○井上美代君 本当に忙しい中で見ていただいているということで、うれしいことです。
この報告書というのは大変重要な提起をしています。しかし、この報告書が求めた給付水準と比べても、現在の給付機構というのは余りにも貧弱だというふうに思っております。年金給付の対象となる障害等級の問題、そしてまた医療費や医療手当の支給を、入院を要する程度の重篤な場合に限っている問題、先ほど谷さんがちょっと触れられたんですけれ
ども、そしてまた保険外の医療費負担への給付の問題もなどなど、報告書が求める水準が実現していれば多くの人が救われていた、それでもこの報告書が守られていたら救われていただろうと私は思っております。報告書を作成した有識者の意見はほとんど反映されていないというのが、今日もう一度現状を見渡してみてそのようになっているという実態があります。
そこで、もう一つ
大臣にお伺いしたいのですけれ
ども、現在のこの救済機構を設立する
法律が一九七九年に制定された際に、九月四日の参議院の社会労働
委員会における附帯決議が上がっております。その附帯決議をごらんになったことがあるでしょうか。これも文書でお預けはしたんですけれ
ども、お忙しいお体だから探すのも大変だしと思ってお預けいたしました。見ていただけましたでしょうか。
ありがとうございます。見ていただけたようです。
これは七項目ありますけれ
ども、この四項目めに注目をしてほしいんです。救済給付の給付水準に、そこに書いてあるんですね、「救済給付の給付水準については、
被害者の実情に即し、また他の諸制度も勘案し、その改善が図られるよう配慮すること。」と、そこに書いてあるんです。言うまでもなく、附帯決議というのは、これは法的拘束力はありません。しかしながら、道義的、政治的な拘束力があります。そして、社会の情勢はますますこの附帯決議の文字どおりの実践を求めていると思っております。
被害者の
生活というのは、救済されることなく困難を極めているということはもう
大臣も御存じのとおりであります。副作用被害は増大傾向にあり、新薬の開発競争はますます激しくなっているわけなんです。医薬品の産業の発展のためには、医薬品に対する国民の信頼というのはやはり欠かせないはずだというふうに思います。そのためにも副作用被害に対するしっかりとした救済制度が確立されなければいけない、そして国民の多くはそのことを求めているというふうに思うんです。
大臣は、今年の六月、私、SJSを取り上げてこの問題を質問させていただきましたけれ
ども、そのときに救済機構の救済業務については、おっしゃったことは、どうしたら皆さんに
対応できるか、様々な角度から
議論していると、こういうふうにおっしゃいました。そしてまた、最も適した方法は何か
議論しているので、いましばらくひとつお許しをいただきたいと、こういうふうに
答弁をしてくださいました。そして、先ほど谷さんにも
お答えになったような一定のこともしてくださっているということも分かるわけなんですけれ
ども、しかしながら私は、その後の
厚生労働省の
対応というのは本当に全く誠実さを欠いているというふうに思っているんです。
私は、SJSの方たちと何回か
交渉に御一緒させていただいております。しかしながら、この半年近く、とりわけSJSの患者の会、支える会の
方々、もう必死で
厚生労働省の
交渉に臨んでおられます。これはもう本当に必死の姿です。そういう中で、私はやはり翻弄されている、本当に失望させられてきたということを実態として自分の目で見ているんですけれ
ども、それはもう本当に様々な角度から
議論をしているというふうには言っておられるんですけれ
ども、その
議論の中身というのは私たちには一向に見えてこないわけです。
大臣は、先ほ
どもこのようなことをということで言ってくださいましたけれ
ども、ようやく少し見えたかなというふうに思っているんですけれ
ども、なかなかそれが私たちの目に見えてこない。
大臣、もはやもう患者の方たちのその状態というのは、昨日も参考人の一人に立たれた湯浅さんの証言を聞きながら、本当にこの実情というのは、患者の実情というのは待ったなしなんだということを思いました。言ってみれば、歴史をさかのぼってみますと、二十年間以上も何にも解決策を講じてこなかったその行政の
責任が問われているんだというふうに私は思っております。先送りをもうしないで、先送りをしないで時間を区切って、私はこの救済業務の改善方向を示していただきたい。
大臣にもう是非そのことをお願いしたいと思っているんです。
先ほどは時間もなかったのであれだけしかおっしゃれなかったと思いますけれ
ども、きっと
大臣はいろんなことをやってくださっているんだというふうに思います。傍聴席にも患者の方たちおいでになっておりますので、是非その続きを答えていただきたいんですけれ
ども、改善方向を示していただきたい、このように思います。よろしくお願いします。