○藤井
参考人 お答え申し上げます。
国際交流基金にとりましては、
独立行政法人移行は、年来の、四年前から努力しております
改革を加速させる大変な好機というふうに考えております。
具体的に申し上げますと、
改革の中で、大きく言って三つの点が大事であるというふうに思っております。
一つは、抽象的でございますけれども、外交政策との連携強化、第二が効率性の向上、第三が透明性の向上でございます。
具体的に申し上げますと、まず外交政策との連携強化でございますが、
独立行政法人の制度におきましては、
委員御存じのとおり、
外務大臣の一般監督権限にかわりまして、
外務大臣が中期目標を示し、国際交流基金が中期
計画を策定するということで
事業を実施するわけでございまして、
事業を実施して、その後にそれに対する
評価を受けることになる、こういうシステムでございます。
これは、大変に重要なことは、中期目標をつくっていく過程におきまして、国別のニーズ、国別の外交政策、その文化に関する外交政策、そういうものを、
外務省と我々専門家のみならず、外部の、その国にかかわる多くの、日本あるいはその国あるいは第三国の識者の方々と意見を積み重ねながら考えていくということができると我々は期待しておる次第でございます。
そういう
意味で、我が国の外交政策におきまして、言葉がちょっとあれかもしれませんが、より戦略的な、大局的に戦略的な文化交流を実施していくということが
一つ大きな眼目でございます。
それから、具体的に国際交流基金の
事業で申し上げますと、いろいろな文化交流の
事業があるわけでございますが、それをどんなふうに組み合わせて、相手国の、その国のどんな層にどんなふうに何を発信していくか、あるいは連れてくるか。これによって、大きな
意味での外交政策、日本の国益、長期の国益との
関連がより明確になっていくというふうに期待しているわけでございます。
第二の効率化でございますけれども、このような国別、
地域別のより明確な
事業目的がはっきりいたしますと、それに照らし合わせまして、国際交流基金の極めて多岐にわたる
事業の優先順位をつけていくことがより可能になってくると思います。文化のことでございますので、なかなか優先順位というものをとりがたいのでございますけれども、ここにしかし
一つの指針が出てくる。それに従って、強化するものは強化し、縮減するものは縮減していくということを行っていきたいというふうに思っております。
それから透明性でございますが、これは、もちろん財務関係の情報開示とかいろいろあるわけでございますけれども、国際交流基金といたしまして、特に基金に関する情報、国際交流基金が有する情報やノウハウ、これを
国民により広く提供していく。国際交流基金は、単に資金でいろいろお手伝いするだけではなくて、いろいろな情報を開示しながら国際文化交流を進めていくということにしていきたいというふうに思っております。
それから、このような課題に取り組むに当たりまして、現在、国際交流基金では、
事業それから組織の抜本的な見直しを検討してきております。今、
外務省と相談を始めたところでございます。
その大きな方向は、
事業について言いますれば、従来、往々にして、国際交流基金の
事業は非常にプログラムが細分化されておりました。この細分化されたプログラムをできるだけ
統合し、その中で、特に効率性が比較的低くなってきていると思われるものを縮減していくということが
一つの眼目でございます。
それからさらに、組織でございますけれども、組織については三点ございまして、先ほどの、負託にこたえるように国別、
地域別のニーズをより把握できるように、そういうふうに組織を再編していくということが
一つでございます。それから、
国民への情報の提供、いろいろな
民間の文化交流団体等文化交流の担い手との連携強化をしていくということが第二点。第三点が、プログラムの事前事後それから客観
評価の体制を強めていくということでございます。
以上が、国際交流基金が
独立行政法人になるに当たりまして考えております大きな変革でございます。
最後に、
中川委員の御
質問の冒頭にございました
民間の点でございます。これはもう
中川委員には釈迦に説法でございますけれども、国際文化交流で
民間というのは、
一つはコマーシャル、もう
一つは、いろいろございますが、
民間の文化団体あるいは大学等々ということでございますけれども、国際交流基金はコマーシャルではできないところをやるということでございまして、例えば、中国を
一つ例にとりましても、中国にミュージカルとかあるいはポップミュージックなんかは行っておりますけれども、最もコマーシャルにペイしそうな分野であっても、中国ではそれはコマーシャルにはいかないわけでございます。それは、何らかの
民間その他の支援が必要でございます。まして、より地味な知的対話であるとか市民交流であるとか、そういう息の長いものにつきましては、これはなかなかコマーシャルではいかないということは、世界じゅうにございます。
それからもう
一つ、日本の
民間団体も、私ども大いに連携強化をしておりますが、やはりまだ特定の分野であるとか特定の
地域であるということでございまして、その
民間団体がおできになることは私どもはいたすわけではございませんで、外交政策の上で非常に有益であれば、一緒にやっていく、あるいは支援してやっていくということが私どもの姿勢でございます。
どうもありがとうございました。