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西村委員 私も
日本人としての情緒を濃厚に持っておりますから情緒的に御
質問もしたいと思いましたが、今
質問させていただいておるのは、我が国家の憲法体系からくる我が国体、国の形から解き起こしますならば、
新聞報道にあるように、この建物は更地価格を下げるので有害である、したがってこの建物を解体した方が土地が高く売れていいんだ、歴史的価値はないんだ、このように
答弁し、このような
意識を持ってこの国有財産を官僚は維持管理してはならない。いやしくも
日本国の官僚であるならば、
日本国憲法の形を体すべきである。
行政は
内閣に属する。その
内閣の長は
内閣総理大臣である。
総理大臣という
言葉は
大臣(おおおみ)と書く。この
大臣(おおおみ)を任命された方は天皇である。この体系から、明らかに財務省の役人の頭の中はおかしい、これこそ天皇に任命された
国務大臣をいただく
内閣が決定しなければならない、こう思うんですね。
官房長官も今お答えになっておりますが、象徴であり、
内閣の
大臣を、長を任命し、認証された方のお母さんの
生まれ育ったところで、今から申し上げますが、
国民がどれほどこの保存を望んでいるか、こういうことを察知いただきましたならば、官僚に任せず
内閣が徹底してやる、これを切にお願い申し上げる。
それで、この問題と関連しますが、建物の価値についての
議論をちょっとしておきたいんです。
管理する財務省がマスコミに
答弁し、保存運動の方々に
答弁したところでは、この建物は使用価値と交換価値はないんだ、むしろ更地にとって有害だという
認識でありますが、果たしてそうなのかなと。物の価値、国有財産というものの価値は、使用価値と交換価値だけで決まるのか、歴史的価値もあるだろう、こう思うわけですね。
そこで、「
日本近代建築総覧」という本がありまして、これは
日本建築学会が編集している本でありますが、
明治の建物の総覧をつくった、しかし、大正、
昭和戦前の建物に対する
明治建築以上の破壊のすさまじさ、これに遭遇して、戦前期を含む
昭和までの建物総覧をつくることにした。例えば、神戸の異人館等々はそのような中で保存され、そして今、ああ、残しておいてよかったということになっているわけです。
この総覧は、
明治、大正、
昭和戦前を通じての、
日本近代建築の歴史の証人、文化活動の遺産のすべてを網羅した台帳となった。リストはごらんのように、ただ一行ずつのものにすぎない。悲しいほどあっけない。しかしそこには、
調査担当者の万感の思いが込められている。特に重要なもの、あるいは注目すべきものと
考えられる作品には、備考欄に丸印を付したのであると。
それで、この総覧の中に正田英二郎邸、この本件の皇后陛下の育たれた家が出てくるわけです。そして、今読みました、特に重要なもの、あるいは注目すべきものと
考えられる作品には、備考欄に丸印を付した、この丸印が、まさにこの皇后陛下の
生まれられた家にあります。そして、設計は清水組であり、設計書も残っております。したがって、復元、保存は可能であります。
財務省の言う価値がないというものは、不動産屋ならともかく、バブル
時代の
感覚のみで、ただ土地を見れば金に見えるという不動産屋の
感覚ならともかく、建築学会の評価においても、また正当な思いを持って保存運動に立ち上がっている
国民の思いをもっても、重大な本当の価値のあるものだと私は思うわけでございます。
官房長官、私の今御報告申し上げたこともよろしくお心に入れていただきたい。
さて、我が国における歴史的価値とは何か。これは、我が国における歴史的価値の中で、皇室との
関係において
国民が歴史的な価値があると認めるものであろう、このように思いますね。皇室との
関係が我が国の憲法体系からどうあるかと先ほど言いました。
官房長官に、先ほど、これは官僚に任せておったらだめだというふうに言いましたので、どのようにこれの保存運動が始まり、どのような応対があったのかということだけは、私が申し上げた判断の前提でありますから、お伝えして、この
質問を終えたいと思います。
この正田邸が、夏、七月の初め、草ぼうぼうになっておりまして、付近の
皆さんが、美智子妃殿下が出ていかれた家に雑草が生い茂っている、したがってこれを刈ってくれと区に言ったら、区は、これは管理は国だからといって断られた。しかしながら、それからしばらくして小泉総理がこの裏に移ってこられて、住民が言ったからではない、警備上の理由だといって草は刈った。
そこから、区にこの保存を要請したところ、区は財務省当局に照会して、区長が財務省当局に照会いたしましたところ、当該土地建物は昨年六月に物納されましたが、現在国有財産として国が大切に管理しているとのことでございます、このように国が責任を持って管理しておりますので、品川区としては今後の推移を見守っていくことが最も適切な対応ではないかと
考えているところですと。財務省は区に、国が大切に管理しているんだと言ったようであります。これが九月十九日に区長の
答弁となってある。
しかし、一カ月もしない十月十七日、取りつぶし方針が明確になり、それはなぜかといえば、保存運動をしている住という方の自宅に財務省の二人が来た。それで、取りつぶし方針を伝えたという。二千五百の保存の署名があるんだ、待ってくれと言ったら、まあ署名ぐらいは受け取っておこうかということで、十月二十二日、二千五百の署名から三千五百八十六の署名に膨れ上がっておったんですが、これを住さんは自宅に来た財務省のところに持っていった。
そうすると、既に署名は受け取りながら、署名を受け取る前日の十月二十一日に解体業者に告示をしておる。それで、住さんを中心に住民が口頭で、また
文書で、我々が努力して買い取りたい、ナショナルトラスト運動というのはこのようにして歴史的な建物を保存するし、景観も保存しているんだからということで買い取りたいと言ったんですが、財務省は、絶対だめだと。一人、名刺も出さない者がおって、名刺はくれないけれども絶対だめだと。このような中で、上の建物を指して、これがあると売りにくいという不動産屋の
感覚が出てくるわけです。
こういう
感覚は、先ほど
官房長官と私が問答した、
国民の象徴たる地位にあられる方のお母さんが育たれたお家であり、かつ
国民がその保存を願い、また、近代建築総覧の中では建築学会が特に重要なものといって指定している建物に対する態度では断じてない。このような官僚は、北朝鮮の金正日のもとで
仕事をさせれば優秀になる。
日本国という我が立憲君主国のもとでこういう官僚に任せる問題ではないと強く思うわけですね。
これは、
官房長官もよく御
承知のとおり、個人が望むとか望まぬとかいうことではなくて、我が国の国有財産の中の皇室ゆかりの財産を公中の公として我々がどのように管理すべきか、これは
国民総意の問題ですね。したがって、再度お願いしてこの
質問を終わりますが、今概略お伝えしたような官僚サイドの頭で処理できる問題ではありません。
これから
官房長官の方に保存署名は持っていってもらいたいと思うんです。今現在で八千。一昨日は正田邸の前で街頭に置いておきましたら、一昨日だけで二千集まる。今まで街頭で署名したことないんです。それでも八千ですから。一昨日だけで二千ですから。ゆめゆめ、先ほどの官僚のように、もう取りつぶしの告示をしているのにしゃあしゃあとして受け取る。受け取らなかったらいいんですよね。そういうことで、
官房長官、よろしくお願いいたします。切にお願いいたします。
質問を終わります。