○紙智子君
需要の
変化とか食生活の
変化ということを挙げられたわけですけれども、私はやっぱり、本当に今まで一生懸命作物作ってこられた皆さんの中でも、話を聞きますと、かつて例えば米が過剰になるということは過去もあったと。やっぱり天気が良くなれば豊作になるわけで、これはたくさん取れるということがある。逆に天気が悪くて取れないということもあると。こういう凸凹があったけれども、そのときでいろいろな調整もあったりしたけれども、しかし今までと違うのは
価格がずっと下がり続けてきていることだと、もう歯止めないと、こういうことは今までなかったということを何十年とやってきた方が言うんですね。それはいつからかというと、やっぱりこの自由化の路線に進んで、輸入米が入ってきて、値幅制限も外されると、それが行われてからだということをおっしゃいます。
私は、やっぱり問題にしたいのは、この一、二年とか近い話ではなくて、今から十年前に農水省が新しい
食料・
農業・農村
政策の方向、新
政策というのを出されて、そしてガット・ウルグアイ・ラウンドの
農業合意の前提に
市場原理の導入と、そして十年後はどういうふうにしていくのかという目標を定めてやってきたと思うんですよ。大体どのぐらいの規模の農家は何万戸にするのかということも含めてやってきたと思うんですよ。
十年たった現在、どうなっているかというのを見ますと、
食料自給率でいえば、四六%あったのが今四〇%を割る事態です。それから、農地の面積は全部で減って、三十七万ヘクタール減っていると。これは四国全部とそれから中国の山口県を除いた、それに匹敵するだけの農地が結局減っているわけですね。それから農家は、これもまた減りまして、六十二万人減ってきたと。稲作経営の所得は、十アール
当たりの所得にすると、当時は八万円だったのが二〇〇〇年代で四万円台に半減したと。経営
拡大しても所得は伸びないということが最近のことではなってきているわけですし、米の
価格は、
自主流通米で当時六十キロ
当たりで二万円以上していたわけですけれども、これが今一万四千円台ですよね。
ですから、認定農家というのも作ってきたわけですけれども、四割の認定農家が目標を
達成できなかったと。こういう事態を作ってきたということでいえば、この
政策自体がどうだったのかなということで当然真剣な検討が求められるし、そこに立って、じゃ、これからどういうことが必要なんだと出されなきゃいけないと。それがここには全然ないわけですよ。私は、非常にこのことは欠落しているというふうに指摘をしておかなければいけないと思うんです。
もう
一つ続けますけれども、我が党は、そういう意味ではこの間、米
生産の再生にとっては
価格支持というのは不可欠だという立場でずっとやってきました。それで、
政府がWTO協定でAMS、この
農業保護の相当額、この削減の方針を盾に、必要以上に早く
価格支持廃止をやってきたということを指摘してきました。現行の協定上でも、実行可能な
施策はすべて実施して
国内農業を守るべきだと。特に米についてはこの
価格保証をやるように強く求めてきたと思うんです。
現在、我が国のAMSは、二〇〇〇年度の約束
水準の一八・八%と、ほかの国はもっといっていますけれども。それにもかかわらず、
大臣は、それはやらないんだということをおっしゃっているわけです。
〔
理事田中直紀君
退席、
委員長着席〕
しかし、今度のWTOの新ラウンドに対する日本提案では、このAMSの基準値は、農政
改革の過程の連続性を
確保する観点から、ウルグアイ・ラウンドの合意時に決めた二〇〇〇年度の約束
水準、上限値とするというふうにしていますよね。自国のAMSについては、
主食の
価格支持を全廃して約束
水準よりも八割もカットしてしまう、一方では、加盟国に対してはその
水準なんだよと。これは私、非常にちぐはぐじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。