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中井政府参考人 名古屋刑務所でございますけれ
ども、府中
刑務所、大阪
刑務所に続きまして、我が国で三番目に大きな
刑務所でございます。その
収容状況が、
収容人員が
収容定員を超えます、いわゆる過剰
収容になりましたのは
平成十一年の十一月以来のことでありまして、本年十月末には、人員で申しまして二千二百七名、
収容率は一一五%に達しておりまして、ここのところずっと常態的な過剰
収容の
状況となっております。
この
収容者の内訳でございますけれ
ども、暴力団の
関係者等
犯罪傾向が進んだ者でありますとか精神障害者を
収容しておりますほか、全国的に外国人
受刑者が増加しておりまして、その
関係で、
平成十年からは外国人
受刑者も
収容することになっておりまして、いわゆる現場において非常に
処遇が難しいという被
収容者を多数
収容している
状況にございます。
他の大きな施設との比較等も、現在、
大臣の指示を受けましていろいろやっておるところでございますけれ
ども、独居の数が非常に少ないわけでございます。中で何かもめごとがある、けんかがある、あるいは
暴行事案があると、全部独居に
収容しないといけないわけでありますけれ
ども、これが少ない。したがって、
処遇が非常に困難な者の部屋の割り当てに苦慮しているという現状にあると認識しております。
また、
刑務官一人当たりの負担率も他の同種施設と比較しては高いというような認識を持っておりまして、過剰
収容により業務量自体がふえておりまして、勤務条件というのが非常に悪化しているところでございます。
また、
委員御
指摘のとおり、ただいまのこの過剰
収容は全国的に同様でございますけれ
ども、被
収容者の方から見れば、一人部屋に何で二人入れるんだ、六人のところにどんどん、七人、八人と入れるのは、これは
刑務所側がやっておるのに違いない、こう思うわけでございまして、そういった被
収容者の不満でありますとかストレスがふえてくるということは、少なくとも、
事件との直接の関連は検証しにくいわけでございますけれ
ども、被
収容者側からの不服
申し立て件数や
職員等に対する
暴行事案、
懲罰といったもの、これら増加の一因になっていること自体は認められるのではないかと思っております。
いずれにしましても、過剰
収容に伴ってさまざまな問題が派生しておりまして、それが今回の
事件の背景にどのような関連を有するかということにつきましては、現在、慎重に検討
作業を続けているところであります。
また、
名古屋の特殊性ということで、特に
事件との関連性があるかどうか、これはなかなか軽々に申し上げられませんが、単なる事実
説明として受けとめていただきたいわけでありますけれ
ども、
名古屋矯正管区の管内では、昭和六十一年に
名古屋刑務所の幹部の官舎が散弾銃で銃撃されております。また六十二年には、やはり
刑務所近くで一般市民が金属バット等で攻撃をされました上、短銃で銃撃されて、犯行声明がございまして、
刑務官を短銃で撃ったというようなこともございました。また、
平成五年でございますけれ
ども、岐阜刑、これは
名古屋のすぐ近くでございますけれ
ども、そこの門衛のところの出入り口の施設がございますけれ
ども、そこが銃撃されております。また、同じく七年には岐阜刑の駐車場の
職員の車がやはり銃撃されておる。また昨年、十三年でございますけれ
ども、
名古屋刑務所の駐車場に置いておられましたところの
職員の車が銃撃されたというような
事件も続いております。
これらの点は、府中
刑務所、大阪
刑務所とは異なる背景ではないかと我々は認識しているわけでございまして、これらが
本件とどのような関連を有するのか、あるいは関連性は全くないのか、そういったことも含めまして、現在、
捜査の進展
状況を踏まえながら、可能な限りの
捜査を行い、背景事情について解明し、できるだけ早い機会に御
報告したいと考えております。