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2002-11-13 第155回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第1号
公式Web版
理事補欠選任の件 ○国民生活・経済に関する調査 (会議録情報)
0
平成十四年十一月十三日(水曜日) 午後一時二分開会 ─────────────
委員氏名
会 長
勝木
健司
君 理 事
魚住
汎英
君 理 事
中島
啓雄
君 理 事
内藤
正光君 理 事
西山登紀子
君 理 事
島袋
宗康
君
加治屋義人
君
北岡
秀二
君 小
斉平敏文
君
山東
昭子
君
鈴木
政二
君
伊達
忠一
君
月原
茂皓
君
藤井
基之
君
松山
政司
君
山内
俊夫
君
池口
修次
君
神本美恵子
君 円
より子
君
和田ひろ子
君 松 あきら君
渡辺
孝男
君
畑野
君枝
君 森
ゆうこ
君
山本
正和
君 ─────────────
委員
の
異動
十月十八日
辞任
補欠選任
島袋
宗康
君
大江
康弘
君 十月二十一日
辞任
補欠選任
大江
康弘
君
島袋
宗康
君 十一月八日
辞任
補欠選任
神本美恵子
君
鈴木
寛君 十一月十一日
辞任
補欠選任
鈴木
寛君
神本美恵子
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。 会 長
勝木
健司
君 理 事
魚住
汎英
君
中島
啓雄
君
内藤
正光君 松 あきら君
西山登紀子
君 森
ゆうこ
君 委 員
加治屋義人
君 小
斉平敏文
君
山東
昭子
君
鈴木
政二
君
伊達
忠一
君
月原
茂皓
君
藤井
基之
君
松山
政司
君
山内
俊夫
君
池口
修次
君
神本美恵子
君 円
より子
君
和田ひろ子
君
渡辺
孝男
君
畑野
君枝
君
島袋
宗康
君
山本
正和
君
事務局側
第二
特別調査室
長 村松 帝君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
理事補欠選任
の件 ○
国民生活
・
経済
に関する
調査
(
海外派遣議員
の
報告
) ○
参考人
の
出席要求
に関する件 ─────────────
会長(勝木健司君)(勝木健司)
1
○
会長
(
勝木健司
君) ただいまから
国民生活
・
経済
に関する
調査会
を開会いたします。
委員
の
異動
について御
報告
いたします。 去る十月四日、
鶴保庸介
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
月原茂皓
君が
選任
されました。 また、去る十月十七日、
朝日俊弘
君、
本田良一
君、
辻泰弘
君、
榛葉賀津也君
、
日笠勝之
君及び
太田豊秋
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として
円より子
君、
和田ひろ子
君、
神本美恵子
君、
池口修次
君、
渡辺孝男
君及び
山内俊夫
君が
選任
されました。 ─────────────
会長(勝木健司君)(勝木健司)
2
○
会長
(
勝木健司
君) 次に、
理事
の
補欠選任
についてお諮りいたします。
委員
の
異動
に伴い現在
理事
が三名欠員となっておりますので、その
補欠選任
を行いたいと存じます。
理事
の
選任
につきましては、先例により、
会長
の指名に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
会長(勝木健司君)(勝木健司)
3
○
会長
(
勝木健司
君) 御
異議
ないと認めます。 それでは、
理事
に
北岡秀二
君、
松あき
ら君及び
森ゆうこ
君を指名いたします。 ─────────────
会長(勝木健司君)(勝木健司)
4
○
会長
(
勝木健司
君)
国民生活
・
経済
に関する
調査
を議題といたします。 先般、本院から、
オーストラリア
及び
ニュージーランド
における
経済
、
雇用
及び
社会保障
に関する
実情調査
並びに
両国
の
政治経済事情等視察
のため、
海外派遣
が行われました。 その
調査
の結果につきましては、
議院運営委員会
に
報告
されることと存じますが、この際、
派遣議員
から
報告
を聴取し、本
調査会
の
調査
の
参考
にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。 議事の進め方でございますが、まず
派遣議員
を代表して
中島啓雄
君から
報告
を聴取した後、
派遣議員
のうち御
意見等
のある方から順次御
発言
いただく方法で行いたいと存じます。 なお、御
発言
は着席のままで結構でございます。 それでは、
最初
に
中島
君から
報告
をお願いいたします。
中島啓雄
君。
中島啓雄君(中島啓雄)
5
○
中島啓雄
君 では、
海外派遣議員団
の
報告
をいたします。
特定事項調査
第三班は、各国の
経済
、
雇用
及び
社会保障等
の
実情調査
のため、去る八月二十六日から九月四日まで、
ニュージーランド
及び
オーストラリア
に派遣されました。
派遣議員
は、本
調査会
の
勝木健司会長
を団長として、
内藤正光議員
、
山口那津男議員
、
西山登紀子議員
、
島袋宗康議員
、そして私、
中島啓雄
の六名でございます。 以下、
両国
での
調査
の概要を申し上げます。 私
たち
は、まず
ニュージーランド
を訪れました。
首都ウェリントン
では、
デビッド・カンリフ財務大臣
・
歳入大臣
・
商務大臣政務官
、フィリップ・
フィールド社会福祉
・
雇用大臣政務次官
、
デビッド・アーチャー準備銀行総裁代理
とそれぞれお会いし、
経済改革
、
社会福祉政策
、
インフレターゲット政策等
について
懇談
いたしました。
カンリフ財務大臣政務官
からは、
ニュージーランド
の
構造改革
の経緯と今後の
政策
の
方針
について
説明
を受けました。 イギリスの
EEC加盟
により大きな
輸出市場
を失ったことを契機に始まった
構造改革
は、
規制緩和
、
中央省庁
の再編、
金融財政改革
など、あらゆる分野に及び、その間、若干の修正はあったが
改革
は継続され、
経済
は順調である。今後は一次
産業中心
から変革し、バイオテクノロジー、
情報技術
、
映画等
の
創造的産業
に力を入れて取り組みたい。
政府
としても、大きくもなく小さくもない
政府
、OECDの
上位国
を目指す。
政府
としてのモットーはアクティブ、スマート、パートナーシップであるとの抱負が語られました。
フィールド政務次官
からは、
老齢年金
、
失業手当
など
国民
の
セーフティーネット
や
産業構造
の変革による
経済成長
の維持、そのための
人材育成等
について
説明
を受けました。
懇談
の中では、
最初
に
女性
の
参政権
を付与した
世界
で最も古い
民主主義
の萌芽の国として
誇り
を持っている。
人口
はほぼ三百八十万人を維持しており、
少子化対策
は取っていない。特に、
子供たち
に
機会
の平等を保障し、よりよい
教育
、住宅、
家庭環境
を与えることが重要で、
福祉制度
もそのことを念頭に置いて
構築
し、最終的には
国民
が持っている力を発揮することが
目標
である。
先住民
の
マオリ
やパシフィックも含めて、健康な国には健康な
家族
と
コミュニティー
が必要との
発言
がありました。
アーチャー準備銀行総裁代理
からは、
インフレターゲット政策
について
説明
を受けました。
準備銀行
は
政府
から独立した
機関
として設置されており、その
目的
は物価の安定に絞られています。
インフレターゲット政策
は、
行財政改革
の
一環
として九〇年三月に
世界
で初めて導入されました。
準備銀行総裁
は、
大蔵大臣
との間で
インフレ目標値
を合意し、ゼロないし三%と決められています。それに従って
金融政策
を実施します。導入後、
インフレ率
は低下し、九六年以降平均して一・六%であります。
アーチャー
氏によれば、
インフレ
のコントロールのために
情報公開
などオープンな
政策
を行っており、役員にも健全な
運営
を求めている、これまではうまくやってきたと思うとの
発言
がありました。 その他、
仕事
と
家庭
の両立問題や
育児施設
の
実情
を
視察
するため、
オークランド大学託児所
と
コミュニティーチャイルドケア保育園
、
マオリ人
のための
コハンガレオ幼稚園
、
女性
の
雇用
を支援するイコール・エンプロイメント・オポチュニティーオフィスを訪れました。 次に、
オーストラリア
ですが、
首都キャンベラ
で、
失業者
に対する
セーフティーネット
の現状を
調査
するため新設された
センターリンク
を訪れ、
グラハム・バシュフォード次長
から
説明
を受けました。
センターリンク
は
連邦家族
・
コミュニティー省
の外局で、
職業紹介
や
年金等各種
の給付など、
医療
以外の
生活保障サービス
を総合的に行う
機関
であります。
失業者
に対しては、約二百社の
企業
により構成されるジョブネットワークシステムを通じて
求職活動
を支援しており、必要に応じて
職業訓練プログラム
を提供しています。
住民
にとって
各種相談
、手続を一か所で済ませることができ、
行政コスト
も節約できる仕組みになっているとのことでした。 また、
シドニー
では、ニューサウスウェールズ州の
カーメル・テブット高齢者サービス大臣
とお会いし、
高齢者福祉
・
介護制度
について
説明
を受け、
懇談
いたしました。
同国
も
高齢化社会
を迎えており、
州政府
としても
高齢者サービス
を統合するため、新たに
高齢者事務所
を設けました。
高齢者政策
は
施設介護
、
在宅ケア等
がありますが、
州政府
としては今後、
コスト
の小さい
在宅ケア
の充実に力を入れていく
方針
だということです。
財政負担
については
連邦
が六割、州が四割負担します。
州政府
が直営する
介護施設
はほとんどなく、
民間施設
への
補助金
を交付する
制度
となっております。
介護者
に対しても
連邦政府
から
補助金
が支給されています。 なお、
ハリソン高齢者事務所長
の、ある
調査
によると
介護者
は
仕事
を辞めない方が質の高い長期の
在宅介護
が維持できることが明らかになっているとの
発言
が
印象
的でした。 次に、
同国
の
構造改革
の
一環
として行われた
シドニー空港民営化
について、
シドニー空港
のクリス・
ファーベイ理事
から
説明
を受けました。
連邦政府
は一九九四年に
空港
の
民営化方針
を打ち出し、これまで
メルボルン等主要空港
は
民営化
され、
最後
になった
シドニー空港
も今年六月、
銀行
を主体としたサザンクロスグループに売却されました。しかし、
民営化
になっても
航空管制業務
や入管、検疫などは従来と変わりなく
連邦政府
が行っております。
民営化
により
サービス
の向上が図られ、
ショッピングセンター
の建設、
土地
の活用など収入の
増加
と
効率化
が行われました。
空港民営化
の最大の
理由
は、
連邦政府
の債務の削減を進める
目的
以外に、
政府
は
高齢化対策
、
医療
、
福祉
、
教育
などに専念すべきであり、
空港経営
など
政府
の役割でないとの議論があったとのことです。 以上のほか、
外務貿易省託児所
、
エルダーズゲート介護施設
及び
アミティ介護施設
、
クインズランド
州
環境保護局北部事務所等
を
視察
いたしました。 なお、この
報告
の詳細につきましては、後日、
議院運営委員会会議録
の末尾に掲載する予定の
文書報告
を御参照願いたいと存じます。
最後
に、今回の
海外視察
に際し、御協力いただいた
関係
各
省庁
、
在外公館
及び
視察先
の
関係者各位
に対し心から感謝申し上げ、
報告
を終わります。
会長(勝木健司君)(勝木健司)
6
○
会長
(
勝木健司
君) ありがとうございました。 以上で
報告
の聴取は終わりました。
派遣議員
のうち、御
意見等
のある方は順次御
発言
願います。
内藤正光
君。
内藤正光君(内藤正光)
7
○
内藤正光
君 民主党・新緑風会の
内藤正光
でございますが、私から二、三
補足意見
を申し述べさせていただきたいと思います。 まず第一点は、
ニュージーランド
の
規制緩和
についてでございます。 七〇年代から八〇年代の危機的な状況から抜け出るため、一九八四年に発足した
ニュージーランド
の
労働党政権
は一連の
規制撤廃
を断行しました。そして九〇年代、
ニュージーランド
の
規制撤廃
は輝かしい
成功事例
として
世界
の
注目
を集めるに至ったわけでございます。しかしその後、七〇%もの
国民
の所得は大きく減少し、貧富の格差は拡大するなど、
国民
の間に
改革
の先に極楽浄土はなかったという
失望感
が大きくなってきたそうでございます。
カンリフ財務大臣
は、
ニュージーランド
の
改革
がこのような結果に終わった
理由
として
三つ
の
理由
を挙げておりました。
一つ
は、
国民
の完全な合意がなかったこと、
二つ目
は、
経済発展
を推し進めるほどには
規制緩和
のインパクトが十分ではなかったこと、そして
三つ目
は、
ニュージーランド
以上に
世界
は大きく変化していたこと、この三点を挙げていました。 私は、
民間
の自由な発想や
活動
を阻む
規制
は早急に撤廃していかなければならないと固く信じている者の一人ではあります。しかし、後であの
改革
は失敗だったと言われないためにも、十分な
セーフティーネット
の整備や
産業再生策
の実施に加え、
カンリフ財務大臣
のこれら
三つ
の指摘は十二分に勘案していかなければならないというふうに考えております。
二つ目
、
シドニー空港
の
民営化
についてでございます。
シドニー空港
の
民営化
は
オーストラリア政府
が断行した
注目
すべき
改革
の
一つ
であります。
民営化
について当初、
航空会社
を
中心
とする強い
反対意見
があったのですが、結局は
利用者
の
増加
などにより二〇%もの
収益増
をもたらし、そして国は五十六億
オーストラリア
・ドルもの
売却益
を手にしたわけでございます。 今、諸外国に比べ割高な
発着料
や
既得権益
を擁護する
各種
の
規制
などにより、
アジア
における
日本
の
空港
の
地盤沈下
が進んでおります。逆に、中国や韓国などの
アジア諸国
は
アジア
におけるハブとしての地位を競い合うように
空港
の
改善
に積極的に取り組んでいるところであります。これ以上の
日本
の
空洞化
に歯止めを掛けるためにも、
民営化
なども視野に収めながら早急な
日本
の
空港事業
の
改善
が必要だと考えております。 三点目、
最後
でございます。
日本
と特に
オーストラリア
との違いとして、今回の
視察
を通じて多くのこと、
理由
を感じ得たわけなんですが、
一つ
は、
国民
に
安心
を与える
年金
や
医療
などの
社会保障制度
の確立、
二つ目
は、どんな生き方を選んでも決して食いはぐれることのない自由さ、そして
政策決定プロセス
の
透明性
など、こういった事柄を今回の
視察
を通じて改めて
日本
と
オーストラリア
との間の違いとして認識させられました。 しかし、これらのほかにも
我が国
にはない何かがこの
オーストラリア
にはあり、それが
オーストラリア国民
に豊かさを充実させている。それは何かずっと考えました。そして、現地に長く暮らす
日本
人とも話し合ってみたんですが、それは皆が
努力
して作り上げた美しい
町並み
ではないか、そんなことにたどり着いたわけでございます。
一つ一つ
の家は決して大きくもなく、また豪華でもないんですが、
調和
を醸し出すその
町並み
は住む人々にえも言われぬ余裕を与えてくれます。そして、その美しい
町並み
は決して天与のものではなく、
地域市民
が
努力
して作り上げた結果だったのです。そして、その裏には何があるのかといえば、
敷地面積
や庭の広さあるいは塀の高さなどに至るまでいろいろと厳しい
規制
があり、そしてその下に周りと
調和
を保つよう
地域住民
が一人一人が
努力
をしていたわけでございます。 美しい
町づくり
を進めるためには、まず
住民
の
意識
が優先されるべきだとは思いますが、
土地利用
に関する
法規制
もある程度までは必要ではないかというふうに考えます。真に豊かさを感じられる
国づくり
を目指して、
社会保障制度
の
拡充
と併せて、今後、
土地利用
の在り方についても私としては目を向けていきたい、そんなふうに考えております。 以上でございます。
会長(勝木健司君)(勝木健司)
8
○
会長
(
勝木健司
君) ありがとうございました。
西山登紀子
さん。
西山登紀子君(西山登紀子)
9
○
西山登紀子
君
日本共産党
の
西山登紀子
でございます。 今回、私は、「真に豊かな
社会
の
構築
」をテーマにして三年間の
調査
を継続する重要な
委員会
の
海外調査
に参加できまして、大変勉強させていただきました。ありがとうございました。 豊かさとは何か、
経済大国日本
の
国民
が本当の豊かさを実感できないのはなぜか、どうしたらいいのか、この
問題意識
を絶えず発信しながら、六人のメンバーの皆さん、とりわけ
女性
は私一人でしたけれども、とても有意義な
調査
ができたと考えております。 私にとりましては
ニュージーランド
は初めての訪問でした。もちろん
オーストラリア
もそうです。しかし、
ニュージーランド
は
世界
で最も早く、一八九三年、
女性参政権
を取り入れた国であり、男女平等の未
来社会
の
構築
に示唆が得られるものと大変期待して臨みました。 以下、
ニュージーランド
についてのポイントのみ
補足報告
をさせていただきます。 まずその第一、
ニュージーランド
の男女平等の進展について、
オークランド大学
での
懇談
の問題です。
ニュージーランド
は、国内には八つの
大学
があり、すべて
国立
です。
オークランド大学
は五一%が
女性
の
学生
、教員の三八%、
一般事務職
を入れると五八%が
女性
だそうです。毎年
政府
に
雇用
の
機会均等
の
状態
を
報告
を出す
義務
のある
EEO
という
担当部署
がありまして、そこの方と
懇談
をいたしました。
オークランド大学
では、
女性
と
マオリ
と
障害者
を平等に対処する
方針
であること、ファミリーフレンドリーな施策を取ることは大切であること、
女性
が
仕事
を持つことの
障害
を取り除くことが必要であって、
大学構内
には
マオリ
を含めて
四つ
の
保育所
がありました。
正常勤務
は九時から五時ですが、
出産
後はその時間帯から外れてパートタイムになることは可能です。学校のお迎えは三時、親が車で迎えに行くようなんですが、
子供
の病気の際は
男女とも
に自分の病欠を使えるようになっているそうです。しかし、実際は
女性
が主に消化をしていると聞きました。
研究休暇
も取れます。
保育待機児
は少しはあるそうで、不便なところに預けたりすることもあると言われました。
国立大学
や
企業
にこうした男女平等の
状態
や
推進策
の
報告義務
を負っている
EEO
というシステムは
大変興味
を持ちました。 二番目に、
ニュージーランド
の
雇用
、
M字カーブ
などについてです。
男女別
、
年齢別
の
労働力率
を
ニュージーランド政府
から取り寄せてもらいましたが、
日本
ほど顕著ではないものの、いわゆる
M字カーブ
は存在をしていました。その
理由
は、
日本
のように両立困難なためか、それとも
家庭保育
を望む
女性
が多いのか、
調査
はできておりませんけれども、
日本
と異なる点は、
女性
の
出産年齢期間
の間、少し
労働参加率
が減少しますが、その後の復帰の伸びが大きく、四十代では八〇%を超える水準まで回復しているということです。台形型ではないところに
興味
を持ちましたし、また、
日本
の
女性
の
機会費用
が四千万から五千万という非常に高い額であることも併せて今後の
研究
が必要と考えました。 三番目に、
サモア出身
の
フィールド議員
との
懇談
での
印象
でございます。
フィールド議員
との
懇談
で、
少子化対策
を聞きました。
少子化対策
は特にないということ。浜辺に人がいない、広々としていていいと。
生活
の質を、クオリティーを維持したいという
お話
でした。
女性
の
政治進出
はとお伺いしますと、
議員
百二十人のうち
女性
は三六%、内閣の二十人中六人と
閣外大臣
二十八人のうち八人が
女性
である。総督も
女性
、首相も
女性
。
女性
の目から見た
社会
問題がインプットされていいという
お話
でした。子育てや
家族
のきずなが大切だから、
女性
の
政治参加
は大切だと言われたわけです。 駆け足の
調査
でしたが、
人口
わずか四百万足らずの小さな国ながら、大きな
誇り
とポリシーを持っているという
印象
を受けました。ホームレスもない、四人に一人がヨットを持って、セーリングやガーデニングが
余暇
の過ごし方だということ。
男女とも
に五時には
仕事
から帰る。店も五時に閉まり、
社会
全体の
余暇
の過ごし方は非常に
注目
に値します。 ただ、南太平洋の楽園との
観光PR
などがあるわけですけれども、
先住民
との共存の
課題
や刺激の少ないのが難点で、カジノは
オークランド
の真ん中にありました。若い人が
オーストラリア
に出ていく就職問題も深刻だと聞きました。また、南極の
オゾンホール
による被害も深刻で、
死亡原因
の一位は
交通事故
、鉄道はありません。二位は
皮膚がん
という独自の問題を抱えていることを伺いました。
地球規模
の未
来社会
についても非常に深刻な問題を抱えていると思いました。 以上、
印象
として
報告
させていただきます。ありがとうございました。
会長(勝木健司君)(勝木健司)
10
○
会長
(
勝木健司
君) ありがとうございました。
島袋宗康
君。
島袋宗康君(島袋宗康)
11
○
島袋宗康
君
国会改革連絡会
の
島袋宗康
でございます。 今回の
海外派遣
を通じまして、特に感じましたことを二点ばかり述べたいと思います。
一つ
は、
ニュージーランド
の
オークランド大学託児所
についてであります。
大学
内には
四つ
の
託児所
がありますが、訪れた
施設
は、乳児から二歳までの
子供
を預かる
保育園
一と、三歳から五歳までの
子供
を預かる
保育園
二であります。主に
学生
の
子供
を優先的に預かりますが、
一般
の人も利用しているとのことであります。私
たち
が訪れたときは朝の通園時間帯で、父親が同伴してくるのが目立っておりました。
保育園
一では、訪れたときちょうど小さな
子供たち
が
朝食
をしておりました。ここでは、
朝食
と昼食は弁当持込みで、おやつは各自好きなときに食べるということであります。お昼寝の時間もありますが、
子供
の自由に任せているというかなり自由な
保育体制
を取っているようであります。
子供たち
も伸び伸びとした様子であります。
保育園
の
運営
は
大学
が
民間
の
専門会社
に委託しておりまして、開園時間は午前七時から午後五時までです。
大学
が午後六時までなので、余り遅くなる人はいないということですが、遅い人は
職場
に連れていくそうであります。また、
家庭
の主婦のため、
幼稚園
が終わった後、少しの時間預かることもあるそうです。 このような
実情
を見て感ずることは、
職場
に近いところに
託児所
があるということが働く親と
子供
にとってどれだけよいことかということです。親と子がしっかり近くにいる
安心感
や、働く親と子の触れ合う時間を少しでも増やすことができるということは大事なことであります。こうした
職場
に
託児所
を設けている例は、
オーストラリア
の
外務貿易省
にも見られました。
我が国
において、
保育所待機児童
の解消が
政策課題
になっており、
保育所
の
拡充
が求められていますが、その際、このような
職場
に近接した
保育所
、
職場
内の
託児所
の設置を推進していくべきだと考えます。 次に、
観光産業
の振興と
自然保護
についてであります。
オーストラリア
のケアンズにある
クインズランド
州
環境保護局北部事務所
を訪れ、
自然保護
の実態について
説明
を受けました。
北部事務所
は、
世界遺産
に登録されているグレートバリアリーフ、
熱帯雨林
を管轄する州の
自然保護機関
ですが、管内の
自然保護
として、
野生生物
の
保護
や
観光客
の受入れも管理しているということであります。
北部事務所
の話では、私
たち
が訪れたグリーン島への上陸についても一日千人という
人数制限
を設けて、
観光
と自然の
保護
の
調和
を図っているということです。 私にとっては、沖縄のようにきれいなサンゴ礁の海が強く
印象
に残りました。それを維持するための
努力
も大切だと感じました。
オーストラリア
は、
連邦政府
としても
観光
振興戦略を立て、
観光
資源
保護
の取組に力を入れております。特に、グレートバリアリーフについては、グレートバリアリーフ海洋公園管理局を設置し、サンゴ礁の
保護
を行っており、タウンズビルのジェームズ・クック
大学
にはグレートバリアリーフ
世界遺産
区域
研究
センターを設け、
研究
者やサンゴ管理者らによる
調査
研究
を行っています。 沖縄にも石西礁湖地区や崎山湾海域には豊かなサンゴ礁が発達しております。これらの自然環境を維持しながら
観光
資源としての活用を図ることも大事だと思います。そのため、
我が国
においても、
観光
振興と
自然保護
の観点から、沖縄や奄美などの南西諸島海域の自然環境の
保護
や
野生生物
の
保護
について
研究
する
機関
の設置が必要であると痛感した次第でございます。 以上でございます。ありがとうございました。
会長(勝木健司君)(勝木健司)
12
○
会長
(
勝木健司
君) ありがとうございました。 以上をもって
海外派遣
報告
についての意見表明は終了させていただきます。 ─────────────
会長(勝木健司君)(勝木健司)
13
○
会長
(
勝木健司
君) この際、御
報告
いたします。 本
調査会
は、今期の
調査
項目を「真に豊かな
社会
の
構築
」とすることに昨年十一月に決定し、グローバル化が進む中での
日本
経済
の活性化と
社会
経済
情勢の変化に対応した
雇用
と
社会保障制度
の在り方をサブテーマとして
調査
を進めてまいりました。 その
調査
の過程で出された意見を踏まえて協議を行いました結果、本日の
理事
会におきまして、二年目の
調査
のサブテーマにつきましては、
国民
意識
の変化に応じた新たなライフスタイルとすることで意見が一致いたしました。 また、具体的な
調査
の内容につきましては、地域
社会
の活性化と
課題
、少子高齢
社会
における多様なライフスタイルを可能とする働き方、都市と農山漁村との交流、世代間交流等、新たなライフスタイルの実践と
課題
、個の確立を促す
教育
、学習の在り方、ボランティア、NPO・NGO
活動
等
社会
参加システムの在り方などを
中心
に
調査
を進めていくことといたします。
委員
各位の御協力をお願いいたします。 ─────────────
会長(勝木健司君)(勝木健司)
14
○
会長
(
勝木健司
君) 次に、
参考人
の
出席要求
に関する件についてお諮りいたします。
国民生活
・
経済
に関する
調査
のため、今期国会中必要に応じ
参考人
の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
会長(勝木健司君)(勝木健司)
15
○
会長
(
勝木健司
君) 御
異議
ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを
会長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
会長(勝木健司君)(勝木健司)
16
○
会長
(
勝木健司
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十八分散会