○末松
委員 民主党の末松義規でございます。
私の方は、六月の頭でしたか、実際に民主党の方で調査団として、参議院議員の若林秀樹議員、そして首藤信彦議員、衆議院議員ですね、とも
どもイラクに行ってまいりまして、それで、現地で感じたことな
ども含めてお話をさせていただきたいと思います。
まず、この調査団として簡単に私の感想を述べさせていただきますが、バグダッドに行きまして、現地は三日間ぐらいいましたけれ
ども、
アメリカの攻撃は非常にピンポイントで、非常に正確であったということで、東京の大空襲のような大変な被害ではなかったということ。それから、バグダッドなんかでは三日間の攻撃だけだったんですね。メジャーな
戦闘は起こらずに、なぜか
戦闘もなく、そのまま明け渡されたという感じ。
ですから、基本的なインフラというのは、米軍が軍事目標にしていた通信施設とかそういうところを除いては、あるいは要人の施設とかそういうところを除いては、それほど大きな被害というものはなかったように思いました。むしろ被害が多かったのは、同時に起こった略奪とか、それから強盗、放火、そういったことが被害を大きくしていた。例えば学校にしたって、いすも机もすべて持ち去られていて、あるいは電力施設に行ったら、窓もなければ、あるいはトイレに張っていたタイルなんかも全部引きはがされていた。
そういう
状況で、コンピューターはおろか、そういったかなり大きな被害があったというんですが、私、そう思いましたけれ
ども、さらに中期的に見て、本質的な
イラクの被害というのは、例えば
国連の経済制裁、十三年間やられてきた。これがかなりボディーブローできいていて、しかもサダム・
フセインという政権が、例えば巨大な
世界一のモスクを建造中であったり、あるいは大統領府を幾つも幾つもつくって、そういったところでやって、民生あるいは生活の基礎インフラのメンテナンスというものを軽んじてきたんじゃないか、こういうところが一番私は率直に感じたところであります。
ですから、そういったところ、
イラクというのは、緊急人道援助、食糧とかそういったものはWFPとかそういったところがかなり配給計画、きちんとしておりましたので、私自身もバグダッドに行って一キロ以上太ってきたというような、そんなぐらいにそこはあったんですね。ただし、実際にレストランとかいろいろなところも、私が十七、八年前にいた、
イラクの大使館に二年間いましたけれ
ども、それとそれほど大きく変わらなかったというところはつけ加えておかなきゃいけないと思います。
そういった調査団の報告をももとに、民主党の中で
議論した考え方として
イラク復興支援のあり方というものをまとめましたので、本当にかいつまんで、民主党がどういった
支援をしていこうとしているのかということについてもちょっと触れていきたいと思います。
総理が先ほど言われましたけれ
ども、別に私
ども民主党は、
国連決議に従って、私たち自身、
イラクの
復興ということについては大賛成であります。ただ、そのときの
決議の有効性、米軍の攻撃の妥当性、大義の問題とか、あるいは実際に今送ろうとしている
自衛隊、これについて大きな疑問があるということでございます。
復興自体については、私
どももきちんとそれは
復興をしていこうということであります。
簡単に述べますけれ
ども、大体六点にわたっております。
一点が、まず行政機構を整備しようということで、きちんと、今、
米英の占領
当局によって実際にやられています。行くと、本当に、GHQで、
イラクのこれから政体をこういうふうに変えようとしているのかというぐらいに、何か歴史的な場に遭遇したような感じがしました、この是非はともかくとして。これを、私
ども、
国連主導できちんとやっていくべきだ、そういう形で
米英の占領
当局にも働きかけるべきだということで、
国連特別代表室に
日本人のリエゾンオフィサーを置くとか、そういう、ある
意味では
国連のもっと地歩を強めていこうという
支援のやり方。
あと、治安なんですけれ
ども、いまだ強盗、略奪、発砲事件、本当に継続的に起こっていますので、この治安維持に対して
協力をしていくことは重要であろう。これは
復興するための本当に前提ですので、それに対して、例えば、私たちは、警察国家である
イラクの警察官を今度は民主的な警察に変えようよということで、交番システムとか民主的な警察の
概念、あるいはガイダンスなんかをできるような、そういった
協力もできるんじゃないかということを考えています。
また、先ほど
伊藤委員が言われましたけれ
ども、緊急雇用。
国民の六〇%が失業状態にある、これを何とか取り除いていかないといけない。特に、四十数万人いた
軍隊が
武器を持って消えたんですよ。これが一番治安の大きな問題にもなっているんですね。厄介な問題になっているわけですよ。それで、彼らは失業状態にあるわけですね。それは警察も秘密警察もあるいは諜報
機関も、みんなそうです。失業状態にあるわけですよ。だから、物取り、強盗が当然出てくるし、治安も物騒になる。そして、公務員も今失業しているわけですよ。だから、彼らの失業問題をいかに解決していくかが
イラク支援の大きなポイントにならなきゃいけない。こういうことで、民主党は、緊急雇用創出のためのジャパン・プランということで、失業中の
イラクの
国民を緊急に臨時雇用して、そういったいわばニューディール的な政策をやっていくべきじゃないかと考えています。
それから、緊急
人道支援ということで、特に女性、子供あるいは高齢者、こういった方々が一番今被害を受けておりますので、あるいは孤児とか、そういったところを、例えば相談所とか施設をつくって、緊急医療、緊急
人道支援センターとか母子寮なんかをつくっていこう、こういうふうなことをやっております。
また、生活基礎インフラの整備で、電力、上下水道、そして放送通信施設、こういうような復旧をきちんとやれるような形で
協力をしていこう。ただ、インフラについて、繰り返しになりますけれ
ども、別に
イラクはインフラがないわけじゃない。だから、それを復旧をきちんとすれば、もとどおり動く。それをやっていけばいい話であります。だから、全く最貧国でどうこうと、一からつくり始めるという話ではございません。そういったもの。
あと、六番目に
自衛隊ですね。これは、私たちの調査団を含めて感じましたことは、
自衛隊という軍事
組織でなければ絶対できないというような、そういった具体的なニーズ、これは例えば、実力部隊ですから、反乱の鎮圧、治安の維持、そこはありますよ、それで
武器を持って戦うというのは、それはそうでしょう。それ以外に何ができるんですかといったら、
自衛隊を用いてやっていくというニーズは見つからなかったというのが私たちの、少なくとも私の見解であります。
さて、ではちょっと
自衛隊の問題について入っていきますけれ
ども、まず、忘れてはならない基本的な事項についてなんですが、私が問題提起したいのは、
イラク戦争というのは終了したんですか。これについて、終了したのかしていないのか。私の結論を申し上げれば、まだ
戦争状態は続いていて、
イラク戦争は終了していないと見るのが妥当だと思いますが、いかがですか。