○小林(守)
委員 大臣、そういう経過がございまして、この問題、非常に
環境省の基本的な問題が問われている、見えてしまう問題だというふうに思うんですよ。ひとつ賢明な選択をしていただきたいというふうに御期待を申し上げたいと思うんです。
それでは、時間の関係もございまして、一つだけこれは提言というかそういう形にしたいと思うんですが、このたび、中海・宍道湖の淡水化
事業を島根県は鳥取県と一緒に中止したいということを国に要望しようというように、大体議会の中では中止を決定したというふうに報道されておるわけです。もうこれについて詳しい
事業の経過は申し上げませんが、私は、中海・宍道湖というのは、ラムサール条約の湿地としても非常にふさわしい規模であり、また質を持ったものだというふうに思うんですけれども、あそこに対して
地域再生というようなことも含めて考えていくならば、私はこの自然再生推進法の極めてモデル的な
事業になるのではないかなというふうに思えてならないんですよね。
ラムサール条約の登録湿地の手続をまずしていってはどうかとか、そのためにどういう条件
整備をしていったらいいのかということもあるでしょう。もちろん地元の盛り上がりも必要だということにもなるんだろうと思いますが、私は自然再生推進法のモデルケースになり得る格好のものではないのかな、このように考えておりまして、ぜひそういう方向での取り組みをお願いできないかということを要望しておきたいと思います。
それで、時間の関係でもう一つ触れておきたいんですが、旧日本輸出入銀行、それと海外経済
協力基金が統合になりまして、三年前に国際
協力銀行、JBICが発足いたしたわけであります。その設置法にかかわりまして、国会の方では附帯決議を付して、この国際
協力銀行の機能、役割については、国際水準の
環境アセスメントを融資の際に行いなさい、そして情報公開を徹底してくださいというような附帯決議をこの設置法の際に付したわけでございますが、この国際
協力銀行の融資業務について、それを受ける形で本年の四月に新しい
環境配慮のガイドラインが発表されました。
そういう点では、一歩踏み込んだものとして国際的にも評価されているというふうなことをお聞きいたしているわけでございますが、現在、
異議申し立て制度について決めていくために、いろいろな手続を経ながら、来年ですかの施行に向けて取り組みを進められているところでございます。要は、国際
協力銀行の融資業務について、これはおかしいよ、いろいろな問題がある、あるいは
環境ガイドラインに沿ってちゃんと守って行われているものではないよというようなものを
異議申し立てしていくというような制度でございます。
いろいろな論議の中で、パブリックコンサルテーションというものが今行われておりますけれども、
政府開発援助にかかわる円借款業務、ODAにかかわる円借款業務については、国際
協力銀行がその
環境評価をして、それを示した以降は契約調印前であっても
異議申し立ては受けますというふうに変わってまいりました。そういう点で、一歩前進として評価をしたいと思うんですけれども、しかしながら、もう一方の、
政府開発援助にかかわるものではない民間の海外活動、海外投資活動、これについての金融業務については、融資契約調印後でなければ受けられないとかたくなに主張をしておるんですね。
これは国際
協力銀行と
産業界がかなりその意向が強いようでありますが、基本的に
政府系の金融機関でありますから、そこに公的
資金が流れるわけですけれども、財務省にしても外務省にしても、そこにかかわっている
環境省にしても、いや、当然融資契約調印前にやっていいじゃないか、やるべきじゃないかというふうに私は聞いております。
当然NGOの皆さん方も、ぜひ事前に、できるだけ早い
時点でリスクを回避する、リスクを軽減するという意味からも、融資契約調印前に
異議申し立てを受けるべきだということを強く主張しているし、
政府の方でも、そういうふうにあるべきじゃないかというふうに言っているんだそうなんですが、国際
協力銀行は頑としてこれが受けられないということで、今日
協議中だというような
状況なんですけれども、なぜ融資契約前に受けられないのか、私にも理解できないところでありまして、その辺について、きょうは国際
協力銀行の方からおいでいただいておりますので、御
答弁をいただきたいと思います。