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峰崎直樹君 そこで、
ペイオフ問題のところとそれから株の購入のところから外れて、私、実はやっぱり最後のところは、小泉
総理大臣がいわゆる構造
改革なくして
経済成長なしというふうに言っていることが、どういうふうに本当に私たちの頭の中できれいに整理できるのかなというところに最後は帰着するんだろうというふうに思っておりまして、先ほど
竹中大臣が、
不良債権をきっちり
解決をすればそれが
経済のある
意味では発展を高めていくことになるんだよと、こういうことなんですとおっしゃられましたですね。
実は、小泉
総理のメールマガジンというんですか、メールマガジンじゃないですね、これはホームページですか、小泉
内閣の構造
改革の中身というのが、この二〇〇二年一月二十五日に閣議決定された例の中期
展望の中身で、ちょっと事前にこの問題は余り資料というか質問を用意していなかったので、もしかすると突然なので答えにくいかもしれませんが、しかし
竹中大臣はもうこの点のベテランですから是非理解をしていただきたいんですが、その中で、こういうふうに書いてあるんですね。「
不良債権処理の
促進、規制
改革、
財政構造
改革などを中心とする構造
改革への取組みを継続することにより、その
効果は峠を越えるように加速的に現れ、今後二年程度の
集中調整期間の後は中期的に民間需要主導の着実な
経済成長が実現される。また、
財政や社会保障
制度を持続可能なものとしていくことができる。」と、こういうことをそこに書いてあるわけです。
そこで、どうして二年間
集中調整期間をした後に、
不良債権問題、それから、もちろん規制
改革と
財政構造
改革が書いてありますけれども、どうしてそれを過ぎれば、峠を越えるような加速的な
効果が現れるというふうにおっしゃっている
意味は、第一番目に、この
不良債権の処理を
促進すれば、恐らくそれに伴って
銀行が、ノンパフォーマンスといいますか、不稼働資本ですね、要するに
不良債権ですから、それを稼働資本、パフォーミングローンになれば、よりそれはてこの原理でどんどん貸出しは増えていくはずだと、要するに与信
機能が増えていくはずだと、それが実はこの
経済の拡大
再生産をもたらしていくんじゃないかと、こういう恐らく論理なんだろうと思いますが。
そこで、私はどうしても、今日お手元に資料をお渡しを申し上げましたけれども、この資料はいろんな人から出ていますので、例えば岩田規久男先生からももらったことがございますし、これはたまたまパリバ証券の河野龍太郎さんの勉強会のときにもらった資料なんです。
要するに、
企業部門は、
不良債権の処理をしないから
企業は本当に必要とされているところに貸出しが増えていかないのかというと、どうもそうではないんじゃないのかと。これをごらんになって分かりますように、営業キャッシュフローよりも設備投資がずっと下回っているというのが大体九四年ごろです。これは大体GDPの
デフレーターがマイナスになっていく、すなわち
デフレ傾向が顕著になるころからこういう動きが出てきているわけですね。これは全産業です。
それから、もう
一つ、二ページは、今度は
中小企業です、全産業の。製造業とか非製造業と分けておりません。ここでも実は
中小企業はお金に困って、いろいろ投資したいとか、いろいろやりたいんだけれどもお金がないんだというふうに言っているけれども、実はこれを見ても、九四年前後からキャッシュフローの中に設備投資が収まっちゃって、これは実は要するに
銀行に対して積極的にお金を借りて設備投資をして、そして自分のいわゆる利益プラス減価償却以上の
資金需要があると、こういうことになっていないんじゃないのかということなんですね。
そうすると、
一体これはどういうことが起きるかというと、
不良債権問題を処理しても、
企業は、じゃお金がないから、つまり
銀行が貸してくれないからいわゆる設備投資もできない、そして新しい設備を増やしていくこともできないのではなくて、もう今はそれぞれの
企業は、大
企業にせよ
中小企業にせよ、これは恐らく自分の借りている借金をいかにして払って、いわゆる
デフレの圧力をかわしている。これが一番大きな私は
要因になっているんではないかなというふうに思えてならないんです。
もちろん、
企業は
資金、これは設備投資
資金ですから、いわゆる運転
資金とかいろんな
資金需要というのも別にあるので、これだけで物も言えないと思いますし、また平均的な数字でございますから、中にはもう物すごい苦労しているところもある。設備投資したいのに貸してくれないとか、貸しはがしだとか、個別の事例はたくさんあるのはよく知っているんですが、マクロで見たときには、明らかに民間部門は
資金がいわゆる足りないんではなくて、
資金超過になって、いわゆる貯蓄超過部門になっていると。私はここが一番
一つは大きな問題ではないかなと思っているんですが。
この表をごらんになって、今私が
お話ししたことに伴って、本当にどう考えたらいいんでしょうかねということについて、
竹中大臣と、
日銀総裁も一生懸命マネーは恐らく提供されているんですよね。それが回らない回らないとおっしゃっているわけです。マネーサプライの
増加になっていかないわけですね。それには恐らく
銀行部門が問題があるんだろうというふうに思うわけでありますが、それはなぜこういう実態になっているのかなということについてお聞きしたいと思います。