○林
芳正君
自民党の林
芳正でございます。
先輩の松谷先生から関連のお時間をいただきましたので、先ほど予告をいただきましたけれ
ども、
経済問題に絞ってお聞きをしたいと思います。
先ほどの本
会議で我が幹事長青木先生から
総理にちょっと厳しく聞こえるような御質問もありましたが、後々いろいろと聞いてみますと、仲がいいからけんかをするんだということでありましたので、私も
竹中大臣とは長いお付き合いでありますから多少厳しいことを申し上げるかもしれませんが、そういう趣旨であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
最近、市場の関係者が面白いことを言っておりまして、
竹中さんが
金融担当大臣を兼ねることになったときにいわゆる
竹中ショックというのがあって、それは大部分は過大な報道による誤解もあるんではないかと思いますが、イメージというものが今の
時代に非常に大事で、市場があのときに何をかぎ取ったかという中の
一つに清算主義ということを掲げる人がいます。清算というのは、清く、算数の算で、全部破産して清算してしまう、リキデーショニズムということでございますが。
これは実は、フーバー大統領というのがアメリカにおられまして、このときの実は
経済政策を決定していたのがアンドリュー・メロンという
財務長官がおられまして、
大臣よく御存じだと思いますけれ
ども、その人の
経済政策は、雇用を清算し、株式を清算し、農民を清算し、不動産を清算せよ、ともかく
経済から腐敗を一掃せよというようなものであったというふうに受け取られたと。それがその後どういうふうになったかというのはもう
大臣よく御存じのとおりでありまして、その後、ニューディールということにつながっていくわけでございます。
そこで私は、長いお付き合いの中で
竹中大臣は決して清算主義者ではない、その一端は、後で時間があればお聞きをしますが、日銀の方にインフレターゲットのようなことも御提案をなさっている、マクロの方にもきちっと目配りをされておるわけですが、若干あのチームのスタートのときにそういう清算主義の部分が色濃く出たためにどうもマーケットがそういう反応をしたんではないかと、こういうことが言われております。そういう意味で、今回、
不良債権の
処理だけではなくて
経済の再生という部分をトータルで出していただく、先ほど松谷先生からも御指摘があったことですが、そのことが非常に大事なんではないかというふうに基本的に思っておるわけでございます。
そういう意味で、この一週間の報道を見て、いろんな
専門家でないような方がおっしゃっているのは、
竹中大臣にもうちょっとうまくやってもらいたいけれ
ども、銀行の方も何にもできない、何にもしないというのもいかがなものかなというのが、正直な見ていらっしゃる方の感想ではないかと、こういうふうに思いますので、トータルで是非いろんなことを出していただきたいと。
せっかく
伊藤副
大臣という、もう
経済産業部会長をおやりになった再生のプロが今、
竹中大臣を支えていらっしゃるわけですから、是非相まって、トータルのパッケージを出していただきたいと思います。
その上でお聞きをしてまいりますけれ
ども、まずは、一番話題になっております公的資金の注入ということでございますが、預金保険法百二条によりますと、我が国又は当該
金融機関が業務を行っている地域、国全体か地域、両方であるわけですけれ
ども、その信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあると認めるときは、
総理が
議長をやられる
金融危機対応会議の議を経て資本注入を行うということで、今はこれしかないわけでございます。
この三月までは御存じのように健全化法というのがございましたから、個別銀行の健全化ということでお金を入れることができたということでございますので、今の法律ですと、やはりシステミックリスクというものを認定をしないと入れられない仕組みになっておりますから、個別の銀行で起こったことがやはり全体のシステミックリスクだということに法解釈上なってしまって、それが逆に市場にインパクトを与えてしまうというおそれが私はあると思いますので、ここは非常に慎重に、できれば、党の実は
対策委員会のペーパーにも入っておりますけれ
ども、やはり健全化法を復活させるというか、法的に必要な措置は取っていただいてから個別のことはやっていただくという方がベターなのではないかと思いますが、この点で
大臣の御解釈をお聞きしたいと思います。