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平野達男君 国改連絡会の
平野達男であります。
ただいま議題となりました
平成十四年度
予算三案に対し、反対の
立場から討論を行うものであります。
まずもって冒頭で申し上げたいことは、憲法上優先権を持つ
衆議院の
予算審議についてであります。
北方支援事業を始めODAなど、
鈴木宗男氏をめぐる疑惑は
予算案そのものにかかわる重大な問題であります。本来でありますれば、鈴木氏の証人喚問で疑惑を究明した後、議決し、
予算案を参議院に
送付すべきであります。それを自然成立という
制度に安易に寄り掛かるために、三月六日議決、同月十一日鈴木氏喚問という
国民としては理解できない
予算審議を強行したことは誠に遺憾であります。憲法の運用を形骸化させた
政府・与党の責任は重大であることを強く指摘しておきます。
以下、
予算三案に対しての反対の理由を申し述べます。
第一に、
予算編成と執行に疑義があることです。
鈴木宗男氏などによる不当な行政介入によって
予算執行が大きくゆがめられていることが白日の下にさらされました。政官業癒着構造に浸り切った
政府・与党の
実態を示す氷山の一角の例であり、こうした体制の下では適正な
予算編成、執行などできるわけがありません。
第二に、失業問題への対応が緊急の課題であるにもかかわらず、失業に対する不安の解消、新たな産業育成を通じた雇用創出のための
予算が不十分なことであります。
第三に、改革
予算と言いながら、例えば改革という名の看板の付け替えによって従来型公共事業
予算を積み上げた、改革の
予算に全く値しない、かえって改革に逆行する
予算であることであります。
第四に、国債発行三十兆円枠を守り財政の規律を確保したと言いながら、隠れ借金をする。挙げ句の果ては馬の力まで借りるといった、規律確保とはほど遠い、なりふり構わぬ財源確保をした
予算であることです。国債発行にかんぬきをしたと言いながら、かんぬきを掛けたと言いながら、一方で穴を空けて財政赤字を拡大するのは全く
意味のないことであります。
最後に、
小泉総理に申し上げます。
総理は、改革を旗印として、一方で古い
自民党体質を壊すと
国民に約束し、その実現に期待を寄せた
国民の支持によって
総理となり
内閣を作りました。
日本が、世界が大きく変わっていることを踏まえ、新しい時代にふさわしい、あるべき国の形の構築、これは正に現下の
政治が直面している最大課題であります。
私には、
総理の言われる改革とは一体何を目指しているのか、いまだによく分かりません。それを置いたとしても、しかし、これまでに何か改革に値する成果を上げたでしょうか。改革にある
程度の時間が掛かるのは分かりますが、ほとんど何も進んでいないというのであれば、
国民と
政治に対する大きな裏切りであります。
また、
鈴木宗男氏などの
事件に象徴されるように、依然として既得権益にしがみついた旧来の構造、
総理の言うところの古い
自民党体質は全く変わっていません。
自分の手術が
自分でできないように、
自民党総裁のままで既得権益の打破、
政治の改革などはできないということをそろそろはっきりと認め、気が付くべきであります。
しかし、
総理に改革なるものができなくても、
総理の公約、最大公約たる古い
政治体制の打破を実現できる手段があります。それは、
自民党総裁である限り本当の改革はできないことを率直に認め、政権を投げ出すことであります。
あの十八代将軍徳川慶喜が大政奉還をしたことが、(「十五代だよ」と呼ぶ者あり)十五代将軍徳川慶喜が、間違えました、大政奉還をしたことが歴史の大きな転換点となって徳川幕府が瓦解し、明治の維新回天が成りました。
総理も身を挺し、
自民党政治崩壊の歴史的なきっかけを作ることです。あとは真の改革派の総結集、すなわち
平成版薩長連合によって本当の改革がそれこそ着実に進むでありましょう。
改革の旗印を上げながら、このまま進み、結局は抵抗勢力の親玉たる
総裁として汚名を残すか、本当の改革の出発点を作り憲政に名を残すか、
総理は今、その選択を迫られています。
小泉総理、最後の将軍たれ。
反対討論、終わります。(拍手)