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内閣総理大臣(
小泉純一郎君) まず
冒頭、
鳩山代表が御
指摘されたように、
石井代議士が刺殺されたという悲惨な
事件、我々
政治家として常に似たような危険を背負っているわけでございますが、
暴力は断じて許されない、言論や
政治活動を
暴力で封殺するというようなことは断じてあってはならないということを申し上げたいと思います。強い憤りで私もいっぱいでございます。
石井代議士の御
冥福をお祈り申し上げますが、あの鋭い口調で、熱心に精力的に審議された姿が思い出されますが、それだけに一層残念でございます。
まずもって、
鳩山代表が九月の
代表選挙で激戦を勝ち抜かれて、再び
代表に選任されたことをお祝い申し上げたいと思います。
これから、
お互い政党の
党首として、今後の国政に
責任を担わなきゃならない立場だと思います。きょうの
臨時国会におきまして初めての
党首討論でございますが、そういう
意識のもとに、建設的な
議論を行っていきたいと思います。
私がなぜ
構造改革なくして
成長なしという
議論かというお尋ねだと思いますが、それは、長年にわたりまして、
財政、
金融両
政策、手を打ってこなかったかというと、違います。この十年間、
日本としてはできるだけの
財政出動、そして
金融緩和、
財政金融政策を目いっぱい、よそのクラブから見てもこれほどぎりぎりまで手を打ってきたことがないぐらい打っている。ところが、なかなか
景気回復しない。これこそまさに
財政政策、
幾ら借金をして
需要回復をいたそうと、つなげようとも、うまくいかない。
では
金融政策、戦後これ以上、公定歩合、ゼロ
金利、したこともないぐらい、そういう中において、私は、
構造というのは、やはり今までの成功してきた
制度等がこれからの時代に機能しなくなったんではないかということから、
構造に問題がある。
それは、
役所の
仕事にしても、かつては
民間を、先導的な役割を果たしてこようということで引っ張ってきた。それにつられて
民間も元気を
出して、今や
民間でも、
役所がやらなくても、官がやらなくてもできる
分野が相当出てきた。しかしながら、惰性といいますか、今や
民間でできることも
役所の方でやっている。そういう面から、官から民へ、
役所がやらなくてもいい
仕事はできるだけ
民間に移していこう。
同時に、役人がやる
仕事は公共的だ、
民間のやる
仕事は公共的でない、公共的な
仕事は
役所がやるんだ、公務員がやるんだというのは、ごく当然のことに
考えられていた。ところが、実際調べてみると、
民間、サラリーマンがやっていることだって、公共的な
仕事はたくさんあるわけです。
そういう点から、やはり官がやれば公共的、
民間がやれば非公共的、この概念、この
意識も取っ払おうじゃないか。むしろ、官は民の補完という
考え方と同時に、今までの、
民間も非公共的な
分野だけじゃなくて、公共的な
分野にも
民間人に参加してもらおうという、この
構造的な問題に手を入れようということがまずは
一つ。
それと同時に、余りにも国がちょっと地方の
仕事に口を
出し過ぎるんじゃないか、規制等あり過ぎるんじゃないか、そういう
規制改革。そういう
構造的な問題を掘り下げないと、幾ら
財政出動しても、
金利を緩和してもなかなかこれは
景気が回復しないということで、
構造改革なくして
成長なしという点を申し上げたわけでございます。