○円より子君 おはようございます。民主党・新緑風会の円より子でございます。
ただいま我が国の
経済といいますのは緊急避難の
対策を要する未曾有の事態にあると思いますが、これは国民生活、
企業経営並びに国家の
財政運営が全面にわたって体質の
転換を要する一大正念場にあることの端的な表れでもあると思います。
政策のタイミングを失すれば、失業の増大、連鎖的倒産、景気の底割れは避け難く、消費の低迷、輸入停滞、また
資産デフレの悪循環が進行する中で、多くの
経営者が自信を失うほどの事態となっております。しかし、この厳しい現実とその持つ
意味を民、政ともに正しく直視し、正確な実態
認識の下に英知を集め努力を傾注するならば、この危機は必ずや管理し得るし、新しい
日本の未来にもつながるものと信じております。このために、政治はその責任にこたえ、速やかにかつ総合的に
対策を展開する必要があると思います。
実は、今私が申し上げました
言葉は十年前に、私、実は
日本新党から国会議員になった者でございますけれども、なったときに細川さんが総理になられまして、そしてその九三年の暮れに
金融危機が起きている。そして、公的資金注入が必要ではないかということでこの文章と、もちろんもっと、これは触りのところ、初めのところでございまして、その後、公的資金の投入も必要だということを官邸に持っていったときの文章でございます。
ところがそのとき、
財務省ではなく大蔵省でございましたが、
銀行局長は、全くそんな
金融危機は発生しておりません、だれがそんなオオカミ少年のようなことを言っているのかという、そういうお話であったわけです。私は何もそれは、だれが悪いとかそういうことを言っているわけではないんですが、当時の状況と今の状況と、まあいろんな
対策は打ってこられた、でも全く解決はしていないで同じだと。今私がこれを、これは実は十年前の文章ですと言わなくても今そのままの状態なんですね。
その細川政権ができます九三年の前の年、九二年の八月十一日に株が一万五千円を割りました。もう皆さんよく御存じだと思います。そのとき、軽井沢で静養していらした宮澤総理が、一日株式
市場を閉鎖した方がいいんだろうかと、そういうこともおっしゃったということを聞いておりますし、またそのときにも公的資金の投入のことが考えられたということを聞いております。
それから実に十年という歳月が流れ、本当に
銀行の
不良債権問題が片付いていないこと、もちろん、先ほどの話にもあったかと思いますが、かなり、九十兆もの
処理がなされてもまだまだ新規に発生しているという状況で、これが
金融問題として大きなガンになっているわけです。その上に
資産デフレが進行しておりまして、もうちまたは
失業者があふれ、年間自殺者は三万人を連続して超えるような状況でございます。
私たちは、憲法十三条でうたわれていることを何ももう一度再確認しなくても、政治家というのは人々の命と財産と幸福の追求権をしっかりと守る、それが責務だと思います。今からいろいろ必死で解決しようということも、とにかく
企業にもうけさせるとか、ただ
銀行を救うとかということではなくて、人々が安心して暮らしていけるようにすること、せっかく若い人たちが高校を出ても大学を出ても就職もできない、将来の設計も自分たちでできない、また、多くの中高年の男性たちが、会社の社員やまた倒産の後片付けをするために命を絶って生命保険でそれをあがなうというようなことのないように、私たちはしっかりと
対策を打っていかなければいけないときだと思います。
そうした状況の中で、今日、日銀総裁、
速水さんにもおいでいただいておりますが、まず日銀にお伺いしたいと思います。
皆様のお手元にお配りしたこの資料は日銀から昨日いただいたものでございますけれども、この上の表ですね、この表を見ますと、本当に日銀は必死で量的緩和等をなさり、マネタリーベースは、この上の薄い方の細い線ですが、急激に二〇〇一年度上昇しておりまして、ところがマネーサプライの方はもう九〇年代のころ上がったきりずっと下がり続けて、
幾らマネタリーベースが多くなっても資金の循環をしていないということがもう歴然とこの表に表れております。
予算
委員会や
財政金融委員会で
速水総裁、何度も、去年、その前辺りから御答弁の中で、もうじゃぶじゃぶという
言葉を使われて、
金融緩和はしているんだ、量は出しているんだとおっしゃっておりますが、また昨日
政策変更をなさり追加の
金融緩和をなさったと聞いておりますが、その内容と、また直近に、各国からは余り好評ではないけれども、本当に今の
日本のこの危機をお感じになって
政府に何とかしろという思いもあったからなんでしょうが、
銀行の
保有株を買い取るということもなさいました。
そうしたことや昨日の
委員会でお決めになった追加
金融緩和等、その内容と、そしてそれが本当に、今この表のマネタリーベースがこんなに多いのにマネーサプライは全く伸びていないというここの
部分、これの改善が図れるのかどうか、その見通し等をお聞かせいただきたいと思います。