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大門実紀史君 ブッシュのパパの方の感想を聞いているわけじゃないんですよ。何のために訪問されたか。おっしゃるとおりです。表向きは親善でございますね。
ただ、私調べてみました。実は、このブッシュ元大統領、お父さんの方、ブッシュ・パパの方ですけれども、米国の投資ファンド、カーライルのアジア支社、カーライル・アジアの今シニアアドバイザーですね。顧問やっていらっしゃるんです。このときもカーライルのメンバー数人と一緒に来日をされておりまして、
総理おっしゃったとおり、いろんな日程を縫いながらですけれども、日本
政策投資銀行の小村総裁と会談をされています。私は、そのとき何が話し合われたかは知りません。
政策投資銀行は、会談したのは事実だということを言っていましたけれども、その三か月後に、
政策投資銀行は十月の一日にこのカーライル・ジャパンに四十億円の出資をしているんですね。何のことはないんです。半分ビジネスのためにブッシュ・パパの方は来ているわけですよ。
私、この日本
政策投資銀行の投資ファンドへの出資問題、これは
税金を使っている話ですから、改めて取り上げたいと思いますが、ここで私が申し上げたいのは、要するにこのパパとジュニアが、元大統領と現大統領が投資ファンドの売り込みをやっていると。アメリカの投資ファンド、投資銀行がどれだけ大きな政治力を持っているか、このことであります。
余り日本では御存じないでしょうから、その外資が日本で何を
考えているか御紹介したいと思いますけれども、日経
新聞がニューヨークでこの外資のトップにインタビューをしております。
マイケル・ニール、GEキャピタルの社長でありますけれども、
経済が難しい
状況にあるからこそ日本は外資にチャンスだとも言えるんだ、提携とか買収とか、こういうものは
経済が好調のときには余り出てこないんだと。このGEキャピタルでいきますと、この数年で日本に三百億ドル、三兆七千五百億ぐらいになると思いますが、日本に投資をした、更に今後二年間でこの倍の投資をしたいということを言っております。
また、ティモシー・コリンズ、これは御存じの長銀を買収したリップルウッドのCEO、最高経営責任者ですけれども、これは、日経の記者に、日本で更に大手銀行を買う意思があるかというふうに聞かれて、もちろんある、日本の金融当局も外資のノウハウを見れば我々を使いたいと思うだろうというふうなことを述べているんです。
これは、大変な力を持ったところが日本をターゲットにずっとこの間
考えているということであります。
私も、直接有名な外資の、お名前出せませんけれども、あるアナリストに話を聞きました。要するに、米国系の外資、投資銀行というのは、韓国の
不良債権処理で仕事が一段落した、一息ついた、あとはやっぱり日本で本格的に仕事がしたいと。この外資ファンドのねらいというのは約三十兆円と言われる日本の
不良債権マーケット。これは世界最大の
不良債権市場であります。そこで破綻した企業の売買や再生ビジネスをやらせてほしいと。そのためには、今までのやり方じゃ駄目なんだ、銀行がオフバランスするだけでは駄目なんだと。もっと銀行を追い込んで
不良債権を吐き出させる、仮に追い込み過ぎてその銀行まで破綻したら、その銀行も、韓国でやったように、ほかの国でやったように、アメリカの投資銀行が受皿となる、営業譲渡を受ける、株式譲渡を受けて買い取る、こういうことを
考えているんだと。こんな話は日本の外資の間では当たり前の話で、知らないのは日本の
国民だけだということをおっしゃっておりました。
ずっとこれはつながるんです、この話というのは。つまり、今度の加速策もそうでありますけれども、銀行検査で資産査定を厳しくしたり、自己資本も税
効果会計認めないとかいって追い込んでいくと。たまらず銀行は
不良債権吐き出しますよ。中には、それができずに、やり切れずに自己資本不足で破綻するところも出るかも分かりません。そこに公的資金を入れて一遍公的管理にして、その後、公的管理になった銀行がまた元の
民間銀行に戻るわけありませんから、どこかが受皿になるんじゃないですか。こういう案が今出されているわけです。
このことが米国の
政府高官の口から公然と出るのは、先ほど申し上げました、あなたが九月十二日、日米首脳会談で
不良債権処理加速をするということを公言された以降であります。
もう時間の関係で細かくは申し上げません。とにかく、九月の十二日、日米首脳会談が行われて、その後、特にハバードCEA
委員長を
中心に、更に厳しい検査が必要、その後、公的資金の注入も必要、破綻寸前の金融機関を整理することを選択肢とすべき、資産査定のディスカウント・キャッシュ・フロー、これだけ一言申し上げておきますけれども、このDCF方式というのは、企業を長期的に融資をやって支えていくということではありません。今幾らで売れるかと、この企業は幾らで売れるかという資産査定がこのDCF方式であります。こういうことをハバードCEA
委員長が言っている。十月の十三日には、公的資金の注入は生き残れる銀行に限って行うべきである、先ほど私が申し上げたスキームです。二十二日には、テイラー
財務次官が同様に、ファンドのこと、ファンドに企業再生をやらせてもらいたいというふうなことをおっしゃっているわけです。こういうふうな流れが、あなたがブッシュさんと会談をされた九月の十二日以降出てきて、それでまとまったのが今回のこの
不良債権処理加速策というものであります。
先ほど申し上げました、アメリカがこの間言ってきた注文と十月三十日に出されました金融再生プログラム、両方並べてみました。テレビですから余り専門的なことを申し上げませんが、要するにアメリカが発言してきたことが今回の加速策に全部入っている、基本的にほとんどそのスキームになっているということであります。全くうり二つだというふうに私思うわけですけれども、私は、こんなものは日本人が作った、日本人がまとめた案じゃないと思いますが、いかがですか。