
そういうことで、第一段階はそういうことをやらせていただきましたけれ
ども、なかなかまだ厳しいということで、一昨年の十一月に省内に、いわゆる
産業競争力をつけなければいかぬということで、有識者の方々に集まっていただいて、
産業競争力戦略
会議というのを立ち上げまして、約半年間、これはかんかんがくがく
議論をしていただきまして、そして
日本の物づくりの力を出そう、こういう形で四つの分野に絞らせていただきました。
そして、これが小泉
内閣の中の、これもよく御承知だと思いますけれ
ども、第二骨太方針の中に、二十一世紀をリードする新たな
産業フロンティアを創出するための部門として、一つは、IT、情報の分野、それから、これは二十一世紀には大変大きな規模になると言われておりますバイオテクノロジーの分野、さらには、これからは環境・エネルギーというのが非常に大きな分野を占めます。
日本は環境の技術というものは非常に大きな分野がありますし、これで世界に貢献をしていく。ですから、環境とエネルギーを一つくくりにして三本目の柱にさせていただき、四つ目は、これから
日本の特性が生かせるナノテクノロジー、そして材料、こういったことが第二骨太の中に入って、今国家的な一つ大きな、これから取りかかる
産業競争力の強化、こういうことにつながってやらせていただいています。
そして、
構造改革というのは、これは避けて通れない、やはりやらなければならないことであります。しかし、
構造改革だけやるということがなかなか車の両輪には相なりません。小沢党首のお話もさっきなされました。
私は、一昨年の
時点から、小泉さんの唱えている
構造改革は大きな方向として正しい、これをやらない限り
日本はデフレからも脱却できないし、そして
経済も安定軌道に乗せることはできない。しかし、同時に、必要最小限やるべきことはやるべきではないかということで、私は一昨年から補正予算の必要性というものも、閣内におりましたのですけれ
ども提唱をさせていただきました。
結果的には、一昨年、昨年と、小泉総理も、小泉流の言い方で、柔軟かつ大胆に対応する、こういう中で補正予算の編成もできましたし、また、三十兆の枠にもこだわらない、こういう形が出てまいりました。
そういう形で、私は二年八カ月を振り返って、本当にいろいろやらせていただき、皆様方の御協力をいただいたのですけれ
ども、しかし、マクロ的に、
日本の
経済がやはり過剰の
債務の問題、そして過剰のいわゆる供給
構造、こういうものの中で呻吟をしておりまして、ですから、ここから一日も早く脱却する、こういうことが必要だと思っておりまして、今回お願いしておりますいわゆる
改正産業再生法も、こういったところを盛り込んでお願いをさせていただいているわけでございます。
本当に二年八カ月、私なりには全力を尽くしてまいりましたけれ
ども、まだまだ至らない、このように思っておりまして、さらに私
ども、
経済産業を預かる
経済産業省として、全省を挙げて全力で頑張っていかなければいけない、このように思っております。