○林(省)
委員 今、おっしゃることはよくわかるんですけれ
ども、確かに、だれにでも任せていいですよというものではないこと、これは事実であります。
しかし、僕が言っている
公設民営化というのは、少なくとも現行の
学校の中で、
先ほども申し上げたように、では我々はこういう
教育をしましょうというグループが集まってやるようなことだったら簡単にできるんじゃないですかと。日教組の特に極端な
考えを持っている人たちなんというのは、いつでもすぐ集まりますよ。おれたちはこんな
学校をやるんだといって幾らだってできるわけですから、その
あたりのところを、せめて、もう少し自由なところに任せていってみたらどうなんでしょうか。
総理や
大臣のおっしゃった、
民間株式会社、確かにだれだって、だけれ
ども、
学校運営をして、
私学であれば利潤の追求、利益の追求なんということを言うとこれはとんでもない話になりますけれ
ども、ある一定のものがちゃんと上がってこなければ次の
段階には入っていけないんですから、当然ある一定の、利益と言うと言い方は悪いけれ
ども、運営費を求めていくのは
当たり前のことでありましょうし、今、
私立の
学校をつくろうとしたら、どれだけの許認可のための書類を出さなきゃいけないか。私
どもの大学が一つの学部を申請するだけで、四トン積みトラックに書類八杯ですよ。一学部、それだけのものを持っていかなきゃ、これはもう十年ほど前の話ですけれ
ども、今は随分簡素化されたと思いますけれ
ども、そんなばかなことをやっているから、いつまでたってもなかなか思い切った
教育改革ができないんだろうと僕は思っています。
そんな中でのこのたびのこのいわゆる
学校教育の
特区における
考え方、これは非常にすばらしい。国民の
皆さん方がこの
特区構想の中で一番何に期待しておられるか、僕も聞きました。
教育にいろいろ問題のある
地域ほど、
学校教育、ここに一番期待しておられます。
大臣、ぜひ、簡単に
文部省とのやり合いの中で引き下がらぬで、がんがんやってください。私はいいことだと思っています。
そして、これだけ自由に物が選択できる時代を迎えて、唯一選択する余地のないのは、私は、
公立の小
学校、
中学校じゃなかろうかと思っています。今、少しは選択の幅の広がる
地域が出てまいりました。しかし、まだほとんどの
地域が、はい、ここの土地に生まれた人は小
学校はここですよ、
中学校はここですよと決められているわけですよ。こんなばかなことはこんな時代には全くおかしいと私は思いますから、少しずつでもいいですから、せめてその
特区の中で。
だけれ
ども、
特区の中にそういういい
学校が、あるいはいい
教育制度がどんどんでき出しますと、恐らく
住民の大移動が起こる可能性がありますよ。私はこのことを心配します。あそこはいい、
住民サービスもいい、自然環境もいい、
教育もいいなんというような
地域が仮に
特区になれば、
お金のある人はどんどんそこへ行きますよ。それで、そういう少し問題のある
地域にだれが残るんだ。動くに動けないお年寄りや、また少し極端な話をするかもしれませんが、
余り税金をお払いいただけない、そんな方々ばかりが残った
地域はどうなるんですかというような問題も
地域間格差が大きく広がった場合に出てくる可能性がある。
一つは、大変いいことなんです。そして、これはいかぬということでまたこの
地域が頑張ってくれる。頑張ってくれればいいんですが、頑張る気力もなくなった、頑張る財力もない、そんな
状況が仮に出現したら、これは仮の話でございますけれ
ども、とんでもないことが起こる可能性もあるので、十分にしっかりと目を光らせながら、言うならば、最終的な決定権者は
総理のようにお聞きしていますから、極端なことを言うと、
総理が、この町はいい町だからどんどんやりなさい、この町はいろいろ問題があって、計画だって
余り大したものじゃない、ずさんなものだから、これはだめですよというようなことだって起こり得る
状況ではないかと思います。それがいい、こうおっしゃる方もおられますけれ
ども、それは、やはり同じ日本国民として、行政
サービスの点に大きな差が出てくる。
現に東京二十三区では、例えば、私の聞いている範囲では、乳幼児の医療無料は六歳までありますよ。しかし、私の
地域には、乳幼児の医療無料はありませんと言った方がいいんです。両親の年収に所得制限を加えていますから、三百三十四万五千円以上の収入のある人には、乳幼児の医療無料は適用しません。同じ日本なのに、ある町は乳幼児の医療無料がない、ある町は六歳まで無料です、やはりおかしいんじゃないかな、そんな懸念を抱きながら、何とかこれがいい方向で進んでまいることを心より
大臣にお願いをいたしまして、
質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。