○中山(義)
委員 金融再生プランとこれは表裏一体みたいな形になっていますね、どうも。私
どもが先ほどから聞いているのは、
金融再生プランで
銀行を厳しく査定して、そして不良債権を追い出すというようなふうに聞こえてしようがないんですね。
だから、本来であれば、今の時期に、この不況の時期に、デフレの時期にこんなに査定を厳しくするということは、逆に言えば、
企業者が、事業者が、あえて
倒産しなくてもいいようなものが市場から追い出される、こういう
状況をつくっている。だから、むしろ
金融再生プランをもっと穏やかに、不況
対策をしっかりやりながらやっていった方が、あとは民間同士で私的整理の方が私は正しいんじゃないかと思うんですが。
山の登り方を例えれば、例えば植草一秀さんみたく、滝くぐりの北壁を、氷の壁を登っているようなものだ。つまり、不良債権の回収であるとか、デフレの
状況であるとか、いろいろな厳しい
状況をつくっている。むしろ、南の壁の高原ルートを、不況
対策をやりながらゆっくり行った方がいいんじゃないかという説も出ているわけですよ。皆さんのところの政党の中からも五十兆円の公共事業であるとか何であるとかいろいろな話が出ていますよ。これは、やはり南風の吹く、春風の吹く高原ルートを行った方がいいんじゃないか、何でこんな厳しい北壁ルートを行くんだと。
つまり、
金融再生プランで
銀行をがりがりがりがりいじめておいて、不良債権を出して、そこを一回国が受けとめてそれを売却していくというようなものは非常に危険だし、むだな
一つの大きな事業をしょい込んだと。先ほどから河野太郎君の話でもありますが、その機構が本当に機能するのかということ自身がすごく心配なわけですよ。
この間、田作さんが言っていたのは、買い取ったいわゆる大きな債権を売りやすくするというような形、
一つはまた、いろいろな
意味で買い取った機構の複雑さを単純にして陳列棚に並べてファイナンスに買ってもらうというような、そういうことを言っていましたけれ
ども、果たしてそんなことは可能かなと私は思うわけでございまして、むしろ、その前の不況
対策等がすごく大事だと思うんですね。
もともと、私もずっと年間
予算を見ていますと、大体一九九〇年ぐらいは八十九兆円ぐらいの年間
予算だったんですね。それがだんだんだんだん下がってきて、二〇〇一年には八十五兆円ぐらいですかね。それで二〇〇二年に八十一兆円、こう下がってくるわけですよ。そうすると、やはり
経済が縮小均衡に向かっていることは間違いないわけですね。しかも、清算とか回収とか、不良債権の特に回収の加速なんというのは、まさに緊縮財政を進んでいるんじゃないか。これは、やはり今までやってきた自民党の政治に対してアンチテーゼとして
小泉さんが三十兆円の枠を決めてみたり、緊縮財政をやっていくんだと。
きのうのテレビでずっと何回も
小泉さん出てきましたけれ
ども、一切
政策転換はしないと言っているんですよ。しかし、私は、不良債権の回収とかこういう問題については、同時に不況
対策をやっていかなきゃ不可能だと思うんですよね。どんどんどんどん縮小均衡に向かっている、これしか
考えられないんですが、今度の再生機構というところは、そういう面では再生して拡大均衡というか、そういうことは全然
考えていなくて、これはあくまでも清算する、そういう機構なのか、その辺、どうなんですか。