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政府参考人(
矢野重典君) 私の
説明が不十分で誠に申し訳ございません。
まず、定額化と交付金化でございますが、これは定額化と交付金化というのは全く別のものでございます。分権会議が言っております定額化、交付金化というのは、定額化をしてそれを交付金化する、そういうセットのものとして提言をされているわけでございます。
具体的なイメージといたしましては、これはそういう報告の中に出ておりませんけれども、
議論の過程の中で、例えば客観的な指標ということで児童生徒数といったような、そういう客観的な指標を
ベースにしながら一定の単価を掛けてそれを定額として、それを国庫
負担金ではなくて交付金という形でやるということについて検討してほしいというのが分権会議の提言であるわけでございます。そういう
意味で、この場合の問題は、定額化ということではなく、定額の中身ではなくて、そうした一定の指標を定額化して交付金化という提言が実質的な
意味があるわけでございます。
その交付金化ということにつきましては、これは国庫
負担金と違いまして、国庫
負担金のような地方
負担の裏打ちがないわけでございます、交付金というのは。三兆円なら三兆円を交付してそれでおしまいというわけでございます。国庫
負担金の場合は、六兆円を都道府県が
負担します、その六兆円についてその二分の一を、三兆円
負担するというのが国庫
負担金の制度であるわけでございますが、この交付金というのは、仮に三兆円といたしましても、地方の裏打ちがない三兆円という形の交付金になるわけでございます。
そういう
意味で、私どもとしては、全額交付金というのは義務
教育水準の維持向上を図るという
意味での国庫
負担金が持っている機能、そういう機能を大きく損なうことになるという
意味で交付金化という
ところについては適当ではない、妥当ではないということを主張しているわけでございます。それが
一つでございます。
それからもう
一つ、私どもが検討しております定額化というのは、児童生徒数といったようなものを指標にして一定の単価を掛けるというようなものではなくて、先ほど来申し上げておりますように、義務
教育水準を確保するために必要な経費であって、具体的には人数は標準法できちんとあるでしょう、それを確保しますよと、そしてそれに見合う給与費というのを確保いたしますよと、それを
一つの定額として
負担するという
考え方でございますから、そういう
意味でのあれでございます。そういう
意味で、基本的には今の国庫
負担金の水準は維持しなきゃならないと思っております。
ただ、この際ちょっと申し上げておきますけれども、私ども、平成十六
年度から教員の給与につきましては、国立
学校が独立法人化することに伴いまして、教員の給与が国立
学校の教員を
ベースにするというそういう根拠がなくなるものでございますから、十六
年度からは、教員の給与については地方
公共団体に給与水準の決定をお任せすることになるわけでございます。そういう
意味で、今回の定額化も、今までは国の準拠でございましたが、これからは地方
公共団体が独自に給与水準を決めることになります。
したがって、勢い今までのような実額というのはなかなか取りづらくなるわけでございます。一定のやっぱり水準を
ベースにしながら国庫
負担の基準を決めるということになるわけでございまして、そういう
意味での今とは若干事情は変わってくるという背景はございますが、基本的な
考え方としては、先ほど来繰り返し申し上げておりますように、これは義務
教育水準の確保に必要な経費を
負担するんだという
考え方である以上、基本的には今の水準を維持するということになろうかと思っております。