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金子(哲)
委員 社会民主党・市民連合の
金子です。
まず、私は
最初に、原口
委員も
指摘された劣化ウラン弾の問題について、少しだけ
指摘をしておきたいと思います。
この問題は、先般、徳島の病院のお医者さんが現地へ医療の現状視察ということで出かけられまして、この二十七日に帰国をされて、二十八日だったと思いますけれども記者会見をされて、その記事が掲載をされておりますし、私の手元にその報告が載っております。
専門家のお医者さんが行かれての
調査結果ですから、そのことについて、例えば小児がんのバスラの病院の
調査などが行われて、例えばバスラの病院では、一九九〇年と比較して二〇〇二年には小児悪性腫瘍者数が約八・四倍になっている、発症率も四・六倍になっているというような具体的な数字が出ております。出されております。
もちろん、その報告の中にも、これはフセイン体制の時代の数字であるから、ある程度再検討しなければならないということが言われておりますけれども、現実の数字としてそういうことが出ておりますし、例えば、バスラでは、先天奇形の発生率が一九九〇年には一千出産当たり三・〇四であったのに、二〇〇一年には二十二・一九まで増加している、七倍にも増加をしているという具体的な数字が出されております。
その中で、子供たちの
状況というのは大変な
状況にあるということでありますし、そのことが、川口
外務大臣が言われるように、WHOが
調査をした問題で必ずしもすべての因果関係が証明されているかどうかという問題は、検証しなきゃならない課題はたくさんあると思います。
しかし、今回、
イラクで現実に今そういう小児がんとか白血病とかそういうものが多発している現状の中で、それの
支援活動を通じて、救援
活動を通じて、そしてお医者さんを
派遣することによって実質的な救援、医療的な救援と同時に
調査を行うということは、実は私は、
日本の国は可能だというふうに思うんですよ。
それで、先ほど、WHOの
調査結果について、私も先回にも申し上げましたけれども、一九九九年に使用されて、二〇〇一年の
調査では、率直に言って、まだそれが発症事例として出る期間ではありません。低線量で被曝した場合、それから、この劣化ウラン弾のように胎内から吸収した場合には、細胞を侵すということで、出てくる小児病とか発がんの
状況というのは五年もしくは十年先ということですから、その
意味では、今
イラクへ行って、
イラクの現地の子供たちの治療のための援助をすると同時に実態を
調査するということは、極めて有効性があるし意義があるというふうに思うんですよ。
そういう
意味で、私どもは、劣化ウラン弾の被害の責任があるなしということをとりあえずおいたとしても、現実の
イラクに起きている、
イラクの中で起きている、バスラとかバグダッドとか、過去、湾岸戦争である程度劣化ウラン弾が使われただろうと想定されている
地域にそういうことが発症しているわけですから、そこにお医者を
派遣し、医薬品を送り治療することと同時に、そのことを通じてその
状況というものを
日本が
調査していく。そのときに、やはり広島、長崎の医療知識というものが非常に生きてくるということを申し上げているわけでして、人道支援の中の
一つの柱に、そういう劣化ウラン弾による被害であろうと思われる子供たちのそういう症状に対する救援というものを大きな柱にしてほしい。そして、そのことを通じて、できれば、先進的な知識を持つ
我が国が、この劣化ウラン弾との因果関係についても、その実例に基づいた
調査結果というものを出していただく。そういう
役割が求められているし、そういう働きをしてほしいということを私たちは言っているわけでありまして、その点について、
外務大臣、どうお考えでしょうか。