○藤島
委員 自由党の藤島正之でございます。
きょうは、安倍官房副
長官にお忙しいところをおいでいただきましたので、
最初にまず安倍副
長官にお伺いしたいと思います。
PKOの武器
使用の件でございますけれ
ども、
国連の組織に入って自衛隊が行動する場合は憲法の言う武力行使と次元が違うというふうに私は
考えております。自由党がかねてからそのことは言っておるわけでございます。かつて、ある
総理は安全なところだから自衛隊を出すと言ったようなこともあるようですけれ
ども、そもそもそういう
考えは本来おかしいわけでありまして、ある程度危険がある、伴うということは当然でございまして、その際に武器の
使用という問題が必ず出てくるわけでございます。
これは、かつて十何年前でございますけれ
ども、現在のPKO
関係の法律ができるときいろいろな
議論があったわけでございまして、当時の
内閣法制局の方は整理したわけです。
「一般に、憲法第九条第一項の「武力の行使」とは、
我が国の物的・人的組織体による国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為をいい、」と。ところで、「憲法第九条第一項の「武力の行使」は、「武器の
使用」を含む実力の行使に係る概念であるが、「武器の
使用」が、すべて同項の
禁止する「武力の行使」に当たるとはいえない。」として、そこに幅を持たせておるわけであります。
その中から、
最初は、実は、自然権的権利としての武器
使用が認められるということで、最小限の武器
使用が認められたわけですが、前回の
改正で、PKO法第二十四条でございますけれ
ども、「前条第一項の規定により小型武器の貸与を受け、派遣先国において国際平和協力
業務に従事する隊員は、」ここでございますが、「自己又は自己と共に現場に所在する他の隊員」の「生命又は身体を防衛するためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で、当該小型武器を
使用することができる。」ということで、若干進歩したわけでございます。所在が一緒であれば、そこにある範囲の者は助けられるということに進歩したわけであります。
ここが今度問題なのは、
国連の方は、実はSOPというものを定めるわけでありますけれ
ども、これは
国連軍の派遣司令官が定めるわけでありますが、それには型がありまして、要するに二つある。これは標準行動規範と
日本では呼ばれているわけですけれ
ども、
一つは、自己を守るという点は問題ないわけですけれ
ども、
国連平和
維持隊としての任務が実力により阻止されるのに抵抗する場合に武器の
使用が許される。
ここが実は問題でございますが、現在、自衛隊はゴラン高原などに派遣されているわけでありますけれ
ども、この訓練なんかをやる場合に、要するに自己の所在の場所にいるという範囲だけを助けるのと、部隊全体に攻撃があった場合、共同してやれるかというと、後者の場合は現在の規定ではなかなか難しいわけですね。そんなことで、実は、外国のよその部隊と一緒に対抗してやろうというのにやれないものですから、訓練もそこまで踏み込めないといったような実は不都合があるということなんです。
先ほど私が読み上げました
内閣法制局の見解であっても、現在のものが憲法解釈上目いっぱいであるというふうには言っていないわけですね。我々は、もともと、憲法九条との
関係で問題は生じないと言っておるわけですけれ
ども、これまでの政府の
考え方では、どうしてもそこに抵抗がある。しかし、それであっても、すき間がまだあいておるということでありまして、何かここは工夫がないのかということでございます。
今般、民主、公明、自由、三党の幹事長が、PKO武器
使用は国際基準並みに緩和すべきである、こう言っておるわけであります。先月の二十一日でありますが、民主党の岡田さんは、PKOに参加した自衛隊の武器
使用基準について、国権の発動たる戦争とは違う、余りに厳しく
考えるのではなく、国際的な基準で
考えていくべきだと述べておりますし、与党である公明党の冬柴さんは、海外に出て自衛隊員が安心して身を守れる法制でないといけない、こう
指摘しております。また、自由党の藤井幹事長も、国際的な基準、つまり任務遂行のために必要なことであるべきだ、こういうふうに言っておりまして、国際基準並みにする機は熟してきているのではないかと思うわけであります。
先般、官房
長官も同様のことを言っておるようでありますが、安倍副
長官は、二十三日、都内で講演して、PKOに派遣された自衛隊員の武器
使用基準緩和について、一緒に行動するほかの国々にとっても甚だ迷惑な話になると。これは私が先ほど申し上げたようなことがあるからでありますが、こういう
議論を避けて通るわけにいかない
段階に来ていると述べ、基準緩和の必要性を訴えたと。
これは非常に歓迎すべきことであると私は
考えておるわけですが、この点について、副
長官のお
考えを再度確認させていただきたいと思います。