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鍵田委員 今の
大臣のお答えに関連をしまして、地方の自治体も非常に財政難で、なかなか
雇用対策の方に回す
財源がないというような面もございまして、むしろ
厚生労働省にしっかり資金を出してくれという声が強いわけでございます。
特に、地方によりましては
雇用情勢が非常に厳しいところもございまして、先日も私、こちらへ来る前に大阪府と話をしておりますと、恐らく大阪府としての
失業率は八%を超えてくるのじゃな
いかということを言われておるわけでございます。学者などにも、今五・四%という
失業率だけれども、実際は潜在的な
失業率も含めると一〇%ぐらいになってきておるのじゃな
いかというふうに言われる人もあるわけです。先ほども言いましたけれども、ハローワークに行っても仕事がな
いからといってあきらめてもうそういう活動をしない、これは
失業率にカウントされてきませんから。そういう人が非常に多い。そういうのを含めますと、一〇%も行っておるということでございます。
それで、私、前からずっと
大臣にワークシェアリングの問題を
お話しさせていただいておるわけでありますし、
大臣も積極的に取り組みたいというお言葉はいただいておりますけれども、このワークシェアリングというのは非常に悩ましい問題がございます。経営者と労働組合では利害が相反しますし、それぞれ政党も利益団体等の
関係もあって、国会の中でも片方だけに
痛みを与えるような
やり方はなかなか合意が得られませんし、また反対の方に利害が及ぶような場合にも合意が得られないというふうなことがありますし、両方ということになるのもなかなか合意が難しいというのはございます。
ございますが、先ほどからの
お話をいろいろ伺っておりまして、今の
雇用の
状況というのは、ただ平時の、いわゆる労使の自治のもとで
雇用をお互いに分かち合うというようなことを言っておって成果が上がるのかどうか。先日の
質問の中でも、新しいワークシェアリングの予算を組んだ、七十億ほどですか、三年間で組んだ、こうおっしゃられているのですが、この五カ月ほど経過した中でまだ一件か二件だということでありますし、その規模も非常に少ない、十数人というふうな規模でございますから、これで
雇用対策のワークシェアリングにはなり得ないわけでありますし、これからも、ではそれがフルに活用されるということになるかどうかというのは、私はちょっと疑問があると思います。
そこで、政労使合意のこのワークシェアリングのペーパーがありますけれども、この中でも二の項で、「労使の自主的な判断と合意により行われるべきものであり、労使は、生産性の維持・向上に努めつつ、具体的な実施
方法等について十分協議を尽くすことが必要である。」こういうふうになっておるのです。
労使の自主的な判断ということになってくると、今は健全に
企業がやっておられるところはそういうことを積極的にやる必要も何もないわけで、お互いに
痛みのあることに関して手をつけようとはしません。といって、では、今非常に
企業の
再生をしなくてはならない大変なところでは、お互いに
痛みを
感じるような、そういうことをやってもそれで
再生になるのかどうかということで、せいぜい補助金を活用して生き延びていくということぐらいしかされないわけでありますから、積極的な
意味でのワークシェアリングというものを活用するというふうなことにはなかなかならないのではな
いかと思います。
そこでまた、ワッセナー合意で非常にワークシェアリングを成功されておるオランダの例などにも倣って、
政府が労使に呼びかけて、こういう紙切れの合意書だけではなしに、これを実施するためには一体何をしなくてはならないのか、お互いに
痛みを分かち合おうじゃな
いか、そのかわり
政府もそれに対して積極的に協力しましょう、こういう働きかけをして、それによって何十万人かの新規の
雇用を創出していこうというリーダーシップが必要なときなのではな
いかというふうに思うわけでございます。そういう
意味では、
雇用が非常事態なんだ、そういう認識に立ってこの
雇用問題を
考えていただきたい。
何か
産業再生だけは非常事態だと言って、そろそろもう
再生ができない
企業にはお引き取りをいただきましょう、そのことには熱心だけれども、あとは若干
セーフティーネットにしても手直しをするだけ、そして新しい
雇用を創出するということにはもう一つ不熱心だ、こんなことで
雇用問題が
解決するはずがないと私は思っておりまして、再度、
大臣にそのことについての御覚悟をお聞きしたいなということでございます。
簡単に答えが出る問題ではないことは重々承知の上で
質問させていただいておりますが、その辺についてよろしくお願いいたします。