○遠山清彦君
外務大臣、大変に前向きな御
答弁で有り難く思います。それで、ただ、
大臣もそうですけれども、経済協力局の
局長以下
スタッフの方に
是非この点を強く銘記していただきたいと私は思うんですね。
今、私、手元に平成十三年度の
JICAの監事監査結果
意見、これは
事業団法の第九条第五項の規定に基づいて毎年出されている
意見書でありますが、そこでこの監事がどういう報告をしているかというと、こういうことを書いてあるんですね。「
外務省からの
JICAに対する個別具体的な指示に関連しており、第一線の
現場に判断を委ねようとしても、そもそも
JICA本部に独立の判断権限が与えられていない場合が多いようである。」と。この
独法化に向けて
意見を言っているんですが、
独法化に向けて
政策企画と
政策実施の区分の明確化を行うとともに、納税者から見て分かりやすいように各
分野の
援助が一貫性をもって進められる仕組みを作ってほしいと。「第一線が機動的、効率的に
仕事が行えるよう、
関係者が一致して改革を進めるべきであろう。」という
意見が平成十三年度の監査報告で出ております、明確に。
ですから、このような今の
大臣の
答弁をやっていただけるのだとすれば、このような監査報告が平成十五年度とか十六年度の
独法化された後に出てくるようであれば
実態は変わらないということになってしまいますから、その点、私は個人的にウオッチしますので、
是非経協の皆さんにはよろしくお願いをしたいというふうに思います。それから、一点──これはいいですね、時間ないですから。じゃ、次の
質問に行きます。
次の
質問は、一九九九年にマスコミで騒がれた問題で
JICAがかかわっていたものがございます。それは、
外務省というよりも他
省庁の、中央
省庁のキャリア公務員を
JICAが、これはマスコミがそういう
指摘をしたんですが、一般公募とは別枠で試験をして選ばれた
官僚を海外に長期留学、二年ですね、させていたという問題です。私、
外務省にこの
質問する前に問い合わせましたら、国家公務員だけを対象とした特別枠は存在しないという返答をいただいております。
私は、この
官僚の留学、特にこの
JICAの海外長期研修という制度を利用しての留学について、それ自体反対をするつもりはありません。
官僚の皆さんが海外留学をして
知見を広げて国際感覚を身に付けることは非常に重要であるというふうに私も思っております。
ただ、ここでちょっと具体的に二点だけ
指摘させていただきたいのは、
一つは、私、今手元に
外務省の資料でいただいたもので、どういう
省庁の出身の方がどういう国に留学しているかということを過去四年ぐらいにわたって表をいただいておりますけれども、例えば平成十三年で見ますと、派遣者の合計は二十九名なんですね。国家公務員でその枠の中で行った人は八名ということになっておるんですが、この八名全員が米国か英国にしか行っていないということが
一つあります。ですから、一部の専門家は、この
JICAのやっている趣旨にかんがみたときに、国家公務員がこの枠で行くときに全部米国と英国でいいのかという
指摘があるということについてお話をひとついただきたいという点がございます。
それからもう
一つは、この
JICAのホームページの募集要項にも書いてありますが、この研修制度で留学した人に関してはこういう次のような内容の文書を出しているみたいなんですね。本人が研修終了後、将来にわたり
技術協力専門家等として当
事業団、つまり
JICAの
実施する国際協力
事業に参加することにつき、所属先として積極的に配慮することを文書で確認をしていると、これを
是非実行してくださいと言っているわけですね。
ちなみに、さっき私が挙げた八名の
省庁の方というのは国土交通省とか
厚生労働省、警察庁、農水省、環境省、
外務省以外の方々ばかりなわけですが、今の
官僚制度を考えて、じゃ果たしてこの
JICAのお金、元々をたどっていけば税金になるわけですが、これは一人当たり、これはちゃんと公式文書が出ていますけれども、二年間で千三百万円掛かる留学制度なんですね。千三百万円をそれぞれに与えて留学させる。二年間留学させる。戻ってきて、果たして
本当にこの文書で確認されているとおりいわゆる
JICA関係の
仕事に携わっているのか。あるいは海外、もっと大きくてもいいですけれども、開発
援助関係の
仕事に携わっているのか。農水省から来て行ったけれども、帰ってきたら全然もうその後二度と海外
援助にかかわらないということは今の
官僚制度を考えたらあり得るんではないかという点から、果たして、今、大分国家公務員の方、人数は、行っている方は昔に比べると減ってきてはいるんですけれども、この制度というものが国民の目から見て
本当に納得していただけるものとして
運用されているのかどうか、ちょっと長くなりましたけれども、御
答弁ください。