○木島
委員 もうこの
委員会で各同僚
委員から再三厳しく
指摘されておりますし、答弁もありますので、もう私からしゃべっちゃいましょう。一番答弁できちっと答えているのが、社民党の植田
委員の
質問に対して房村民事
局長が、何でこんな改悪をするのかということに対して、主に三つ理由を挙げているじゃないかと答弁を読みました。
一つは、そもそも、社内預金の
債権の性質としては、労働
債権じゃなくて通常の貸し金請求権だ、本来
優先権がない
債権ではないかというのが一。
二つ目には、
先ほど法務大臣がるる答弁しましたが、昭和二十七年当時の、そういう全額共益
債権にして
保護した立法
事情も今なくなっていると。何か調べてみますと、昭和二十七年当時の炭鉱
労働者の給与について、遠隔地に銀行がある、一時だけ
会社に預かってもらっていた、そのために、もしものことがあったときには共益
債権として守ってやろう、そういう
状況だったと言われておりますが、そういう昭和二十七年当時の立法
事情もなくなっており、今日では社内預金というのは貯蓄性の
性格が基本ではないか、そうすると、退職金とか未払い給料よりも優先的に
保護を与える必要はないじゃないかというのが二つ。
それからもう一つは、
保護の度合いの強い給料とか退職金だって六カ月分かもしくは三分の一しか
保護していないんだから、バランス上、社内預金も今回の
改正法案のように絞り込んでもいいじゃないか。
主に三つだと私は読み取りましたが、それでいいと思うんですが、私は、この答弁はまことに気に食わぬし、成り立たぬのじゃないかと思うんです。時間の許す限り、一つずつ
質問しましょうか。
民事
局長は、昭和二十七年の立法当時の立法理由がなくなったとおっしゃいました。ずっとこの間の経過を私は調べてみましたら、実は、昭和四十二年六月二十日の衆議院
法務委員会において
会社更生法の
改正法案が提出されていまして、
審議が行われているんです。もちろん参議院の
法務委員会でも
審議されていました。そこではどんな
改正が出されたかといったら、今日と全く同じような
改正法案を
政府は出してきているんですよ。
これは、昭和四十二年六月二十日、衆議院
法務委員会会議録第二十三号です。いろいろありますが、
政府の
会社更生法改正の要点の「第三に、使用人の社内預金については、
更生手続開始前六カ月間の給料相当額または社内預金の三分の一に相当する額のうち、いずれか多い額を限度として共益
債権とし、その他の
部分を優先的
更生債権として、
会社更生法上の社内預金の地位を明確にする」ということを言って、その答弁で、新谷さんという
政府委員が理由を言っているんです。
このときも、新谷さんですか、昭和二十七年の立法当時のことをいろいろ言った上で、だんだん拡充されてきまして、社内預金
制度というものが行われるようになった、非常に、解釈上その預かり金の中に社内預金が入るのではないかという疑義が生じてきた、そういう意味で、昭和四十二年当時の解釈としては、この
会社更生法の預かり金という中に社内預金も含むという解釈になっている、しかし、
保護が強過ぎる、未払い給料や退職金に比べて
保護が強過ぎるという、今ちょうど民事
局長が答弁したと同じようなことを、昭和四十二年の六月二十七日の衆議院
委員会で答弁しているんですわ。
しかし、残念ながら、この
改正案は参議院において見事に修正されまして、
政府は引っ込めざるを得なかった。それで、現行の
会社更生法の預かり金が全額共益
債権として
保護される
法律制度が厳然としていまだに残ったんですね。
どうですか、
大臣。五十年間、そういう
制度が保たれてきた。
政府は昭和四十二年ごろそれを圧縮しようとしたけれども、それは国会で否決された。今日の
状況と同じじゃないですか。そうしたら、今回も、こんな
労働者の
権利を切り縮めるような改悪はやはり引っ込めるべきじゃないですか。どうですか。短く。