○
国務大臣(
扇千景君)
池口議員も
鹿児島まで行って現物を見てくださいましたということで、これはもう詳細なことを申し上げるまでもない、御理解をいただいていると
思いますし、ただ私は、国民の
皆さん方一人でも多くに今回の
工作船の
危険性というものを認識していただきたいということで、私は、引き揚げて、これ引き揚げたのが九月の十一日ですけれ
ども、引き揚げた船そのものよりも、昨年の十二月の二十三日に「あまみ」という船が百数十発受けたということで、この被弾したものを
国土交通省の玄関に移送しまして、多くの
皆さんに見ていただくために一般公開いたしました。国民の
皆さん方が多く
国土交通省の玄関でこの「あまみ」の被弾状況を見ていただいて、とてもびっくりして、しかも弾によって、大小の弾が、ミリによって違います。それから、操縦席のガラスがこっぱみじんになっていまして、よくこれで
日本側に死人が出なかったというような
感想もいただいたり、私も実際に昨年「あまみ」を見ましたときに、本当に運が良かったと言わざるを得ないような、しかも今回、引き揚げてみましたら、先ほ
ども話にありますように五千メートルの、被弾、
能力のあるものも
装備していたということで、私は、こんなに重
装備しているというのを思ってもみなかったものをよく近くまで近づいて拿捕しようとしたなと空恐ろしい気がしないではありません。
ただ、問題は、先ほどからも御論議にありましたように、野上議員からも御
質問がありましたように、これを見付けることがいかに難しいかと。今、
池口議員がおっしゃったように、
漁船に似せて
漁船の態勢をしているわけですね、上から見たら。ですから、自衛隊が見に行ったときに、今回もたまたま、行くときは素通りして、
漁船だなと思って素通りして、帰ってくる飛行機から、ヘリコプターから操縦者がたまたま写した写真で何かおかしいと。しかも、それが、写真が伝送する機械を自衛隊が持っていなかったということで、わざわざ基地へ着いて写真を現像してみて初めて分かったというような、お粗末といえばお粗末なんですけれ
ども、それほど敵はごまかし方がうまいということが逆に言えるので、これは困ったものなんですけれ
ども。
問題は、私は、
日朝交渉で、今、私手元に持っていますけれ
ども、この金正日の、国防
委員長の言葉の中、もう一度私は念のために読ませていただきます。
特殊部隊が自発的に
訓練として行っていた、その部隊がどの部隊か探した、今検閲を行っている、そこまで行ってそんなことをしでかしたとは
想像もしなかった、今後こうしたことが起こり得ないと申し上げる。私たち
内部の問題であるが、
特殊部隊が幾つもあり、それを過去の遺物として整理していきたい、両国首脳は地域の安全保障や双方の安全にかかわる問題について日朝間で協議、枠組みを作ると。これが日朝トップレベルの交渉の、現実に
北朝鮮のトップから出た言葉でございます。
ただ、私は、いかにも信じられないというか、
特殊部隊が自主的に
訓練として行っていた、そして幾つも
特殊部隊があって、どの部隊がやったかということもこれも探したと。私は、こういう日朝のトップ同士の交渉の重要性というものが、今回のこと、この
事案の、事例を、何の
目的で、いつ、どういうことをしに来たか、そしてなぜ、何のためにこれだけの重
装備をしているのかというのを全部リストアップして、これを相手になぜこうなっているんだと。ほかの
特殊部隊が幾つもあるとおっしゃっているんですから、ほかの
特殊部隊もこういう
工作船を幾つも持っているのかどうか、何隻一体あるんですかということも私は
日朝交渉で今後明快にしていって、いきなり
工作船全部やめなさいと言っても、相手は
日本だけではなくてほかの国へも行っているかもしれませんから、その辺のところは私はより明快にして、どういう状況にあるのか、何の
目的で、どこの国を相手に造ったのかということも私は
日朝交渉で明快にすべきだと思っています。