○東(順)
委員 私もそのとおりだと思うんですよという
大臣の
思いというものがにじみ出て、しかし、そこは総合的に判断しなきゃいけないという
言葉の中に、
財務当局との
関係みたいなところが当然あるんでしょうね。
しかし、ドメスティックな
視点だけで
在外公館なんというのを見ていると、これはますますおくれをとりますよ。そういう
意味で、
外務当局は
思いは十二分におありかと
思いますので、私も全く
思いを共有するので、ここは本当に積極的にこういう
発言、声を大きくしていかないと、私は、二十一世紀という
時代は、
日本はますます取り残されていくということになろうかと
思います。
こういう
重慶ということに対する私のこだわり、もう
一つ実はこだわりがございます。それは、
発展する
工業都市はいいんですけれども、そこから惹起しているところの
大気汚染、
公害という大変大きな問題がここにはございます。
私も、
重慶に行ったときに、もう飛行場におりたら途端に大変な
においがする。どうしてこれなんだ。
しかし、これはまた懐かしい
においだったんです。なぜかというと、私は
北九州工業地帯で生まれ育ちました。「この天の虹」というような映画ができるぐらいに、
八幡製鉄所を中心に大変に
高度成長の
時代を担った
一大工業都市です。
だけれども、何でも光と影があるように、影の部分は大変でした。
公害病というものに悩んで、
仕事もろくにできずに、ずっといわゆる
補助金をもらいながら
生活を細々としていく人をたくさん私は知っています。随分おられました。あるいは、
公害によって小学校が
一つぽっくりとよそに移転をしなければならないというような悲惨な
状況も私はこの目で見てきております。
四日市というようなところも大変でした。しかし、
重慶に行ってみて、やはり規模がはるかに
日本とまた違うんですね。あの
四日市公害なんかの三、四倍の
公害だというんだから
びっくり仰天です。これは、工場から吐き出されるばい煙だとか、あるいはまだまだ
民生面で石炭を主に使っているものですから、そこから出てくるものとかが掛け合わされて大変な
状況です。
先ほど申し上げたように、
在外公館というのは、
日本が本丸とすれば
出城なわけですから、しかも、こういう
要衝の地で働く
人たちの働き、
仕事ぶりというのは、やはり
日本の
外交に直結する非常に大きな比重というものを持つわけです。
そういうことから考えますと、そういう大変な
公害に悩まされて、私も行ってみて、
医療費が随分かかっている、のどなんかは本当に荒れている、そういう中で必死になって悪戦苦闘している。何でこういう
人たちの体、健康あるいは悪い
住環境に対する配慮というのをもっとしないんだろうかな。確かに、法律でいろいろな
決めごとがございます。だけれども、その中からもっとフレキシブルに、
柔軟性を持って、その
地域の
状況、実情というものに合わせたきめ細かなことができないのかな。
具体的に言えば、例えば、同じ
中国でも、
北京なんかで働いている
人たちよりも
医療費がかかるわけですよ、実際そういう厳しい
住環境なんですから。しかし、その
手当が
北京と一緒というんでしょう。それはなぜかというと、
北京大使館の
出張所だからということだけですね。これはいかに何でもというふうに私は率直に
思いました。
現地の
大使館で
勤務する
人たちの悲痛な訴えも私はこの耳で聞いてまいりまして、これは何とかしなきゃいけないんじゃないか、もっとそこは
柔軟性を持たなきゃいけないんじゃないか、こう
思いました。この辺に関しては、
大臣、いかがでしょうか。