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宮崎優子君 私がなぜ、母がどんなにつらかったか、母がずっと、
憲法九条に出会ったときにどんなにうれしかったかわからないよという話をしてくれて、あんな苦労をもう二度としなくていいんだと思って本当にうれしかった、涙出たよという言葉をずっと小さいときから聞いてきたものですから、きょうの公聴会にも、私、とても期待して来たんです。
なぜそんなに期待をしていたかというと、この前、ある新聞に改憲派が五四%というのが出ていたんですね。世論
調査をした。世論
調査というもの、それは新聞社が出すんですから、数字としては本当なんだろうなと思うのですけれ
ども、疑問に思ったのは、私、二つ新聞をとっていますけれ
ども、片や五四%、片や四十何%、同じ
憲法九条についてのアンケートなんですけれ
ども、数値が微妙に違うんですね。何で違うのかなと思うじゃないですか。
世論
調査というのにちょっと私が疑問に思っているのは、私は苦学生でしたから、学生
時代にアルバイトをたくさんしました。ある新聞社のアンケート
調査、選挙なんかのときのアンケート
調査ですけれ
ども、そういうのも三つか四つやったんですけれ
ども、各
地域の無作為抽出でだれだれ、だれだれというのがあって、その場に行くんですけれ
ども、お留守の方が多いんですね。お留守の場合はまた行きます。何度でも行きます。私は小心者ですから何度でも行きましたけれ
ども、私の友人は行かないんですね。自分で書いちゃうんです。そういう現場を見ているものですから、世論
調査、本当かなというのがいつもあるものですから、私がアルバイトをしていたのはウン十年前ですから、今はそんな原始的なやり方はやっていらっしゃらないんだろうけれ
ども、疑問がありました。
だから、日ごろ、間接民主主義というんですか、そういうのはちょっと歯がゆいなという思いがあって、公聴会というと直接じゃないですか、自分が。政府が
国民の声を広く聞く、みんなどんなふうに考えているのかじかに聞いてくれる、こういうチャンスは絶対生かさなきゃと思ってすごく期待していたんですね。でも、くじ運が悪いものですから、多分当たらないだろうなと思ったんですけれ
ども、八百字、一生懸命書いて送りました。そうしたら、当たっちゃったんですね。だから、多分、大分から応募したのは私だけだったのかなと思ったんですけれ
ども、張り切って原稿を書いていました。
そうしたら、木曜日ですか、資料が送られてきました。お見せしましょうか。見えますか、後ろの人。これは何かわかりますか。よく御存じですね、すごいな。これは衆議院
憲法調査会中間報告書です。ごらんになった方、いらっしゃいますか。今の方は御存じなんですよね。ほかの方はお読みになっていないですか。ぜひお読みください。メモしていただけますか。これは、衆栄会というところにお電話したら、これを送ってきてくれるそうです。〇三—三五八一—五一一一です。
これが送ってきたんです。何ページあるか。七百六ページあります。私、友人に、こんなの送ってきたんだけれ
どもと言ったら、そんな、あんた、読まぬでいいよと言われたんですね。でも、私、そこで、不思議だなとまた思ったんですけれ
ども、私
たちは全く
政治の素人です。
憲法に関しても、よく知らないことがあります。でも、知りたいじゃないですか。好奇心があったり、意欲があったり、それを、この厚ぼったい、これはすごいんです。
だから私、皆さんにここで愚痴を言うわけじゃありませんけれ
ども、木、金、土、日、四日間ほとんど徹夜なんですよ。理解したかったんです。後でゆっくり読めばいいわとも思ったんですけれ
ども、やはり、公聴会に行くまでに、
憲法調査会というのは一体どんなものなのかな、皆さん、どんな話し合いをしているんだろうと興味がわくじゃないですか。それで、一生懸命読んだんです。
主婦は、昼間は忙しいです。だから、夜です。
子供が寝るときに絵本を読んだり、昔話したりして、十時ごろ休みますね。その後からです。だから、ほとんど徹夜なんですね。だから、きょうはちょっと頭がぼおっとしていますし、原稿はありませんし、ぶっつけ本番ですし、多分ろれつもちょっと変になっていると思いますので、お聞き苦しい点があると思いますが、勘弁してください。
それで、送ってきてくださったのは、
憲法調査会会議録、これは、
地方公聴会のことが全部書かれています。おもしろいんですよ。臨場感があって、生き生きしていて、会場の熱気なんかも伝わってくるようだし、
委員の方の表情とか、発表の、公述している方
たちの本当に表情まで見えるようなおもしろい読み物でした。
片や、こちらですね、大変な労作だと思います。今までの
憲法調査会の中での
議員さん
たちの
発言とか、全部種類別にしているというんですか。だから、これを読んで、例えばだれだれ
議員さんが
憲法についてどんな考え方を持っているのかなというのは、その
議員さんが
発言したところが、それぞれの項目に入っていますから、この
議員さん、こんな考え方を持っているんだなとかいうのがわかりますし、今の
日本国憲法のどんなところが
議論されているのかなというのもよくわかるんです。だから、ぜひ皆さんに、ちょっと大変ですけれ
ども、ぜひ読んでいただきたいと思います。
でも、私が思ったのは、公聴会というのは、普通の
国民の声を聞くところじゃないんですか。ああ、すごいですね、主婦はしゃべり出したらどこに行くかわからないですからね、もう十分もたったんですか。
ですから、私、思ったのは、ちょっと優しくないんじゃないかなと思ったんです。私は、人が生きていくのは、どうせ人は、どんな生き方するかというのは、いろいろな生き方があるだろうけれ
ども、優しく生きていかなきゃ
意味がないんじゃないかなと思っているところがあるものですから、だから、偉い学者さんが、小さい
子供に、小さい
子供たちといっても小学校ぐらいです、そういう
子供たちにわかりやすく御自分の専門のことを話す、そういうことが、
日本をとても住みやすい国にするだろうし、地球環境とかいろいろなこと、そういうことに一番大事なことなんじゃないかと思っているんです。だから、これに出会ったときに、ちょっと優しくないなと思ったんですよ。
ずぶの素人が、でも
日本のことをとても愛していて、
憲法のことも知りたいな、今の
政治がどんなになっているか知りたいなと思った普通の主婦が、張り切って一生懸命来るじゃないですか。これは、あんた
たち素人にはこんな難しいことはわからないだろうって、そんな言われているような気がしたんですね。
それじゃ一般の
国民が、
憲法に対して、今の
日本の
政治に対して、どんなふうな、憤りとかいろいろな思いがあるでしょう。それが、今
日本の
政治を動かしている方々、そういう方々にはきちんと伝わっていかないんじゃないかな。もっと、何もわからないけれ
ども、今こんな苦しみがあるんだよ、悲しみがあるんだよ、そういう人
たちに寄り添ったような
政治がなされていけば、
日本の国はもっとよくなって、それこそお上が上から、ほら、国を愛せよとか言わなくたって、一般の庶民が、
日本を守らなきゃ、
日本を愛しているよと、どんどんそういう声が出てくるんじゃないかと思います。
時間がないから、私、いろいろな方が、若い友達もいます、今四歳の
子供さん育てている方で、おなかに赤ちゃんがいて、
宮崎さん、公聴会に行くんだったらこんなことも言ってくださいといって書いてくださった紙も持ってきているんですけれ
ども、そういう思いを私、全部ここで申し上げようと思って来たんですけれ
ども、何か、自由、民主主義というものが、今変なんじゃないか、私が今度ぶつかったこの公聴会というのは一体何だったんだろう、今すごく悩んでいます。そういう悩みというのは、
政治家のプロの方
たちにこれから解決していっていただきたいことだと思っています。
戦争というのは、最近、本当に
世界じゅうが強いもの、そういうものの方になびいている気がしてしようがないんですよ。私は、それはおかしいと思う。悲しみとか苦しみとか、そういうのに寄り添って、弱いものに寄り添っていく人
たちがどんどんふえていってほしいと思うんです。
大分県で偉人伝とかいうと出てくる福沢諭吉という人がいるじゃないですか。福沢諭吉の「学問のすすめ」の中に、
自立の心なき者は、だれか知っている人いませんか、助けは来ないかな。
自立の心なき者は人を恐れる、人を恐れる者は人にへつらう、もうちょっと何かあったような気がするんですけれ
ども。何でも強いものになびいたり力のあるものになびくというのは、そういう
社会はおかしいと思います。弱いものを大事にする
社会になってほしい。
こういう集まりでもそうですけれ
ども、みんな、日ごろ、うっぷんがあるんです。だから、言いたいこといっぱいあると思うんですね。だから、どんどん、後でお時間あると思いますけれ
ども、発表してください。
今の
アメリカを見ていますと、私、
アメリカという国は、今、
世界で一番力を持っている国じゃないですか。だけれ
ども、一番エネルギーも使っている国ですね。一番食料も食べている、消費している国なんです。そういう強い強い国が、片やすごい貧しい国を、ごめんなさい、時間配分が悪かったですね。