○中川(智)
委員 社会民主党・市民連合の中川智子です。
まず、アメリカの国連決議なしでのイラク攻撃、これに対して小泉総理がアメリカを支持すると言ったことに対して、強く抗議をしたいと思います。それに、最大の公共事業であり、最大の
環境破壊である戦争を絶対にさせてはいけないという思いを
鈴木大臣に届けまして、閣僚の一員であります
大臣には、平和のためのお力をしっかりと発揮していただきたいと切に冒頭
お願い申し上げます。
きょうのこの
公健法の改正の
質問ですが、
大臣は先ほど、
患者の
皆さんのところに昨年十二月いらして、
お話を伺いましたということをおっしゃいました。
私も、この間、何人もの方の
お話も伺い、これはどれほど苦しい病気であるか。そして、未
認定で医療費が一切受けられない、自分で負担しなければいけない中で、病気の苦しさとそして生活の苦しさ、これが二重の苦しみとなって
患者の
皆さんを追い詰めている状況というのは、やはりその方の声でないとなかなか私は伝わらないと思いましたので、たくさんお寄せいただいたこの文章から何人かの方の生の声を届けて、まず、
大臣のこれに対する思い、感想を伺いたいと思います。
私は墨田区で育ちました。私の住んでいた家は、近くを明治通りと堤通りが通っていました。
ぜんそくの発作は、ひどいときは毎日起こります。発作が起きると、呼吸が苦しくなり、心臓がどきどきして、体がへとへとになります。そのため、食欲もなくなり、気力も衰えます。薬の副作用で胃が荒れ、そして、その結果、体力が低下して、ぐあいが悪くなります。胃腸や肝臓の調子も悪くなりました。
ぜんそくのせいで体じゅうがむしばまれていく感じがします。
夜、就寝中にも、いつ発作が起きるかわからず、朝、目が覚めると、ああ、まだ生きているなとほっとします。この病気は、ふだん、何でもないから、ほかの人からはなかなか
理解してもらえません。
これは四十六歳の男性です。
六十二歳の女性です。
私は、
平成六年、五十四歳のとき、気管支
ぜんそくと診断されました。住んでいるところは北区の豊島五丁目団地です。ベランダからは、荒川を挟んで首都高速がすぐ近くに見えます。その騒音や排ガスにずっと悩まされてきて、今ではもっと近くに中央環状線がつくられてしまいました。
ここ数年は、入院した方がよいと何度も言われても、お金がかかるので断ってきました。入院しなくとも、点滴、吸入、飲み薬で、医療費は年に二十万円くらいかかります。ことしになって、とうとう二週間近く入院しました。酸素吸入と点滴を一週間やりっ放し、ベッドも立てたままの状態でした。
平成六年から今までの医療費の合計は約三百万円くらいになります。それでも、私が通っている病院は、差額ベッド代は払わなくてもよいから助かっています。同じ
ぜんそく患者なのに、同じ治療をしているのに、どうして未
認定患者は医療費が無料にならないのでしょうか。このままでは治療を続けることができません。
あとお二方ほど
紹介します。
次は女性の方ですが、やはり
ぜんそく患者の方は夜間が多いんですね、発作は夜出る。
夜間診療は、日中の診療よりも二倍の費用がかかります。入院が十日以上になると七万円以上はかかります。入院すれば、給料の半分がなくなり生活ができなくなります。職場では、何回も休まれるとやめてもらうことになると言われ続けています。必要な治療さえ安心して受けることができない未
認定患者の苦しみをわかってください。
という訴えです。
最後は、この人は女性ですが、夫や子供が未
認定患者ということなんです。
私の夫は第四次の原告です。結婚して以来ずっと江東区の葛西橋通りの沿道に住んでいます。そのときから、葛西橋通りにはたくさんの車が走っていて、あたりには排気ガスのにおいが立ち込めていました。
夫は、魚河岸で仲買の仕事をしていましたが、結婚してしばらくすると、胸が「ゼイゼイ」、「ヒューヒュー」というようになり、そのうち夜中に息ができなくなって苦しむようになりました。夫は、気管支
ぜんそくになってしまったのです。
ぜんそくの発作は、夜中から明け方に起きるので、朝の早い魚河岸の仕事は勤まりません。さらに、夫の
ぜんそくはだんだんひどくなって入退院を繰り返すようになってしまったため、職を転々とせざるを得なくなりました。給料は発症前とは比較にならないほど下がり、治療費はかさむ一方で、私たち家族の生活は経済的にもどん底になりました。
それだけでなく、当時保育園に通っていた二人の子供も、ほぼ同時に
ぜんそくに発症し、さらには同居していたしゅうとめまで
ぜんそくになってしまいました。
そして、この方は、長女の子供まで
ぜんそくになった。
やはり、すごく訴えられるのは、八八年以降、新しい
認定がされない中で、未
認定の方々が本当に病気とそして生活苦で苦しんでいらっしゃる。いろいろ
お話を伺うと、やはり、
ぜんそくの治療というのも初期の治療が大事、入院してしっかりした治療を受けなさい、だからそのとき入院したい、でも、入院したら生活ができないということです。そして、
ぜんそくに根治療法というのがないわけなんですね。一たんかかってしまうと、本当に根治療法がない。今回も、九六年の第一次提訴から現在までで、亡くなっている方は五十七人にも上っています。
やはり、死の恐怖と常に闘っているわけですが、今私が
紹介いたしましたこの
方たちの病気との闘い、そして生活苦、これに対して、人間として、
大臣、どのようにお感じになられますでしょうか。
〔
委員長退席、
近藤(昭)
委員長代理着席〕