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土井たか子君 最初に、
一言決意を申し述べます。
この二週間ほどの間に、
国民の
皆さんから厳しい御
批判や御叱正をいただきました。私は、深く、重く受け止めております。
私たちは、厳しく自らの襟を正しまして、秘書制度、
政治資金、
政治献金の在り方について真摯に
改革に取り組む
決意でございます。
今日は、有事法制の問題について
総理に申し上げたいと思うんですが、
総理は有事法制をめぐることについて度々おっしゃる語録がございます。一つは備えあれば憂いなし、一つは憲法の範囲内でと、あと一つは、二月四日の所信表明のときにおっしゃったんですが、
国民の十分な理解を得ることが必要不可欠と。
この最初の備えあれば憂いなしとおっしゃっていることについて、この表現はどうも使用方法を間違っていらっしゃると私は思うんですね。私たちにとっての備えということになりますと、少なくとも平和憲法で備えを図ってきたんじゃありませんか。アジアにおいて戦争が起こらないような
状況を
日本が率先して作り出すということであり、平和的な環境を醸成する不断の
努力を怠らないことによって憂いを取り除いていくということだと思うんですね。
第九条、憲法の。大半の
国民が憲法第九条を守るということは大切だと思っています。そう考えていますよ。これ世論と言っていいと思います。
したがって、ただいまの備えあれば憂いなしというのは、
一言で言えば、これは戦時法制だというふうに言わなきゃならない中身を取り上げておっしゃっているわけですから、誠にこれは間違った使い方だということを言わねばなりません。
二つ目の憲法の範囲内、このたび十六日に閣議決定かと言われておりますけれ
ども、なかなか
与党の方もごたごたされておりまして、はっきりお決めになる調整が大変なようですね。この憲法の範囲内になるのかどうかというのは、ただいまの要綱を見ておりまして、それぞれの法案要綱の中身だけでも、とてもじゃない、これ憲法の範囲を踏み破ってしかできないという問題がもう山積しています、あっちこっちに。
二点だけここで、時間の関係がありますから私申し上げます。
一つは、自治体に対しての自治というのが奪われかねない。あの周辺事態法でさえ
協力を求めることができるとしか言い得なかった中身に対して、自治体との関係で、
総理は自治体が指示に従わなかったら代執行措置というのが取れるという強権をここで発動するということも認められるようになるわけですから、これは憲法の九十二条からすると地方自治の本旨を踏み破るということになるんじゃないでしょうか。
あと一つは、自治体法の中身を見ておりまして、
国民に対して物資保管命令を出して、これを拒むと六か月以下の懲役、三十万以下の罰金、立入検査を拒んだ人に対しても罰金刑と、刑罰で事柄に対して
対応するというやり方なんですね。これは憲法の保障している人権とか自由をあくまで尊重しと日ごろおっしゃっている
総理からお考えになれば、こんなことが許されていいはずはないんですよ、罰則でもって強制するという中身ですから。
そして、三番目、
国民の十分な理解を得ることが必要不可欠とおっしゃっていますが、どこの国が軍事力を駆使して
日本に攻めてくるんですか。こんな現実離れの甚だしい法案に対して
国民の十分な理解を求めるというのはなかなか、並大抵の話じゃないと私は思います。
今、
与党間でも調整が困難を窮めておられるというのがニュースで伝わってまいりますけれ
ども、私たちの方には法案要綱も、
野党の方には届きません。したがって、この中身は、なかなかこれは調整が難しいなと、ましてや
国民合意というのはほど遠いと思っております。