○山谷委員 民主党の
山谷えり子でございます。
今、
武正議員も、
男女共同参画社会とはというやりとりがございましたけれ
ども、
男女共同参画社会というのは、性別にかかわりなく、
個性や
能力を十分に発揮できる
社会をつくることであり、職場での差別の是正とか、生活慣習面での抑圧的な部分というのは見直していきたいというふうに思っております。
しかしながら、保育や
教育の場で、行き過ぎも現在あるように
感じております。男性と女性の区別をなくす、違いを排除していくという画一的、機械的な場面が見られる。今の
高校の
男女共学問題もそうかもしれません。
私も、
公立、
私立、それから
男女共学校、
女子校、それぞれで育ちまして、それぞれのよさというものを身をもって体験しております。アメリカなどでも女子大のよさというのが今急速に見直されておりますし、今、国立の女子大も
男女共学化というような検討もされているようでございますけれ
ども、ぜひともこれは、歴史や伝統、文化、それぞれの多様性という
視点で
考えていくことがこれから大事なのではないかというふうに思います。
さて、この
委員会で、四月十一日、「未来を育てる
基本のき」というような小冊子の中では、押しつけるような子育てをしていませんか、女の子だったらおひな様、男の子だったらこいのぼりなどというようなこと、これについての感想を
福田官房長官に求めましたところ、「例示を見ましたら、正直言って、私も余りこれに賛成しません。」というふうに
お答えになられました。
この冊子の中に、「子育てはジェンダー・フリーで」と書かれております。「ジェンダー・フリーに育ってほしいものです。」と書かれております。
ここで、「ふりーせる保育」という記述がございます。フリーダム、リリーフ、セルフコンフィデンス、もうわけのわからない単語を並べて「ふりーせる保育」ということを言っておりまして、
子供の人権、ジェンダーフリーの
視点をベースにした保育プログラムで、松戸市で今三カ所で実践中ということで、私もちょっと
保護者に取材をさせていただきました。
そうしましたら、「ふりーせる保育」をする、急に説明会があるというふうに言われた。
保護者が、欠席の
保護者のためにビデオを撮っていいですかと言ったら、肖像権の侵害になるからやめてくれと保育所側から言われた。そこで、行きましたところ、いきなり、松戸市
男女共同参画プランの
資料を配布されて、かなり厚いものですが、児童の権利の尊重、
男女共同参画社会づくり、性の差別意識、ジェンダーフリーの説明があった。
保護者は、ぽかんとしてしまった。一体何の説明だろうとぽかんとしてしまった。
実際、始まった保育が、食事やおやつの時間も自由ということで、遊びに夢中の子は食べ忘れてしまう。それから、言葉遣いとかしつけが悪くなっていく。担任制も廃止されたので、
子供と先生の
関係が薄まっていく。お別れ会に何か発表させましょうよと親が言ったらば、それは
子供の意思を尊重しなければいけないから、
子供が決めることだ、幼児でも判断基準があるというふうに言われて寂しい気持ちになった。
それから、お母さん
たちが、
運動会で「慎吾ママのおはロック」のCDをかけて一緒にダンスをしたいと言ったらば、お母さんが朝御飯をつくるというフレーズがジェンダーフリーに反するからだめだと言われて、歌詞をなくしてカラオケだけでやった。
それから、「桃太郎」の本を読もうとしたら、おじいさんがしば刈りに、おばあさんが川に洗濯に、これがジェンダーフリーにかかわるからだめだというふうに言われたということでございます。
実際、公民館では、「桃太郎」というのは暴力的で、とにかくジェンダーバイアスを押しつける
お話だから、「桃子の鬼退治」なんというふうに変えたりして読もうなんという
運動がありまして、来年の
高校の教科書では、「ある生徒は、このようなジェンダーにとらわれない幼児に育ってほしいと、だれもが知っている「桃太郎」の
お話を「ももからうまれたももこちゃん」と改題してジェンダーフリーな絵本を創り、保育所の子
どもたちに読んでもらった」。これはもう検定で合格しております、来年の春から使われる
高校の教科書でございます。
このようないろいろな動きがあるわけでございますね。これは、この「ふりーせる保育」だけではなくて、このような伝統行事を否定したり、このような絵本を書きかえたりという動きは、
全国に保育の場で広がっております。とにかく保育所職員に研修、
保護者には情報提供という形で、何か言おうものなら、それは間違っているというようなことで否定されてしまうというような苦情が今上がってきております。
十一月十五日、衆議院の
内閣委員会で、米田副
大臣は、
男女共同参画社会について、画一的、機械的に
男女の違いを認めないというものではない、今、混乱がある、
政府の
立場をはっきりさせるために、十一月十二日の参議院の
内閣委員会での
福田大臣と米田副
大臣の発言議事録、
質疑応答を刷り物にして、
全国の都道府県に配布いたしますというふうな
お話でございました。
内閣府に問い合わせたところ、配布してどうするんですかと言ったら、
男女共同参画課に配布して、問い合わせがあったら答えるというような
お答えでございました。
私は、今、保育
現場、
教育現場のこのような現状を見るにつけ、それだけでは不十分だというふうに思っております。一体、
現場がどうなっているのか、
調査していただきたいですし、それから、保育、
教育等の
現場までこのやりとりが伝わるような、さらに進んだ方策をぜひとも
考えていただきたいというふうに思います。
十一月十二日の参議院の
内閣委員会で、
内閣府の
坂東眞理子男女共同参画局長は、ジェンダーイクオリティーとかジェンダーフェアネスという言葉はあるけれ
ども、ジェンダーフリーという言葉はないではないかという
質問に対して、そのとおりだ、ジェンダーフリーという用語はアメリカでもない、北京宣言でも国連婦人の地位
委員会でもない、
日本の
男女共同参画社会基本法でも計画でも使用していない、画一的に男性と女性の違いを一切排除しようという人がいるが、そのような意味での
社会づくりを目指してはいないというふうに
お答えになりました。
これは
青少年健全育成の団体のグッズなんですけれ
ども、これにも、ジェンダーフリーな
社会を目指して、図書館でジェンダーフリーの絵本が待っているよ、こう書かれているんですね。相当なものなんでございます。
官房長官、どういたしましょう。御所見をお伺いしたいと思います。