○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
私が十分前に参りまして、ちょっと早過ぎるかなと思っておりましたら、もう
大臣がすぐ入ってこられて、いつも
大臣は早くお出ましになって、正にこういうお姿は見習わなければいけないと私もつくづく感心をしている次第でございます。
現下の厳しい経済
状況の中で、やはり私は、特に
中小企業の方は想像を絶する苦労をされていらっしゃるというふうに思います。初めの
質問は、この
法案とは直接関係ございませんけれども、そういった観点から
質問をさせていただきたいと思います。
経済のグローバル化が進展している現状を考えますと、
我が国企業の国際
競争力を高めることが何よりも重要でございますけれども、
我が国製造業では近年、生産設備の老朽化が急速に進展をしておりまして、これはもう看過できない
状況になっております。
具体的な数字を挙げますと、
我が国の製造業の設備ビンテージ、使用年数は、一九九〇年が九・三年でありました。ところが、二〇〇〇年になりましたら、十二年にまで上昇しているんですね。一方、アメリカでは、一九九〇年の十・五年から二〇〇〇年には八・五年まで
改善をいたしております。日米逆転しているわけですね。また、
我が国では、使用年数が十五年以上の設備が全体の六〇%と極めて多いわけでございます。
ちなみに、
中国では、毎年GDPの四%程度の
海外から巨額の直接
投資、これはもちろん御存じのように人件費が安い、あるいは土地が安い等々ありますけれども、それが行われているわけで、外資主導による急速に産業の高度化が進んでいる、こういうことが言えるわけでございます。設備の使用年数は日米よりも一層
中国は低いという、こういうようなことになっているんだというふうに思います。
一般に、ビンテージが低いほど新型の設備に更新され、生産能力が高まると考えられますことから、この
日本とアメリカ、
中国の差は、今後の
我が国の国際
競争力に重大な懸念を抱かせる結果となるのではないでしょうか。
我が国の設備の老朽化が進んだ理由といたしましては、長引く景気低迷や、あるいは金融
機関の融資の引締めの影響、これもあると思います。現状ではどちらもすぐに
改善するというわけにはいかないかなと。ですから、何の手だても講じないままですと、設備の老朽化が一層進む
可能性もございます。
我が国の設備
投資を
促進し、将来の国際
競争力強化に結び付けるためには、
政策面、特に
税制面での思い切った
支援が不可欠であるというふうに思います。
ちなみに、諸外国でも
税制面での
支援が進んでおります。例えば、アメリカでは、二〇〇一年九月から三年間の期限付でございますけれども、
投資促進税制が設けられました。現行法では二年間で約四〇%の償却を可能としておりますが、新
制度では二年間で五七%強までの償却を可能としており、
我が国の二年間で約二九%の償却に比べて圧倒的な差があるわけでございます。こうした
税制優遇はアメリカだけではありません。ヨーロッパ、イタリアでは新トレモンティ法というんですか、こういう
投資増加額の五〇%を課税所得から源泉控除する
制度が実施をされまして、またドイツでも法定耐用年数が短縮をされました。このように、世界各国で設備
投資促進のための
税制支援が実施をされております。
我が国におきましても、
IT投資や、あるいは試験研究用設備
投資の創設あるいは
中小企業者が取得する機械装置の特別償却等の延長につきましては、
平成十五年度
税制に関する
経済産業省意見の中で取り上げられていることは私も承知をしておりますけれども、製造業全体に係る設備
投資促進税制も実現に向けて検討していただきたいと思っております。
一方、減価償却
制度の抜本的見直しも私は不可欠であるというふうに思っております。法定耐用年数は、ドイツの例にも見ましたように短縮傾向にあるわけです。そのために、設備、機械の耐用年数を比較しますと、
我が国が十年から十二年であるのに対しまして、アメリカでは七年、ドイツでは六年から八年、イギリス八年、イタリア六年から七年、その差は歴然としているわけでございます。
加えて、償却可能限度額も、欧米先進国では一〇〇%であるのに対しまして、御存じのように
我が国は九五%と劣っておりまして、
企業の設備更新を阻害する最大の要因となるとともに、
海外からの
投資の停滞を招く一因になっているという
意見もございます。
繰り返しになりますけれども、やはり
我が国の国際
競争力強化のためにも、設備
投資のビンテージを低くすることが何にも増して求められており、また
海外からの対日
投資促進が重要課題とされている現状を考えますと、製造業全般に係る減価償却
制度の抜本見直しを早急に行うべきであるというふうに考えます。
この二点について
大臣の御所見をお伺いしたいと思います。