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植田委員 今おっしゃったのは、大体かいつまんで言えば、言ってみれば融資契約が調印時点で最終の意思決定なんだと。だから、それ以前の段階での切れ目がないのでどうしようもない。それは形式論でしょう。それと、あとは入札妨害等々、要するにこれを乱用するという話。それと、要するに国際競争においては不利だというような、かいつまんだ話ですけれども。
何も私も、始まったときから調印前まで、どこからでも
異議申し立てできるようにせいなんて言っていないわけですよ。しかも、この要綱案ですら、かなりこの
異議申し立ての手続開始要件、対象
案件や申し立ての要件というのは厳格に定められているじゃないですか、少なくとも。厳格に定められているんだから、乱用ということはなかなかないんじゃないかと思います。現実に、世界
銀行でも八年間で三件しかないわけですよ。
また、形式論として最終的な意思決定は調印時点だというんだけれども、私が申し上げているのは、いつ何どきでもこの
案件でも
異議申し立てせいということじゃなしに、何度も融資の担当部署とやりとりをしている、恐らく
異議申し立てをするであろう人と国際協力
銀行、JBICさんの担当部署とやりとりをしていて、最終的な調印段階以前の段階でいろいろなやりとりをして、どうも
環境ガイドラインに沿った手続で審査が行われているのかどうなのか、そのことについて見解が相違している。そして、結局、そうした場合があったら、最終的には総裁が判こを押すわけですわ。とは申せ、JBICさんとしてはこう判断しますよというその段階に至ったときは、一方の方が
異議申し立ての手続をすることができるようにしたらどうですかと。それをあらかじめ排除する必要はないじゃないかというふうに私は考えているということ、その点について反論があれば言ってほしい。
それと、乱用とおっしゃいますけれども、わがでつくったこの要綱案、私は全体としてはこれもよくできた案だと思うんですよ。だから、現実に
異議申し立て手続の手続開始要件のところを読んだら、これ自体非常に厳格にできているわけですから、そもそもこういう要綱案がありながら乱用の心配をせないかぬような
状況がもしあるとすれば、これ自体の要綱案、もう一回白紙に戻してやり直せという話になりますよ。私はそこは一定評価しているんですよ。何も全部書き直せと言っているわけじゃない。これだけの厳格な要件確認できるんだったら、
異議申し立て手続を事前に認めたっていいじゃないかと言っているんですよ。
それと、国際競争入札等々で国際協力においては不利だ、国際競争において不利だと言うけれども、それは、実際そんなことを言い始めたら、
環境ガイドラインなんというものをつくってそれを遵守するというところでも、これはなかなか大変なことなんです。それは
当たり前の話なんです。それを不利と見るか、新たな問題提起と見るかというのは、今度は
企業側の姿勢の問題が問われるわけですから。それを、そういうふうに、産
業界から強い意見がありましたからそれにえらい配慮しましたなんというのは、通らないと思いますよ。
しかも、さっき言ったみたいに、実際、融資契約前に
異議申し立てが行われるというのは、そんな乱訴なんということにはなり得ないでしょう。何でならないかというと、大
規模で、かなり多大な影響を
環境に与えるリスクの大きな事業にまず限定されるでしょう。
というのは、事前の段階で担当部署と例えばNGOの方とがやりとりする中で、どうもおかしいのと違うかなんという事例があったらおかしいんですよ、本来。そのために
環境ガイドラインという立派なものがあるわけですからね。少なくとも、できのいい
環境ガイドラインに沿ってやる以上は、かなり対立点が浮き彫りになるというのは本当のレアケースじゃないのか。そもそもそうした社会的な
環境配慮が行われないような事業には融資せえへんというのがガイドラインの考え方なんですから、それは取ってつけた理由じゃないでしょうか。
しかも、契約まで長期間を有する、
異議申し立てが事前に行われれば暇がかかるというような話もおっしゃっていたようですけれども、実際、その種の
異議申し立てが出るぐらいの話は、やはりそもそも契約に至るまで、
異議申し立てがなくたって結構長期間審査が必要なんじゃないんですか。
だから、今おっしゃっているのは、産
業界はそういうふうにおっしゃっていたという以上、以下の、根拠も何にもない。もしそれで押し切らはるのであれば、そもそもつくったガイドラインを総裁みずから否定することにはなりませんか。