○大島国務
大臣 十四年前の、若気の至りの部分もありましたが、私が仲間とまとめたものを取り上げて御
質問いただいて、大変ありがたく思います。
基本的な認識として、農水
大臣になってみて、そこのところの問題意識が、私はまだ自分自身の中で共通するところがかなりあるという認識を持っております。つまり、そういう意味では、農協というものの問題意識はそんなに解消されていないのかなという思いもございます。
今度の米の
政策転換におきまして最大のポイント、最大のポイントというのは
一つしかないのかもしれませんが、その重要なポイントが何点かございますけれ
ども、その
一つは、
北村副
大臣も
二田先生にお答えなされたと思いますが、基幹、基礎作物である米とて、国民や消費者というものの動向を
考えずして
政策を遂行できない時代になったということ、このことはやはり農協においても同じことだと思います。
第二点は、自主的に
調整をしていく、そういうふうな世界に入っていくと、本当に
農業者のことを
考えて農協が活動してもらわないと、この仕組みは大変なことになるなと私は思っております。今度の
大綱の中で、特に集落営農というものを明確に位置づけました。つまり、今まで上から押しつける的な、そういうふうな助成ではなくて、ぜひ集落で、
地域の発想で
地域農業を本当に
考えてください、そういうところに私
どもは助成をしてまいります。その
中心は、やはり担い手
農家を
中心とした集落営農計画をつくっていただいて、そして頑張っていただきたい。
そういうことをいたしますと、生産者の
団体である農協の皆様方がその
中心になってもらわなければなりません。どこにどういう組合員がいて、どういう営農をやっておられて、そして自分たちがどういう
農業をやって生きていくかということを真剣に
農業者とともに
考えてその計画をつくっていただかなければならぬという意味で、本当に農協が
農業者のための組合というその根本の
理念に立ち返って、そういうことをやってもらわなければならぬというのが今度の米
改革にかかわる農協の
役割だと思っておりますし、農協
改革のもう
一つの、私
どもが今
指摘している問題点であろうと思うんです。したがって、そういうことを進めてまいりますと、金融というものも扱いながら、コミュニティーのコアであるという高い自覚を持ってほしいと私は思うんです。
今
委員お話しされましたように、集落の中には今混在化をしている。混在化している中で、集落を有機体として、
一つの生き物としてさまざま
考えていくと、やはり一生懸命に、泥まみれになっても、その集落の
あり方を踏まえた集落営農というものを
考えてもらいたい。こういうふうなことが農協の
改革の二つ目ではないか、私はこのように思っております。
三点目は、私は、今度の米
改革のときに、自民党のあるいは与党の
先生方とも
議論をさせていただきましたが、系統
団体の皆さんとも
お話ししたときに、新しいパートナーシップを築いていかなければいかぬ、こういうことを申し上げました。
私
どもの反省として、食管制度が厳然としてあったときは国がすべてを管理していくという
米政策でございましたし、それを
基本にして、
農政は絶えず農協系統の皆様方と、ある意味ではべったりした
関係と言っていいんでしょうか、そういう
関係の中で
農政というものをお願いするときもあれば、意見を聞くときもあったわけであります。やはり新しいパートナーというのは、依然として、
日本農業を
組織してきた農協
団体としての存在そのものに私は大きな価値と
役割があると思いますけれ
ども、さまざまな
農業主体が生まれてくるであろうということを
考えますと、今までのような
関係から、やはり他の
農業者あるいは
団体の皆様方も意見を持っているわけでございますし、また、そういう意味で、ある一定の公正公平な
関係を保ちながら、パートナーとして私
どもはこれからおつき合いをさせていただかなければならぬな、こういうふうな観点も
改革の
あり方の
一つではないかと思っております。
さらに、金融という混乱があの住専のときございまして、そのことから系統金融の
改革は行いました。そしてまた、あのときの問題意識から、足腰を強くするということで合併というものもかなりいたして、足腰は強くなったわけでありますが、
農家の皆様方に対する資材のコスト削減ということを本当に真剣に
考えてもらわなければ、多分
農業者は離れていくんだろうと思うんです。そういう意味で、資材、物流のコスト削減というものを真剣に
考えてくれという中で、その職員の
あり方、あるいは今のままでいいのか、そういうものも
改革をお願いしていく、問題提起していく
一つであろう、こういうふうに思っているわけでございます。
いずれにしても、
先生がおっしゃるように、新しい
農政を築くために、農協の皆様方もしっかりとみずから
改革をしていただいて、新しい
農政づくりに主体的に、みずからの問題として取り組んでいただく。私
どもも、
研究会を始めておりまして、十四年度末までに
検討結果を取りまとめて、また
委員会等で御
議論いただきながら系統の皆様方とも話し合いをしてまいりたい、このように思っております。