○七条
委員 これは、
不良債権を進める、
銀行を強くしたい、こういう思いがあるんでありましょうけれども、どうも私には、
銀行を強くしたいという思い、
竹中大臣が言われること、私はよく理解をするつもりでありますが、
銀行は今、強くするというよりは、どちらかといったら
政府から乗っ取られるんじゃないか、
経営者かわれと言われているんじゃないかという不安の方が先に立っているんじゃないかという気がしてなりません。
もう
一つ言うならば、これから
不良債権を進めていくときに、貸し渋り、貸しはがし、特に
自己資本比率ということを徹底して見直してくると、そのために頭を使うことになると、貸し渋りや貸しはがしの方が先行してしまうということが非常に多いと思うんですね。ですから、この
自己資本比率ということをきちっとして、それが健全かどうかという点を見きわめるときに、一方で貸し渋り、貸しはがしがないかということも、
中小企業対策や
企業再生というようなことも考えながら、総合的にやっていただくことを
お願いしておきたいと思います。
では、次に、きょうは
日銀の
速水総裁おいででございますから、
日銀に対して三点お聞かせをいただきたいのであります。
先日、
日本銀行は思い切った発言をされたと私は思うんですね。これは、
銀行保有株の買い取りをやりたい、こう言っておられる。まさにこれは、
日銀の
関係者が言っておられたのでありますけれども、清水の舞台から飛びおりるというような表現をしておられました。確かに私も思い切ったことを言われたと思うのでありますが、しかし、これをそのまま受けていいのかどうか。どうも、タイミングという
意味では悪かったのではないかと思えてなりません。
金融庁の方が、いわゆる
銀行保有株制限法という
法律を去年成立させました。あるいは、私たちも議員立法で、それに伴います
銀行保有株の取得機構の改正
法案なんかも
提出をしているところでありますけれども、そういうような
状況のときに、もう少し
日銀が早く反応していただいておったら私はよかったんじゃないか。タイミングが悪いというのはそういうところにもあるし、
日銀は
日銀だけでやる、あるいは
金融庁は
金融庁だけで別々のやり方をしてきたということが、ここにも見えてくるのではないかと私は思えてしようがないんですね。が、しかし、これはやってよかったな、やらないよりはやってよかったなと実は思っている一人でもあります。
しかしながら、先ほども言いましたように、
金融庁は
金融庁だけでやらない、あるいは
日銀は
日銀だけでやらないという総合的なことの力の中で、私がまずお聞かせをいただきたいのは、
速水総裁、インフレターゲティング、これをもうそろそろ導入してはどうだろうかと私は思えてなりません。
特に今、先ほど来、
ペイオフを二年延長する、こう言われました。その二年延長ということで、来年の四月から二年延長するわけでありますが、この二年の延長ということを意識してインフレターゲティングを出せないか。二年の間にどういうことができるんだ、どういう形でどこまで物価の安定を持っていくことができる。あるいはそれが、一%か二%ぐらいの成長があればいい、引き上げられることはいいんでしょうけれども、ともかく二年でどこまでやれるかということを考えてみたらどうかと私は思っております。
もう
一つお聞かせいただきたいのは、先日、二十四日でありましたけれども、福間
日銀政策審議委員から、講演の内容の中で、
金融行政や
市場の信用リスクにさらなる警戒感が大切だ、特に機動的かつ弾力的な
政策が必要だと思うというような内容のことを言っておられたのでありますが、最近の
日銀のいわゆる
金融調整目標、いわゆる当座
預金残高が今、目標、上限で十兆から十五兆円程度に固定をされてしまったままです。あるいは、長期国債の買い入れ増額の上限も一兆円に固定されているままなんですけれども、このいわゆる
金融調整目標の継続的な拡大をするという気持ちがあるのかどうか。私は、これだけが今必要なのではない。もっと違うところで点検をしていかなきゃいけないことがたくさんある。
今、
銀行にはじゃぶじゃぶと資金がたまっているんですけれども、しかしながら融資比率が高まってこない。貸し渋り、貸しはがしが先ほども言ったようにある。一方で、国債の保有高がどんどん高くなってしまって、その辺で空回りをしてしまって下に落ちてこない。こういう現象があるのではないかと思うわけでありますから、これをこのまま続けておいただけではいけないんじゃないか。
そういう
意味では、三点目、お聞かせをいただきたいのは、今後、国債の買い切りオペの拡大はどうなんだ、あるいは、外債だとかETFを含めた有価証券などに対して売買に運用を広げていく、これは弾力的な、弾力性のあるところを図っていくというつもりがないのか。
銀行の保有株まで買い取るんだということを言ったのなら、新発の国債ぐらいを買って、これがもっと下に流れていくよ、あるいは公共事業の中で流れていく、もっと全国津々浦々まで
日銀の資金が流れていくようなことをお考えになるべきではないだろうか。
こういうことの三点、お聞かせをいただきたいのですが、どうでしょうか。