○福井
委員 ありがとうございました。
今、副
大臣おっしゃいました職業生活設計、個人個人が自己決定をしていくというものが本当に大事なキーワードではないかと私自身も思っております。したがって、このキャリアコンサルタントというのが本当にこれからの
日本の社会インフラとして重要になってくるということをきょうは申し上げたくて、別に細かい
質問をしているつもりは全くございませんので、御了解をいただきたいというふうに思います。
まず、私の時代認識、歴史認識から申し上げたいと思いますけれども、今、産業再生でありますとか都市再生でありますとか、かまびすしく言われておりますけれども、本当に本当に大事なのは、この
日本の社会で現下に一番大事なのは、
国民一人一人の意識の問題、心の革命の問題だというふうに思っております。
つまり、我々の時代は、田舎から
東京へ出てきて、とにかくマイホームを建てればよかったんだというような画一的なる人生の目標があって、それに従っていれば、会社の偉い人、先輩のおっしゃることを聞いていれば大体人生はうまくいくんだというような意識のもとに人生を過ごしてきたわけですけれども、今この情勢の中で、若い人を中心にどこに行ったらいいのかわからなくなっているということでありますので、本当に大事なのは夢の再生、リアリティーのある、
日本人が持つべき夢の再生、あるいは人生の再生、人生
計画の再生といってもいいと思いますけれども、それが本当に大事なんだと思います。
そういう意味で、キャリアコンサルタントというものが
日本に何万人、何十万人いて、それぞれの
国民が
自分の人生、
自分の生涯を設計するのをサポートする、本当に決めるのは
自分自身でしかないわけですので、サポートするという
仕事が崇高になってきて、そのコンサルタントになること自体もまた夢になるというような社会が本当に必要だというふうに思っております。一体
自分はどう生きていけばいいのか、一体
自分は何を目指していけばいいのかということを考える、それを社会全体が支援する、そんな社会にしなければならないし、そんな社会に対して
国民一人一人はこぞって信頼をしている、そういう状態にしなければならないというふうに思っております。繰り返しになりますけれども、それこそ最大にして喫緊の課題だというふうに思っております。
そんな意味で、ある会社の再就職支援の活動の御紹介を始めさせていただきたいと思いますけれども、
日本能率協会グループの、あえて具体名を申し上げますけれども、会社がやっている活動の御紹介をしたいと思います。
実は、
日本能率協会グループの方では九六年から再就職支援をしておりました。それはどういうスキームかといいますと、ある会社がありまして、ある人をリストラしたい、よその会社に移ってもらいたいというふうに思いますと、その人を
日本能率協会グループの会社に派遣をしまして、一人百万円で委託をするわけです、要は一人百万円で再就職を支援してくれというふうに頼むわけでございまして、その選ばれた人はがっかりするわけです。どうしておれが首にならなければならないんだということで、首を垂れて、こうべを垂れて
日本能率協会グループの再就職支援の会社にやってくるわけですので、まず心のマッサージをするんだと。そして、
自分の指で
自分でパソコンで
自分の履歴書を書くようにしてあげるんだ。そして面接の仕方を教えてあげて面接にもついていってあげて、とにかく何年かかってもいいから再就職できるまでお世話する。それがワンパッケージ百万円というお
仕事をしています。
それで、この十月末までで六千人のお世話をしたということで、今トレーニングしている方もいらっしゃるのですけれども、三千人がめでたく再就職できたということで、それはホワイトカラーだけかというとそうでもなくて、ブルーカラーが四五%、ホワイトカラーが五五%。そして、全国のブランチが今や五十になっているというような急激なる需要の増加に今対応しようとしているということでありますし、一人百万円というのがもう耐えられなくなってきた、本当に会社自体が不況でどうしようもなくなってきているということで、そういう需給バランスもありまして、百万円じゃなくて五十万円というパッケージもつくり始めているという事実があるわけであります。
そして、もっと厳しい事実としては、この八月から、個人に対する、会社から請け負うんじゃなくて、本当に再就職をしたいという個人に対してこの
日本能率協会グループの会社が支援をするということで、半年間十万円のパッケージをつくって、今一生懸命頑張っている。そこで何をするかというと、毎週一回集まって、職務経歴書、履歴書の書き方、面接の仕方という、まさに
基本的なるスキルをそこで身につけている、そこでグループワークをしているということでございます。
具体例として、新聞の広告としては、こういう「変わろう求職者」というような広告で、個人で再就職したい人を募集している。あるいは、これはその実際のテキストですけれども、とにかく世界の中心、会社の中心は
自分だという、それは言われてみたら当たり前のことでございますけれども、そういうことをまず
自分で意識をして、そして、再就職を迫られているということは
自分を進化させることなんだ、
自分を革命的に変えることができるそのチャンスをもらったんだというポジティブなる発想にしなければならない。
言われてみればもちろん当たり前のことなんですけれども、そういうことを、中高年になろうとも、お互いに勉強し合って、そして再就職を目指すということでありまして、まさにそれは、再就職を迫られたからやるわけではなくて、
日本社会としては、幼稚園の時代から教育の一環として、あるいは人生のもともとの一こまとして、職業生活、人生設計というものを考えなければならない、そういう癖が
日本社会になかったので、今物すごい曲がり角に来ているし、社会的な不安そして不満が高じている、そういう
状況ではないかというふうに思っております。
ちょっと演説が長くなったのですけれども、次に、坂本職業能力開発
局長からお伺いしたいんですけれども、そういうことで、そういう再就職支援のサポートをしている現場現場で、一番大事なのはやはりキャリアコンサルタントということでございますので、そこで、今副
大臣から、キャリアコンサルタントの効率的な養成のために官民を挙げて取り組んでおられるという御答弁がありましたけれども、その方策について具体的にお伺いしたい。
それから、今は国家資格ではありません、キャリアコンサルタントという国家資格はございませんし、
政府全体としてそういう資格は縮小していこうということはもちろん存じ上げておりますけれども、だからこそ、当初申し上げましたように、産業再生、都市再生、あるいはそれ以上に大事な人生設計の再生、夢の再生ということだと私自身は思っておりますので、今こそ国家資格というものが、今絞らなければならないという時代に新しくつくるということにむしろ意味があるんではないかというふうに思います。そういう国家資格の確立を図る必要があると思いますけれども、今、
厚生労働省においてはどういう御検討がされているかを
局長の方からお伺いしたいと思います。