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2002-11-07 第155回国会 衆議院 憲法調査会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十四年十一月七日(木曜日)
会長
の
指名
で、次のとおり小
委員
及び小
委員長
を
選任
した。
基本的人権
の
保障
に関する
調査小委員
倉田
雅年
君
近藤
基彦君
谷川
和穗
君
谷本
龍哉
君
長勢
甚遠君
野田
聖子
君
葉梨
信行
君
枝野
幸男
君
大出
彰君
小林
憲司
君
今野
東君
太田
昭宏
君
武山百合子
君
山口
富男
君
金子
哲夫
君
井上
喜一
君
基本的人権
の
保障
に関する
調査小委員長
大出
彰君
政治
の
基本機構
の
あり方
に関する
調査小委員
奥野
誠亮
君
谷本
龍哉
君
中曽根康弘
君
中山
正暉
君
額賀福志郎
君
福井
照君
保岡
興治
君
枝野
幸男
君
中野
寛成
君
伴野
豊君
松沢
成文
君
斉藤
鉄夫
君
藤島
正之
君
春名
直章君
土井たか子
君
井上
喜一
君
政治
の
基本機構
の
あり方
に関する
調査小委員長
保岡
興治
君
国際社会
における
日本
の
あり方
に関する
調査小
委員
石川 要三君
近藤
基彦君
下地
幹郎
君
中川
昭一
君
葉梨
信行
君
平井
卓也
君
山口
泰明
君
首藤
信彦
君
中川
正春君
中村
哲治
君
山田
敏雅君
赤松
正雄
君
藤島
正之
君
山口
富男
君
金子
哲夫
君
井上
喜一
君
国際社会
における
日本
の
あり方
に関する
調査小
委員長
中川
昭一
君
地方自治
に関する
調査小委員
伊藤
公介
君
佐藤
勉君
杉浦
正健君
西田
司君
葉梨
信行
君
平井
卓也
君
森岡
正宏君
筒井
信隆
君
中川
正春君
中村
哲治
君
永井
英慈君
江田
康幸
君
武山百合子
君
春名
直章君
土井たか子
君
井上
喜一
君
地方自治
に関する
調査小委員長
西田
司君
平成
十四年十一月七日(木曜日) 午前十時三十七分
開議
出席委員
会長
中山
太郎君
幹事
杉浦
正健君
幹事
中川
昭一
君
幹事
葉梨
信行
君
幹事
保岡
興治
君
幹事
大出
彰君
幹事
仙谷
由人君
幹事
中川
正春君
幹事
赤松
正雄
君
伊藤
公介
君
奥野
誠亮
君
倉田
雅年
君
小西
理君
近藤
基彦君
佐藤
勉君
谷川
和穗
君
谷本
龍哉
君
額賀福志郎
君
野田
聖子
君 馳 浩君
平井
卓也
君
福井
照君
水野
賢一
君
森岡
正宏君
山口
泰明
君
枝野
幸男
君
小林
憲司
君
今田
保典
君
今野
東君
首藤
信彦
君
筒井
信隆
君
中野
寛成
君
中村
哲治
君
伴野
豊君
松沢
成文
君
山田
敏雅君
江田
康幸
君
太田
昭宏
君
斉藤
鉄夫
君
武山百合子
君
藤島
正之
君
塩川
鉄也
君
春名
直章君
金子
哲夫
君 原
陽子
君
井上
喜一
君 …………………………………
衆議院憲法調査会事務局長
坂本 一洋君
—————————————
委員
の異動 十一月七日
辞任
補欠選任
下地
幹郎
君
小西
理君
中山
正暉
君
水野
賢一
君
長勢
甚遠君
馳 浩君
永井
英慈君
今田
保典
君
山口
富男
君
塩川
鉄也
君
土井たか子
君 原
陽子
君 同日
辞任
補欠選任
小西
理君
下地
幹郎
君 馳 浩君
長勢
甚遠君
水野
賢一
君
中山
正暉
君
今田
保典
君
永井
英慈君
塩川
鉄也
君
山口
富男
君 原
陽子
君
土井たか子
君
—————————————
本日の
会議
に付した案件 小
委員会設置
に関する件
委員派遣承認申請
に関する件 小
委員会
における
参考人出頭要求
に関する件
日本国憲法
に関する件 ————◇—————
中山太郎
1
○
中山会長
これより
会議
を開きます。
委員派遣承認申請
に関する件についてお諮りいたします。
日本国憲法
に関する
調査
のため、来る十二月九日、福岡県に
委員
を派遣いたしたいと存じます。 つきましては、
議長
に対し、
委員派遣
の
承認
を申請いたしたいと存じますが、これに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
中山太郎
2
○
中山会長
起立
多数。よって、そのように決しました。 なお、
派遣委員
の
人選等
につきましては、
会長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中山太郎
3
○
中山会長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
中山太郎
4
○
中山会長
次に、小
委員会設置
に関する件についてお諮りいたします。
基本的人権
の
保障
について
調査
するため小
委員
十六名からなる
基本的人権
の
保障
に関する
調査小委員会
政治
の
基本機構
の
あり方
について
調査
するため小
委員
十六名からなる
政治
の
基本機構
の
あり方
に関する
調査小委員会
国際社会
における
日本
の
あり方
について
調査
するため小
委員
十六名からなる
国際社会
における
日本
の
あり方
に関する
調査小委員会
及び
地方自治
について
調査
するため小
委員
十六名からなる
地方自治
に関する
調査小委員会
をそれぞれ
設置
いたしたいと存じますが、これに
賛成
の
諸君
の
起立
を求めます。 〔
賛成者起立
〕
中山太郎
5
○
中山会長
起立
多数。よって、そのように決しました。 なお、小
委員
及び小
委員長
の
選任
につきましては、
会長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中山太郎
6
○
中山会長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 小
委員
及び小
委員長
は、追って
指名
の上、公報をもってお知らせいたします。 なお、先例により、
会長
及び
会長代理
につきましては、小
委員会
に
出席
できることといたしたいと存じますので、御了承願います。 次に、小
委員
及び小
委員長
の
辞任
の許可及び
補欠選任
につきましては、あらかじめ
会長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中山太郎
7
○
中山会長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、小
委員会
におきまして
参考人
の
出席
を求め、
意見
を聴取する必要が生じました場合には、
参考人
の
出席
を求めることとし、その日時、
人選等
につきましては、
会長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中山太郎
8
○
中山会長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
中山太郎
9
○
中山会長
次に、
日本国憲法
に関する件について
調査
を進めます。 この際、英国及び
アジア各国憲法調査議員団
を代表いたしまして、御
報告
を申し上げます。 去る九月二十三日から十月五日まで、私
ども
は、
イギリス
、
タイ
、
シンガポール
、
中国
及び
韓国並び
に
フィリピン
、
マレーシア
及び
インドネシア
の八カ国の
憲法事情
について
調査
をいたしました。 この
調査
の正式な
報告書
は、
議長
に対して提出することになっておりまして、現在鋭意作成中でありますが、私
ども調査議員団
は本
調査会
のメンバーをもって構成されたものでありますので、この際、その
調査
の
概要
につきまして口頭で御
報告
をし、これからの
調査
の
参考
に供したいと存じます。
憲法調査議員団
は、私を団長に、
葉梨信行
君、
中川正春
君、
春名直章
君の四名をもって構成されました。なお、この
議員団
には、
事務局
及び
法制局
の
職員
、
国立国会図書館職員
のほか、二名の記者が同行いたしました。 私
ども
一行は、最初の
訪問地
である
イギリス
の
ロンドン
において、九月二十四日及び二十五日の
両日
、六つの
会談
を行いました。 まず、二十四日の午前は、
国会議員会館
において、
人権
に関する
両院合同委員会委員会クラーク
のポール・エバンス氏から
イギリス
の
人権保障
について、次いで、副
首相
府において、ニック・
レインズフォールド閣外大臣
及び
イアン・スコッター地域議会部長
から
ブレア労働党政権下
の
地方政策
について、それぞれ
説明
を聴取した後、
質疑応答
をいたしました。 それらの
会談
の中で、
人権保障
については、
欧州人権条約
の
国内法制化
の措置として一九九八年に
人権法
が制定されたこと、その際に、
イギリス
の伝統的な
議会主権
の
原則
との
関係
が問題となったこと、また、
地方政策
については、
ブレア労働党政権
は、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドに続いて、イングランドにおいても
地方議会
の
設置
を含めた
地方分権
を進めようとしていること、こうした
動き
は、
政府
の
効率性
だけではなく、
政府
への参加に関心を持つ
国民
の期待にこたえるものであること等の
説明
がなされました。 同日の午後は、
ロンドン大学
の
研究室
を訪れ、ロバート・
ヘーゼル教授
との間で、
上院改革
及び
政官関係
を
中心
に、
憲法全般
にわたって
質疑応答
をいたしました。
ヘーゼル教授
からは、
上院改革
に関して、
上院議長
が、
内閣
の
法務大臣
、
上院
の
議長
及び
大法院
の長としての大法官という三権にわたる
地位
を兼ねていることが問題とされていること、また、
政官関係
に関しては、
イギリス
では
官僚組織
の
公正中立
が伝統とされてきたが、最近では、そうした
官僚組織
の運用に不満も出ていること等の
説明
がなされました。 翌二十五日は、在
連合王国日本国大使館
において、
上院改革
に関する
両院合同委員会委員会クラーク
のデビッド・ビーミッシュ氏及び
政府
の
上院改革チーム
から、それぞれ
上院改革
について、次いで、チャールズ・
コクラン公務員組合評議会事務局長
から
政官関係全般
について
説明
を聴取した後、
質疑応答
をいたしました。 これらの
会談
の中で、
上院改革
につきましては、
世襲貴族
の削減を主とした第一
段階
の
改革
は終えており、現在は、長期的な第二
段階
の
改革
について検討を進めているが、
ウェイカム報告書
と呼ばれる
王立委員会
の
報告書
を踏まえ、
議会
内の
両院合同委員会
での
議論
に重点が移っていること、そこでは、
上院
に
公選制
を導入した場合の
下院
の
地位低下
のおそれについて
議論
がなされていること等の
説明
がなされました。 また、
政官関係
については、
イギリス
の
公務員
は
内閣
の一員としての
大臣
に仕えるものであって、
政治家個人
に仕えるものではないとの考え方があること、
政治
的な面については
政治任用
の
特別アドバイザー
が補佐するものとされていること等の
説明
がなされました。
会談終了
後、直ちに
タイ
のバンコクに向かい、九月二十七日、同地において
三つ
の
会談
を行いました。 まず、同日の午前は、
憲法裁判所
において、
スチット判事
から
タイ
における
憲法裁判所
の
活動
について、また、ラマ七世を記念した
王立研究所
であるプラチャーティポック・インスティチュートにおいて、
ボウォンサック・ウワンノー事務局長
から
タイ
の
選挙制度等
に関して、それぞれ
説明
を聴取した後、
質疑応答
をいたしました。
スチット判事
からは、
タイ
の
憲法裁判所
は、
設置
以来二百件を超える法令の
合憲性審査
が行われていること、
汚職防止
の面でも、
政治家
の
資産報告
の
虚偽審査
を行っていること、また、
ウワンノー事務局長
からは、
タイ
の
選挙制度
は
日本
の小
選挙
区
比例代表並立制
を
参考
にしたことのほか、
タイ
における
政治腐敗
の
実態
について
説明
がなされました。 同日の午後は、マルット・ブンナーク元
下院議長
の
法律事務所
において、同元
議長
から幾多の
クーデター
を重ねた同国の
憲政史
について
説明
を聴取した後、
質疑応答
を行いました。 翌二十八日、
シンガポール
に向かい、到着後直ちに、
大使公邸
において、
フィリピン
、
マレーシア
及び
インドネシア
の
アジア
三カ国の
憲法
に関して、それぞれの
大使館
から招致した公使、参事官及び書記官から
各国
の
憲法事情
について
説明
を聴取した後、
質疑応答
をいたしました。 それらの国々の
憲法事情
について主要な点を簡単に
報告
すれば、まず、
フィリピン憲法
について、
マルコス独裁体制
の
経験
から、
行政権
に対する抑止が強く働いていること、
基本原則
として、
国民主権
、
平和主義
、核兵器の
廃絶等
が掲げられているほか、
外国軍隊
の駐留及び
外国軍基地
の
設置
の
原則
的な禁止を決めた
憲法
上の
規定
があること、また、
マレーシア憲法
については、イスラム教を国教と定めてはいるが、
憲法
が
最高法規
とされていること、
マレー系住民
の特別な
地位
が
憲法
に明記されていること、
マレー語
の
地位等
に関する言論を規制する
規定
が
憲法
に置かれていること、そして、
インドネシア憲法
については、
スハルト独裁体制
の崩壊から、
大統領
の権限を制限する等の
民主化
に向けた
憲法改正
が、四年連続となる本年の
改正
で一応の完成を見たこと、しかし、
国内
の
体制
は、法の支配の
確立等
において依然として
課題
があること等といった
説明
を受けました。 九月三十日には、
シンガポール憲法
に関して
三つ
の
会談
を行いました。 まず、同日の午前、
シンガポール
の
司法長官庁
において、
ジェフェリー・チャン司法長官庁民事局長
から
シンガポール
の
憲法制度全般
について
説明
を聴取した後、
質疑応答
をいたしました。
チャン民事局長
からは、
シンガポール
では、
中国系
以外の
少数民族
に配慮し、
少数民族
が必ず
国会
に議席を持てるように配慮した、
グループ選挙制度
という独特の
選挙制度
を採用していること等の
説明
が行われました。 次いで、同日の午後には、外務省において、
ジャヤクマール法務大臣
兼
外務大臣
と懇談し、
国民
の
兵役義務
を定めた
シンガポール
の
国防制度等
について
意見
を交換した後、在
シンガポール日本国大使館
において、
シンガポール国立大学
の
ティオ・リーアン助教授
との間で
質疑応答
を行い、
グループ選挙制度
について、与党の
人民行動党
に有利な
選挙制度
であって、同
助教授
の私見としては単純小
選挙
区制が望ましいと考えていること等の
説明
を受けました。 その後、
シンガポール
から
中国
の
北京
に向かい、十月二日及び三日の
両日
、
三つ
の
会談
を行いました。 まず、二日の午前には、
中国人民大学法学院
において
曾憲義院長
から、また、同日の午後には、ホテル内において
中国共産党中央党校
の
劉俊傑教授
から、それぞれ
中国
の
憲法制度全般
にわたって
説明
を聴取した後、
質疑応答
をいたしました。 その中で、現在の一九八二年
憲法
に至る
中国憲法
の歴史を踏まえて、まず、
社会主義市場経済
の概念が
議論
になりましたが、これについては、
中国
が
改革
・
開放政策
を進める中で
市場主義経済
の導入は必要かつ必然であって、
社会主義市場経済
はそのための
発展形態
であること等の
説明
がなされました。また、
中国
でも、
科学技術立国
の立場から、
知的所有権
の
保護
が重要な
課題
として取り組まれていること、
憲法改正
に関する理論的な問題として、
私有財産
の
保護
をいかに図っていくかが
議論
されていること等の
説明
も行われました。 翌三日には、
人民
大会堂において、
張春生全人代常務委員会法制工作委員会
副
主任
との間で、
現行憲法
の制定の経緯について
説明
を聴取した後、
意見交換
を行いました。
張春生
副
主任
からは、
我が国
の
平和憲法
が
北東アジア
及び世界の平和に多大の
貢献
をしてきたことを評価していること、
我が国
が
国連決議
に基づく
平和維持活動
に参加することは全く問題がない旨の
発言
がなされました。 同日、
北京
から
韓国
のソウルに向かい、翌四日、四つの懇談及び
会談
を行いました。 四日午前には、まず、
国会議事堂
において、
朴寛用国会議長
を表敬訪問し、
憲法
をめぐる諸
情勢
について
意見交換
を行いました。その中で、
朴議長
は、
韓国
では、
大統領
の任期を
国会議員
と同じ四年とすべきではないかといった
憲法改正論議
があること、
日本
が
平和憲法
を
中心
とした
経済大国
に見合った
国際貢献
を行うことは高く評価できるが、
アジア
の諸国として
日本国憲法
九条に賛意を表していること等の
意見
が述べられました。 次いで、同じく
国会議事堂
内において、
金錘斗国会法制室長ら法制室職員
の方々と面談し、
韓国
における
議員立法
の状況、
立案過程
における
法制室
の
役割等
について
説明
を聴取いたしました後、
質疑
をいたしました。 同日の午後は、
憲法裁判所
において
朴容相事務処長
から、また、
国家人権委員会
において
金昌國委員長
からの
説明
を聴取した後、
質疑応答
をいたしました。 それらの
会談
の中で、
憲法裁判所
に関しては、
韓国
の
憲法裁判所
は、
国民
の強い支持のもと、
軍事政権下
で制定された多くの
立法
について違憲の
判断
を下していること、また、
一般市民
が直接
憲法裁判所
に提訴することができる
憲法訴願制度
が活発に利用される等の積極的な
活動
を行っており、内外から高い評価を受けていること、また、
国家人権委員会
に関しては、同
委員会
は、
軍事政権下
の
権威主義
において
人権
が侵害された
経験
にかんがみ、昨年、
政府
から独立した
機関
として
設置
されたばかりの
機関
ではありますが、積極的な
活動
が期待されている等の
説明
がなされました。 以上のような極めて多忙な
日程
を消化し、私
ども議員団
は、去る十月五日、帰国いたしました。 ごく短期間の
調査
でありますし、また、各
訪問国
における
調査事項
が極めて多岐な問題に及びましたので、ここで結論めいたことを申し上げるのは到底不可能なことでありますが、しかし、一言だけ個人的な所感を申し上げるとすれば、
上院改革
、
地方分権
の
推進等
の
憲法改革
を続ける
イギリス
、
改革
・
開放
の
推進
に当たり必要な
憲法改正
を行った
中国
、
国民
的な運動を受けて民主的な
憲法
が制定された
タイ
、
フィリピン
、
インドネシア
、
韓国等
の
経験
にかんがみるとき、
各国
において、
社会情勢
が急激に変遷していく中で、それらの諸
情勢
に応じて、随時、
憲法
の
あり方
に関する
国民的論議
がなされ、それを踏まえて
憲法改正
がなされてきているということであります。 この
調査
の詳細をまとめた
調査報告書
は、
議長
に提出し次第、
委員各位
のお手元に配付する所存でございますので、本
調査会
の今後の
議論
の
参考
に供していただければ結構かと存じております。
最後
に、今回の
調査
に当たり、種々御協力をいただきました
各位
に心から感謝を申し上げますとともに、充実した
調査日程
を消化することができましたことを心からお礼を申し上げたいと思います。まことにありがとうございました。 以上、簡単でありますが、このたびの
海外調査
の
概要
を御
報告
させていただきました。 引き続きまして、
派遣議員
から
海外派遣報告
に関連しての
発言
を認めます。
葉梨信行
君。
葉梨信行
10
○
葉梨委員
私は、
中山会長
並びに
中川議員
、
春名議員
と四名で、この第三年目に当たります
海外調査
に参加させていただきました。今
会長
から御
報告
がございましたので、
感想
を簡単に申し上げてみたいと思います。
イギリス
初め
各国
へ参りまして一番強く感じましたのは、
各国
が、新しい時代の流れの中で積極的に対応し、
基本法
たる
憲法
を
改正
する、
イギリス
では
成文憲法
はございませんが、
基本法
である
地方分権法
等々を
改革
し、
改正
をしておるということに驚きの目を持って私は
お話
を聞き、学んできた次第でございます。
イギリス
では、
ブレア首相
のリーダーシップによります
地方分権
、それから
上院
の
改革
が特に
印象
深うございました。
地方分権
につきましては、
ブレア内閣
と申しますか、
首相
の
出身母体
でございます
労働党
の保守党に対する
政権戦略
もある、そういう批判も聞きましたけれ
ども
、
地方分権
が着々と進んでいるという
印象
を受けたわけでございます。
上院改革
につきましては、
上院
の
改革
は大変難しいので、できることからやっていこうということで、
世襲議員
の
廃止等
を実現いたしました。できるところからやっていくというその態度には、なるほど
イギリス
的なものがあるなという
印象
を持った次第でございます。 それから、びっくりしましたのは、
上院議長
の
権能
でございますけれ
ども
、
日本
では考えられないような
権能
があって、それを
改革
しようという
動き
がございますけれ
ども
、それを
法律
的に
改革
するということは
憲法改正
でございますが、そうではなくて、そういうことをしないようにしていこうという
イギリス
的な
判断
もあると聞きまして、これはなるほどとおもしろく感じた次第でございます。 それから、
イギリス
で
印象
深いのは、さっきも
会長
からも
お話
がありましたが、
公務員組合評議会事務局長
の
お話
の中で、
公務員
の
政治的中立性
については、
公務員
は
大臣
に仕えるのであって、政党に仕えるのではないという
発言
がございまして、大変
印象
的に聞いた次第でございます。
タイ
に参りましてからは、
タイ
が累次の
クーデター
、そして
憲法改正
という中で、
腐敗政治
を打破して、それを乗り切って今日に至っているということ、その
関係者
の命をかけた大変な
改革
の努力に深い感銘を受けたわけでございます。
憲法裁判所
の機能も大変うまく発揮されて、
汚職防止委員会
などの
活動実態
についても伺いました。そして、
憲法改正
の問題については、
改正
しやすくというのが
現行
の
タイ憲法
の
原則
の
一つ
であるということを承ったのでございます。 それから、私
ども
日本
も
政治改革
ということで
比例代表小選挙
区制を導入いたしましたが、
タイ
でも
日本
の
選挙制度
を
参考
にしているという
お話
を、
王立研究所事務局長
の
ボウォンサック・ウワンノー教授
から熱のこもった御
説明
をいただいたわけでございます。
タイ憲法
で
憲法改正
がしやすくなっている
背景
につきまして、これはこの
憲法
を通す際の
妥協策
の
一つ
であった、そういう面もあったという御
説明
を聞きましたが、これだけ
国民
に定着し、
人民
の
憲法
と呼ばれている
現行憲法
が実際に
改正
しやすいかというと、そう簡単ではないだろうという
感想
も伺ったのでございます。 そして
最後
に、元
下院議長
さんと
お話
をいたしましたが、これだけ民主的な
憲法
ができたのだから、
クーデター
の
可能性
はほとんどないという
お話
をお聞きいたしました。
大変タイ
の政界が自信に満ちた対応をし、歩みを進めているという
印象
を受けたわけであります。
シンガポール
では、
マレーシア
、
インドネシア
、
フィリピン
等々につきまして、
先ほどお話
がございましたように御
説明
を伺いましたが、
シンガポール自身
の
憲法
についての
お話
も大変多岐多様にわたり、興味深いものがございました。 その中で、
アジア的価値観
という言葉が出まして、
アジア的価値観
とは何かというようなことにつきまして、これは
役所側
からの
お話
ですが、
国民
が
政府
を信頼するかどうか、
政府
は基本的によいことをしてくれるものという性善説をとっているかどうかである、そのように理解していると、
コンセンサス形成
の
重要性
を主張しておられました。その
背景
には、
中国系
、
マレー系
、
インド系
というように、
人種
が混在する
シンガポール
における
人種的融和
の
必要性
がある、こういうことを強調していたのでございます。 それで、もう
一つアジア的価値観
の例といたしまして、親の
扶養義務
の
制度化
の必要について質問をいたしましたが、お目にかかりました
ジャヤクマール法務大臣
は、これは
法制化
の際に
議論
があったが、自分としては、基本的には教育の問題であって、
憲法
や
法律
の果たす
役割
は限定的なものではないか、こういう御
発言
でございました。
アジア的価値観
と
憲法
による
権力抑制
の
重要性
の
関係
など、
憲法学
のみならず
政治学的観点
からも
研究者サイド
の
お話
も詳細に承った次第でございます。 そしてもう
一つ
印象
深いのは、
中国
が経済的に大変発展してきていることに対しまして、
シンガポール
初め東南
アジア
の国々が
日本
に大変大きく期待している、こういうことの強調があったことも申し上げておきたいと思います。 それから、
中国
につきましては、今
会長
から
お話
がありましたとおりでございますが、一九五四年の
中国
初めての
憲法
以来の集大成として一九八二年
憲法
ができた、そして民主集中制のもと、
人民
代表制度によって民意が集約された
憲法
であるということが強調されましたが、民主集中制ということの実効、要するに我々の民主主義的な
議論
の仕方等についての疑問に対しまして、
中国
的な御
説明
がございました。
社会主義市場経済
とはどのようなものかとの質問もいたしましたけれ
ども
、社会主義にはいろいろ解釈があろうが、社会主義は貧困でないことという
原則
のもとで、
中国
の特殊性を前提に、
改革
・
開放政策
をとる中で市場経済の導入は必要であり必然の道である、そのための
発展形態
であるという
説明
を伺ったわけでございます。 それから、天安門事件の評価につきまして、質問が
中川議員
からございましたけれ
ども
、これは
中川議員
から
お話
があるかと思いますけれ
ども
、あの措置は正しかった、最終的な評価は歴史が
判断
するであろうという答えを聞いたのでございます。 それから、おもしろいことは、トウショウヘイの言った言葉、
改革
・
開放
につきまして、社会主義革命建設の中でわかったことは、何が社会主義なのか今になってもわからないということだ、こういう
お話
まで出てまいりました。 そして、
中国
は世界最大の後進国であり、
中国
が
日本
にとって脅威になることはないと、
中国
脅威論につきまして否定的な
発言
がございました。 それから、
シンガポール
でも出ました
お話
でございますが、親子の
扶養義務
について、少子高齢化の中で問題になっている、これについても話題として出ましたけれ
ども
、
中国
も一人っ子政策の転換期に来ている、親子の
関係
をどのように
規定
するかは日中両国の伝統的美徳の問題であるけれ
ども
、
中国
でも若い者は親の言うことを聞かなくなっているといった
発言
もございました。
中山
団長から、国連の要請に基づく
日本
の協力につきまして、国連安保理事会の常任理事国としての
中国
の立場に関する
発言
がございましたが、これに対しまして、
中国
側からは、
国連決議
に基づく
日本
の
平和維持活動
の参加には全く問題はないということが言明されました。 それから、
最後
に
中山
団長から、
中国
の軍事予算の拡大に関する懸念がございまして、
中国
と
日本
の両国で緊密な話し合いの
必要性
があるという御
発言
もあったのでございます。
韓国
につきましては、いろいろ今
お話
がありまして、つけ加えることはそうないと思いますが、
中山
団長から、
北東アジア
の地域安全
保障
に関する議員同士の
意見交換
の
必要性
に関する
発言
に対しまして、
議長
さんから、韓日米の三カ国連携の上で中ロと話し合っていくことが重要であるという御
発言
があった次第でございます。 いろいろ申し上げたいことはございますが、大体
感想
は以上でございますが、私自身の
感想
といたしまして、自国の安全と利益に優先するような対外の友好
関係
というものはない。政策の方向性につきましての選択や
判断
は各党それぞれございましょうけれ
ども
、基本的に、
日本
国民
同士としての信頼感を基本にして、
憲法
についてこれからの
議論
を進めていくことが重要ではないであろうかということを改めて痛感している次第でございます。 以上です。
中山太郎
11
○
中山会長
次に、
中川正春
君。
中川正春
12
○
中川
(正)
委員
大変厳しいスケジュールの中でありましたけれ
ども
、機会を与えていただいたことにまず感謝を申し上げたいというふうに思います。 私は、短く三点ほど
報告
と
感想
を述べさせていただきます。 まず第一に、
中山会長
からも御指摘があった話でありますが、
各国
ともに非常に活発に
憲法改正
についての
議論
があり、自分の国の目標、それから争点を、
憲法
を
一つ
の手段としてまとめていくということ、その努力がなされていた。その結果、ちょっと前まで軍事政権であったところが、非常にすばらしい
憲法
といいますか、新しい、特に基本的な
人権
等々の考え方を取り入れながら、新しいものを取り入れながら
憲法
をつくり上げているということ、このことについて共通して感銘を受けたということであります。 そういう意味では、
日本
は何でこんなにおくれちゃったのかなという、その反省がまず先に立つべきところであろうというふうに思います。 次に、そういうことが行われた
背景
の中の
一つ
として、私は、
憲法裁判所
の機能というのがそれぞれにあるように思いました。
憲法裁判所
がはっきりと
判断
を下す、違憲であることは違憲だと、それをもって
立法
府が
議論
をするという、そうした環境をつくり上げていくことがいかに大事かということだと思います。そこがぶれている、あるいはそれが
政治
的な
判断
に任せるというようなことになりますと、結局、だれも
判断
ができなくて、先送りしてしまうということであったのではないかということ、そのことがそれぞれの国で
憲法裁判所
の機能としてしっかり働いているな、それが生きているなということ、そのことを改めて感じた次第であります。 それから
最後
に、
憲法
九条について、特に
韓国
それから
中国
においてはこの
憲法
九条を一様に評価しているわけでありますが、その中でも
印象
的だったのは、しかし、
日本
は、それかといって、中に閉じこもっているということではないだろう、特にPKOの
活動
については積極的にこれを評価していきたいというような、そんな話が出ておりまして、それは結局は、将来に対する
日本
との信頼
関係
の中で、
日本
がどんな形で
憲法
九条を見直していって、かつ、国際的な
貢献
を正しい形でしていくかということに対する期待感みたいなものにもつながっているんだろうというふうに思います。 そういう方向性を持って私たちも
議論
をしていくということ、このことが大切なんだということを改めて確認させていただいたということでありました。 以上、
報告
にかえさせていただきます。
中山太郎
13
○
中山会長
次に、
春名直章
君。
春名直章
14
○
春名
委員
イギリス
、
タイ
、
シンガポール
、
中国
、
韓国
の
海外調査
に参加しましての私の
感想
を述べたいと思います。
イギリス
は不文
憲法
の国ですし、
タイ
は繰り返しての
クーデター
から九七年に初めて民主的手続で
憲法
が制定された国、それから
韓国
も八八年に軍事政権から民主政権に前進したことを契機に新しい
憲法
を打ち立てた国だ、それぞれの
憲法
の歴史が大きく異なっているわけです。 すなわち、
憲法
の歴史、
国民
の権利獲得の闘いの産物として
憲法
が成り立っている、そして、
憲法
問題を考えるときは、単に
改正
の回数とか明文
規定
のあるなしではなくて、国の
政治
と
国民
生活との
関係
で考えることが非常に大事だということを、今回訪問した国々の
憲法事情
からも強く感じた次第です。 この点で、二つについて述べたいと思います。 第一点は、近代
憲法
の大
原則
である
国民主権
と
人権保障
という普遍的な
原則
が、それぞれの国の
あり方
の
中心
に据えられて前進しているという姿が大変
印象
的でした。
憲法
典を持たない国の
イギリス
では、
上院改革
の第一弾として、今
お話
がありました、世襲制の貴族院を
改革
すること、また、官僚と
政治家
との癒着を断つこと、これにも大変な努力を傾注されておられました。これらは、
国民主権
、民主主義という
原則
を一層発展させる、そういう営みだと思います。
韓国
は、軍事独裁政権から民主政権に移行した際に制定した新
憲法
、その最大の特徴は、民主主義と
人権
をいかに徹底させるかに力点が置かれていたと思います。
憲法裁判所
も、
憲法
理念をしっかり根づかせて、
人権
を
保障
する
役割
を担っているということで御
説明
がありました。つい最近つくられた
国家人権委員会
も、
人権
侵害の根絶、
人権
意識を啓蒙する
役割
を担いつつあるということが大変
印象
的でした。
タイ憲法
は、九七年、初めて民主的手続によって制定されました。その中身は、国家
汚職防止
取締
委員会
、
国会
オンブズマン、
選挙
管理
委員会
などを
設置
して、
政治腐敗
防止への強力なシステムをつくり出しているということが大変
印象
的でした。 これらの国々も、その国における諸問題との
関係
で、さまざまな
国民
の模索と運動を経て、民主主義と
人権保障
を拡充させてきている、このことを肌で実感することができました。 第二は、
アジア
各国
から、九条を初めとした
我が国
の
憲法
の
平和主義
への支持が表明され、積極的に評価するという
発言
があったと同時に、それが崩されることへの危惧も率直に語られたというのが特徴的だったと思います。
中国
の全人代法制工作
委員会
の張副
主任
は、
日本
の
平和憲法
が
アジア
と世界、
日本
の発展に大きく
貢献
してきたこと、もし軍拡の主張を取り入れて軍事プレゼンスを拡大すれば九条に違反することになること、最近のテロ特措法や有事法制に対する危惧が民衆の中にも広がっているということなどを率直にお述べになりました。そして、その
背景
に
日本
と
中国
との歴史問題があることを
発言
されました。それから、
韓国
国会
議長
も、侵略をしないという
日本
の
憲法
、とりわけ九条への強い賛意を表明されました。 私は、
中川議員
と一緒に、
シンガポール
に行ったときに、
日本
軍占領時死難者慰霊碑、血債の塔というところに献花をさせていただきました。
日本
軍によって、
シンガポール
では五万人から十万人の犠牲者が生まれたとも言われております。それから、朝鮮半島への植民地支配時代に、独立運動に参加した人々を逮捕、投獄し、虐殺したというソウルの西大門刑務所跡も
葉梨
議員とともに視察させていただきました。生々しい虐殺の再現に大変強い衝撃を受けました。
日本
の侵略戦争が朝鮮半島、
アジア
の国々に今も深い傷跡を残している、侵略戦争への反省なしに
アジア
各国
との真の友好は築けないということを改めて実感させられました。 今、東
アジア
は、世界の中でも平和への大きな流れを形成している地域だと思います。ASEANは、九〇年代にベトナム、ラオス、カンボジアを迎えて、ベトナム戦争時代の対立を克服して、東南
アジア
十カ国すべてが参加する地域協力機構に発展しておりますし、九四年には東
アジア
全域の安全
保障
対話を目指すASEAN地域フォーラムを発足しております。九五年には、東南
アジア
非核地帯条約も調印されています。大使を招いてお聞きした
フィリピン
、
インドネシア
、
マレーシア
を含めた東
アジア
各国
で、非同盟、非核兵器、紛争の平和的解決という力強い潮流が前進していることを実感いたしました。 こうした
各国
の
憲法
状況を見るにつけて、
日本
の場合も、
人権保障
と民主主義、
日本
の平和と外交などをめぐってさまざまな歴史、
国民
の運動と模索があります。本
調査会
ではこのことを踏まえた
憲法
の運用
実態
をこそぜひしっかり
調査
すべきであるということを改めて感じましたので、
発言
とさせていただきたいと思います。 以上です。
中山太郎
15
○
中山会長
これにて
派遣議員
の
発言
は終了いたしました。
—————————————
中山太郎
16
○
中山会長
これより御
意見
のある
委員
から御
発言
をいただきたいと存じます。 御
発言
を希望される方は、お手元にあるネームプレートをお立ていただき、御
発言
が終わりましたら戻していただくようお願いいたします。 なお、議事整理のため、御
発言
は、
会長
の
指名
に基づいて、自席から着席のまま、所属会派と氏名を述べられてからお願いいたします。また、御
発言
は五分以内におまとめいただきますようお願いいたします。
発言
時間の経過についてのお知らせでありますが、終了時間一分前にブザーを、また終了時にもブザーを鳴らしてお知らせいたします。 それでは、ただいまから御
発言
をお願いしたいと思います。
金子哲夫
17
○
金子
(哲)
委員
社会民主党・市民連合の
金子
です。 今、第三回目の本
憲法
調査会
の
海外調査
の御
報告
をいただきましたけれ
ども
、私も昨年の
調査
団に一緒に参加をさせていただきまして、きょうの
報告
を聞きまして、大変特徴的だったなという思いが
一つ
だけしております。 といいますのは、これまでいわばそれぞれの国の
憲法
状況について
調査
をし、そしてまた私
ども
もいろいろ質問して知識を豊富にしたということがあると思いますけれ
ども
、今度の
調査
団の中で、
会長
の
報告
にもありますように、また、配付されております
参考
資料の
報告
にもありますように、
中国
、
韓国
から、
我が国
の
憲法
、特に九条について言及されたということは、今までの
調査会
の海外視察ではなかったことではないかというふうに思っております。それだけに、この
憲法
調査会
に対して、とりわけ隣国である
中国
及び
韓国
の国々が、この
調査会
の論議に注目をしてきているというふうに見なければならないのではないかと思います。 特に、
憲法
九条について言及されたということですけれ
ども
、この問題については本
調査会
でもいろいろ論議が行われてきたところですけれ
ども
、その観点でいえば、
中国
、
韓国
から主張されているいわば戦後の五十七年間の歴史の中、そしてまたそれ以前の歴史というものに対する、
日本
の軍国主義による侵略を受けた国として非常に強い関心を持っておられる。また、その行方次第によって、
日本
のこれからのありように対しての危惧も表明されたということについて、本
調査会
でも率直に受けとめなければならないのではないかというふうに私自身は
感想
を持ちました。 それから、
韓国
の
国家人権委員会
のことについて
お話
がありました。今、この
報告
を聞きながら、私
ども
の
国会
でも
人権
擁護法の論議がされておりますけれ
ども
、私自身、この
報告
を聞いてまさにそのとおりだというふうに思いましたのは、軍事政権を体験したという
経験
があるとはいえ、いわば国家と
国民
の
人権
とのかかわりを特に
中心
的に救済をしていく、
人権
救済の基本的な視点というのが、国家とのかかわりの中にあって
人権
抑圧に対して救済をしていくということが、この
国家人権委員会
をつくるに当たっていろいろ論議をされてまとめられたと聞いております。 残念ながら、そういう観点から見ますと、
日本
の今これから審議されるでありましょう
人権
擁護法案の実体を見てみますと、法務省に管轄が置かれるなどして、国家と
国民
との
人権
にかかわる問題を本当に救済するかという問題をこの問題から受けるし、その点をしっかりと、せっかくの
調査
活動
ですから、
憲法
調査会
の
調査
のみにとどめずに、できればそうした
調査
結果がこれからの
国会
論議の中にも生きていくということがあれば、さらにこの
憲法
調査会
の海外視察の
役割
というものも大きくなるのではないかというふうな
感想
を私は持っております。 以上、二つを申し上げて、私の
意見
としたいと思います。
中山太郎
18
○
中山会長
他に御
発言
ございませんか。——それでは、
発言
も尽きたようでございますので、これにて
委員
からの
発言
を終了いたします。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時二十一分散会