○木下
委員 民主党の木下厚でございます。
きょうは、
行政監視の観点から、文部科学省の天下り法人が教科書検定
制度の根幹を揺るがす、そういうような不正行為をしているのではないかとの疑惑について、遠山
大臣並びに
関係当局にお伺いします。
御
承知のように、小中学校の教科書並びにその教科書に準拠して作成される地図やドリルなどの図書教材の出版、販売に関しては、検定
制度のもと、客観的で公正な編集あるいは採択が行われるよう、厳しい法的な規制があります。
しかし、実際は、文部科学省の幾つかの天下り法人が教科書を出版する会社や図書教材を出版する会社を操り、検定
制度をゆがめて、利権温存を図っている
実態をまず
指摘しておきたいと思います。
お配りした資料の一を見ていただきたいと思います。
これは、教科書並びに教材図書の発行に関して、文部科学省の所管する社団法人、財団法人との
関係を示したものです。実に多くの社団法人、財団法人がいわば文部科学省にぶら下がっているという
実態がおわかりいただけると思うのです。
このうち、社団法人教科書協会及び社団法人日本図書教材協会、これについて、社団法人教科書協会は、教科書の出版会社が約二十二社加盟しています。また、社団法人日本図書教材協会には、教材図書の出版社約六十一社が加盟しております。
ここで、少し簡単に、教科書の出版と図書教材の出版について
説明しておきたいと思います。
教科書の改訂は、ほぼ四年に一度行われます。現在、小中学校で使用されている
平成十四年度の教科書は、
平成十一年、文部科学省が新教育指導要領を発表し、それに基づいて教科書出版会社が原稿執筆や編集作業に入り、教科書検定のためのいわば白表紙本を作成して文部科学省に提出し、そして
平成十三年一月三十一日に検定が終了する、こういうプロセスになっているわけです。
このプロセスの中で問題になるのが、検定のために提出する通称白表紙本、正式には
申請図書または教科書原本と言われていますが、この扱いが大きな問題になるわけです。
文部科学省は、教科書検定
制度の観点から、各教科書出版会社や
関係機関に、白表紙本は検定の
申請以外の目的で使用することを禁止する通達や通知を出しているほか、献本も禁じる指導をしています。これは資料の二を見ていただければわかると思うんですが、この資料二には、
平成十二年十二月二十六日付で文部省初等中等教育局教科書課長の名前で、取り扱いについて書いてございます。これを見て明らかなように、白表紙本は検定以外には出してはいけない、流出してはいけないと指導しております。
ところが、この白表紙本の流出については、
平成十二年に検定中の扶桑社版の歴史教科書が、白表紙本のコピーの一部が流出して大きな問題になりました。また、かつて中国との教科書問題の発端となった侵略と進出をめぐる論争など、こうした白表紙本が検定前に流れている、その事実も明らかになっています。
そこで、まずお伺いします。
白表紙本が文部科学省が行う教科書検定以外の目的で使用されたり、検定以前に
外部に流れることについて、
文部科学大臣は、教科書検定
制度の趣旨に照らして、どのようにお考えでございましょうか。御
見解をお伺いします。